『きつね月』の逆襲

多和田さんからの最新情報(2001.3.14)で訂正しました。

『きつね月』は、多和田さんが始めてあとがきを書いてくれた作品集です。 そのあとがきは、「読者への挑戦」(とは言っていないけど)ともとれる言葉で 終わっています。

「きつね月」十八話の中には、初めから日本語で書いたものと、初めドイツ語で 書いてそれを日本語に直したものとが混ざっている。どれが初めから日本語で書 かれたものかは、読者の想像にお任せしたい。
昨年review-japanの 掲示板で、多和田さんのファン(やどかりさん、上山さん、ササミ)が答え合わせをしましたが、 見事にばらついてしまいました。 いろいろあって、私は多和田さんの連絡先を知っていたので、年賀状がてら こんなことになっています、とお知らせしたところ、 多和田さんから望外の御返事があり、答を教えていただきました。 (作家と読者の関係がどうこうというレベルのメッセージではありませんし、 本来の執筆の時間を削って相手をしていただくことなど望んでおりません。) その答はしかし、われわれファンの予想を上回る結果でした、、、 これは多和田さんから読者への逆襲かもしれません。 参りました。

 
  や  上  サ  答 
「鏡像」  日 独 独 独
「たぶららさ」  独 独 独 独
「遺伝子」  日 日 日 
「詩人が息をしている」  独 独 独 日
「電車の中で読書する人々」  日 独 独 独
「ねつきみ」  日 日 日 日
「ギターをこする」  独 日 日 日
「辞書の村」  独 日 日 日
「魔除け」  独 日 日 独
「有名人」  日 日 日 日
「かける」  日 日 日 日
「船旅」  日 独 独 日
「台所」  独 日 日 日
「シャーマンのいる村」  独 独 日 日
「Zという町」  独 独 日 
「ハイウェイ」  日 独 日 日
「オレンジ園にて」  独 独 独 独
「舌の舞踊」  独 日 日 独

「遺伝子」がドイツ語で書かれたとは、だれも予想しませんでした。脱帽です。
「詩人が息をしている」も全員はずれ。主語をきちんとつけた文体 だから、ドイツ語だと思ったんですけどね。
「Zという町」には日本語のしゃれがあって、それに気がついたから私は日本語だと思ったのですが、 見事に騙されてしまいました。くやしい〜。

と自分の読みの浅さを嘆いていたら、多和田さんから訂正のメールが来ました。 直したのは赤字の部分(「遺伝子」と「Zという町」)です。 「Zという町」は、「ちゅうりっひ」(『光とゼラチンのライプチッヒ』収録)と混同していました、 すいません、ということです。つまり「ちゅうりっひ」は最初ドイツ語で書かれていたんですね。 「遺伝子」については、実はドイツ語からの直接の翻訳ではなかったとおっしゃっています。 元のドイツ語のテキストがどんな風だったのか今度見せていただけるというので、とっても楽しみです。


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