1978年、リコーが世に問うた、脅威のレンズ(50mmF2)/ハードケースつきで、¥39,800の一眼レフカメラです。当時、お笑い漫才師の、セント・ルイスが、”サンキュッパ!”とCMで連呼していたのを今でもキョーレツに思い出します。
このカメラ、実はペンタックスのKマウントを採用しており、つまりは自社のレンズでなくとも、ペンタックスの豊富なレンズ群がつかえまっせ、という、まさにコバンザメを地で行くポリシーと、徹底したコストダウン感覚で成功を収めてしまうのでした。この手法は、NECのPC-98シリーズとの互換性を詠った、エプソンのPCを思い出させます。
さて、このカメラですが、何とか優先、電子制御などというモードはひとつも無い、フルマニュアルのメカニカル制御機です。セルフタイマーもゼンマイ、シャッターダイヤルは、1/500、1/250、1/125、1/60、1/30、1/15、1/8、B しかない潔さ。でも、普通に考えりゃ、コレでも充分なのですよね。暗けりゃストロボ使えと。

さらに、外観はニコンのニコマートEL辺りのパクリで、画像を見比べると笑っちゃうくらい、そっくりですね。絞込みボタンと思しき部分なんか、XR500ではタダの飾りです。
冒頭のように、交換レンズ群はペンタックスにお任せ、外観はニコンのパクリで部品を徹底的にコストダウンと、MADE IN 後進国なみの考え方ではありますが、そこは天下のサンキュッパ、あっという間にベストセラーの座を獲得し、一眼レフというカメラそのものを、大衆に広めた功績はたたえるべきものです。実際コレに気を良くして、絞り優先に徹したXR500AUTOなど、同様なラインナップを展開したりします。外観は一緒ですけど。
さてこのカメラ、全くといってほど特に特徴は無い。しかし、純正RIKENON 50mmF2の描写は、かなり良いという評判をみたりします。また、安い割に巻き上げの感触などは、滑らかだそうだ。
そんなうわさを聞くと、ついつい落札したくなるのがワタシの性、ひそかにヤフオクでコイツをずっと狙っていました。しかし、世の中スキモノが多いらしく、意外と競争倍率が高いのです。さらに、RIKENON50mm付だと、¥5000すら超える勢いになります。しかし、当時のサンキュッパ、1/10超える値段を出してまで買うほど酔狂ではありません。
最近、欲しい人に行き渡ったのか、ふとオ-クションを覗くと、エアポケットのようにレンズつきで¥3,000で首尾よく落札出来てしまいました。旧FTbの時もそうでしたが、面白いもので、注意していると、ヤフオクなどでは時々こんな感じでお得に落札できるタイミングがあるようです。
さて、現品到着。お世辞にも極上とは言わないが、機能等それほど問題部分はなさそうです。今回の目玉、レンズも、細かい筋キズが一本確認できるが、カビも無いし、まず写りには支障ないと思われます。
お約束の、とろけたモルトプレンを張り替え、曇っていたファインダーを掃除するべく、軍艦部を開けにかかります。
いろいろHPで調べて、予備知識を持っていたので、さほど分解には苦労はしなかったものの、コストダウンであちこち笑っちゃうギミックが施されており、FTbなどの感覚で分解すると、直ぐに壊してしまいそうなポイントがあります。ちなみに軍艦部と底板はプラスチックなので、磨きこんで真鍮を出して味わいをつける、などという芸当は出来ません。
フルメカニカル機ではあるが、TTL測光と、ストロボ周りの回路がペンタ部に集中しており、この辺りを掃除するのは面倒くさい。
なお、このカメラはシャッターロックが、巻き上げレバーで構成されます。すなわち、予備角を出さないと、シャッターが切れないという、凝った構造だったりします。このことを理解しておかないと、シャッターが壊れた、と誤解する場合もあるので要注意。
一応のセミオーバーホールが終わったところで、ISO感度を補正し、完成。
確かに、巻上げが滑らかで、キャノンの”ガリガリ”感覚に慣れた身には、気持ちよいが物足りない(笑)。しかし、こちらが本当の品位のよさであろうか。また、キャノンとペンタックス系は、絞りの指標方向が逆で、この点も戸惑うところ。しかし、コストダウンとプラスチックの権化は、軽量化という利点をもたらしてくれる。たとえるなら、FTbがグラマンF6F、XR500は隼、という表現であろうか。
RIKENONの実力を評価する試写作品

京都 金閣寺の定番ショット。 2003年 9月22日

同じく金閣寺のひとコマ。
さて、試写の結果は、こんな感じです。なんと、初使用で、いきなり京都旅行のお供です。
カメラ自体、追針式フルマニュアルなので、慣れていればさほど難しい操作は必要としません。しかし、絞りとか、ピントがキャノンと逆方向に回転させるので、絞り込みたいところで、開放方向にしちゃったりしました。うーん、絞込みプレビューボタンくらいはほしいなぁ。。。。
RIKENONレンズの描写力は、噂にたがわずで、なかなかです。結構細かい部分まで、しっかりと描写できますし、ヘンなにじみもありません。さらに、キャノン辺りとは又違った感じになるのが、陰影のメリハリです。キャノン一偏道の自分にとって、他社製のレンズの描写力は新鮮そのものです。
ともかく、当時の入門一眼レフとはいえ、意外と侮れないカメラですよ。お気に入りになっちゃいそうです。そのうち、もう一台、予備に買っちゃおうかな(馬鹿)。
2008年2月20日
もう一台どころか、ジャンクばかり3台も買ってしまい、2台を再生中。都合3台のXR500が並ぶ日も近い(馬鹿)