八ッ場ダム予定地の地域再建策を議論

〜シンポジウム“ダムに負けない村”第3弾〜




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 「“ダムに負けない村”─八ッ場(やんば)から地域の再生を考える〔第3弾〕」と題したシンポジウムが7月20日、群馬県の前橋市内で開かれました。主催は「八ッ場あしたの会」です。約300人が参加しました。

 第1部は、宮本博司氏(前淀川流域委員会委員長、元国土交通省防災課長)による基調講演「河川行政の転換─ダム予定地の現実に接して」。第2部は、「八ッ場ダム問題を真に解決する道とは」をテーマにしたパネルディスカッションです。森まゆみ氏(作家)がコーディネーターになり、加藤登紀子氏(歌手、国連環境計画UNEP親善大使)、宮本博司氏(前掲)、牧山明氏(長野原町議会議員)の3人がパネリストとして討論しました。そして第3部は、加藤登紀子氏によるトーク「八ッ場への想い」です。


■元国交省ダム計画担当者が反省の弁

 新政権を担う民主党は八ッ場ダム建設中止を表明しています。そこで、疲弊が進む地域の再生をどうするかが重要な課題になっています。
 今回のシンポは総選挙前に開かれたものですが、考えさせる点が多く、とても中身の濃いものだっただったと思います。ここでは、とくに印象的だったことを2つ。
 ひとつは、宮本氏の基調講演です。宮本氏はこんな話をしました。
     「私は霞が関(建設省=現国交省)の河川局でダム計画の作成を担当していた。全国の建設省地方整備局や都道府県からあがってくる書類や数字をみて、マニュアル片手に、いいとか悪いとか判断していた。ダムがどういうものかまったくわからずにそういうことをやっていた。ところが、苫田(とまだ)ダム工事事務所(所在地=岡山県苫田郡鏡野町)の所長として現地に行ったとき、ショックを受けた。ダム建設によって、町中がグチャグチャになっていた。親戚同士や家の中もグチャグチャ、親兄弟もドロドロしていて、たいへんな状況になっていた。コミュニティはなくなっていた。ダムはこんなに犠牲を強いるのかと、初めて知った。私はそれまで、ダムの実態や地元の人たちの痛みがわかっていなかった。」
     「絶対にいい加減な気持ちでダムをつくると言ってはいけない。こういう計画があるからダムをつくるとか、基本高水(たかみず)などといったわけのわからない言葉を使って、この分が足りないからダムが必要とか、そんなことを話してはいけない。自分が地域の人たちと同じくらいに悩んだり苦しみ抜いて、それでもダムが必要だというのなら話せばよい。そうでないのならダムは止めるべきだ。」
 ここには、行政マンはどうあるべきかが端的に言いあらわされていると思います。ダム計画にかかわっている国交省の官僚や職員はぜひ聞いてほしいと思いました。


■地元町議が初めてパネリストに

 もうひとつは、今回はじめて、地元の町議をしている牧山氏がパネリストに加わったことです。牧山さんは、地元で問題になっていることや住民の苦悩をくわしく話し、国が地域再建策を講じることを訴えました。
 シンポ終了後、牧山さんはこう話してくれました。
     「正直いって、こういうシンポにパネリストして参加することはたいへんきびしいものがある。しかし、状況が状況だけに、勇気をだして引き受けた。私たちはみなさんの協力を必要としているので、今後ともよろしくお願いしたい」
 地元では「ダム反対」を言えなくなっているそうです。ダム反対派のシンポに参加することもむずかしい状況です。そういう中で、牧山さんはがんばっているのです。頭が下がります。
(中山敏則)
















シンポ「“ダムに負けない村”第3弾」




左から加藤登紀子、宮本博司、牧山明の各氏




左から渡辺洋子、森まゆみ、嶋津暉之の各氏




300人が参加




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