「八ッ場はかくして止まる!」と題した八ッ場ダム住民訴訟5周年報告集会が12月6日、都内で開かれました。主催は「八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会」です。会場いっぱいの150人が参加しました。
2004年の秋、首都圏1都5県(東京、千葉、埼玉など)の住民が八ッ場ダム建設中止を求めて6地裁に住民訴訟を提起しました。今回の集会は提訴5周年を記念して開かれたものです。
プログラムはこうです。
◇オープニング「松平晃氏のトランペット演奏」
◇講演 「八ッ場ダムの57年と政権交代」
……保坂展人氏(ジャーナリスト、前衆院議員、前公共事業チェック議員の会事務局長)
◇報告
・3地裁判決の不当性と今後の裁判
……高橋利明氏(全体の弁護団長)
・中止確定までの取り組み
……嶋津暉之氏(八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会代表)
◇各都県の会からの報告
群馬/栃木/茨城/埼玉/千葉/東京
◇質疑応答
◇アピール採択
■予断を許さない情勢
〜八ッ場ダムをめぐる動き〜
内容は、とてもすばらしいものでした。講演も報告も、いまの情勢や課題を的確にとらえていたからです。
あちこちで開かれている講演会やシンポでは、ピント外れの話を長々とする人も少なくありません。この集会は、そういう人がひとりもいませんでした。お陰で、たいへん充実した集会になりました。
集会で明らかになったのは、八ッ場ダムをめぐる情勢は予断を許さないということです。
前原国交大臣は八ッ場ダムの建設中止を表明しました。しかし、国交省官僚や6都県知事、ゼネコン、政治家(自民・公明)などが激しく抵抗しています。マスコミも、国交省官僚が流す情報をそのまま垂れ流しています。「いまさら中止なんて…」「地元住民は中止に猛反対」というような報道ぶりです。
地元住民らがはじめた「ダム建設中止の撤回」の署名は5万4000人に達しました。地元の長野原町では、観光客などからも署名を集め、人口の約6400人を大幅に上回る1万人超の署名が集まったそうです。
国交省は、大臣と副大臣が民主・社民両党の政治家に替わり、建設中止の立場を貫いています。しかし、官僚や現場事務所の職員たちは、相変わらず八ッ場ダム推進の姿勢です。現場事務所の職員は現地住民に対し、「ダムは中止しない」ということをいまも言いつづけているそうです。
国交省は12月3日、「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」を発足させました。この審議会は、前原国交相が見直しを表明した143のダム事業について、継続が妥当かどうかの判断基準などを策定するものです。ところが、非公開であり、委員もダム推進派が圧倒的多数を占めています。「自民党政権下よりもひどい」という話がされました。
集会では、こうした状況を講師や報告者がわかりやすく話してくれました。同時に、八ッ場ダムはなぜ中止しなければならないか、ということを具体的な事実やデータにもとづいて明らかにしました。
■気をひきしめ、運動を大きく広げよう
最後に、八ッ場ダムの完全中止や裁判勝利、現地住民の生活再建などをめざし、さらに運動を広げていくことを参加者全員で確認しあいました。
連絡会は今後も1都5県で裁判闘争を強めます。そして、八ッ場ダム・霞ヶ浦導水・湯西川ダム・南摩ダム各事業の中止と地元住民の生活再建の早期実施を求める署名にとりくみます。署名は、ダム推進派が集めた5万4000を超える数を目標にしています。
以下は、集会で採択されたアピールです。