FOTOKOR 1C


名称:ФОТОКОР
製造・年代:GOMZ、1931-41
画面サイズ:9×12(シートフィルム)
ファインダー:反射ファインダー/フレームファインダー
シャッター:GOMZ製(エバーセットビトゥイーンレンズシャッタ)
シャッタ速度:B, T, 1/25-1/100
レンズ:ОРТАГОЗ 4,5/13,5cm
絞り:F4,5-36
容積:160×115×64mm/1,150g
 蛇腹のカメラというのはどこか格式ばっていて、映画の中に小道具で登場するか、実物だったらふつうは写真館か、さもなくば博物館でお目にかかるだけの骨董品といった趣がある。確かに、こんな大時代な代物を嬉々として振り回しているようなやつは、どこかしら頭のネジがとんでいるに違いなく、町なかで出くわしたらまず近寄らないに越したことはない。
 このフォトコルは大戦間時代に一般的だった9×12フォーマットつまり大陸手札判のプレートカメラであり、おそらくは標準的なフォクトレンダーベルクハイルあたりを参考に製作されたものと思われる。反射プリズムファインダーとフレームファインダーの両方を装備、ティルト・シフトが可能な水準器付き支柱など、当時のハンドカメラが持っているべき機能はちゃんと備えている。LOMOがまだGOMZだったころ、それも、「鉄の人」の大号令で始まった統制経済工業計画のなかに、このフォトコルの生産も含まれていた。
 搭載されたOrtagoz4,5/13,5cmレンズは、添付された取説によれば4群4枚構成の対称形アナスチグマット。シャッターはGOMZ製のビトゥイーンレンズシャッターで、チャージを必要としない簡単な構造のエバーセット型だ。BOOMPの銘板がついていることもある。最初期の型には輸入コンパーシャッターがついていたらしい。レンズボードは素通しで、ボードを挟んでベローズにねじ込むだけのマウント方式であるから、ベルクハイルのようにほかのレンズを付け替えて遊ぶようなまねはできない。
 総皮革製のキャリングケースには本体のほか、フィルムホルダーが8枚は収められるようになっている。現代でシートフィルムを使うのはごく限られたプロか、堕ちるところまで堕ちたハイアマチュアのなかでもさらにごく一部の連中くらいなので、ふつうに転落したアマチュアはロールフィルムホルダを使って120フィルムで撮影するのが良い。標準的なホルダならキャリングケースに収まる。
 この個体は1938年製と推定される。




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