八ッ場ダムはいらない!

〜八ッ場ダムを止めよう! 首都圏集会〜




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 2004年3月6日、東京都内の国立オリンピック記念青少年センターで「八ッ場ダムを止めよう!首都圏集会」が開かれました。主催は、全国自然保護連合や千葉県自然保護連合、日本消費者連盟など10団体で構成する実行委員会です。約60人が参加し、八ッ場ダムの問題点などを学び、今後の運動の課題や方向などについて討論しました。



欺瞞に満ちたダム計画
〜佐藤謙一郎氏の講演〜

 最初に公共事業チェック議員の会の佐藤謙一郎氏(衆議院議員)が「公共事業と八ッ場ダム計画の問題点」というテーマで講演。佐藤議員はこんなことを話してくれました。

◇干潟保全派とゴミ減量派が手を組む
  〜名古屋市民のとりくみ〜

 「ゴミ処理場を岐阜市においている名古屋市は、岐阜市から反発を受けていた。そこで、藤前干潟を埋め立ててゴミ処分場にしようとした。これに対し名古屋市民は、藤前干潟の保全運動にたちあがった。特徴的なのは、干潟保全運動とゴミ減量運動が手を組み、埋め立てを中止させると同時に、ゴミの量を大幅に減らしたことである。干潟を残すためにはゴミを減らすことが大きな課題としてつきつけられたが、名古屋市民はこれを見事に解決した。こういうとりくみはすごく大切である。八ッ場ダムを中止させる運動も、節水などの課題にとりくむことが求められている」

◇税金引き上げで負担増に対応

 「今回の基本計画見直しで、八ッ場ダムの事業費は2110億円から4600億円に倍増する。これに八ッ場ダムの関連事業である水源地域対策特別措置法の事業(997億円)と水源地域対策基金事業(249億円)を加えると、5850億円になる。さらに、これらの起債(借金)利息と含めると、負担額は8769億円になる。これによって、たとえば群馬県民は一人あたり1万9000円、いちばん負担が小さい東京都民は1万1000円の負担となる。しかし、これをそのまま水道料金に転嫁すると住民から反発がでるので、税金をあげるというテクニックが用いられようとしている」

◇「水量維持のためにダムが必要」

 「今回の基本計画変更で驚いてしまったのは、ダム建設の目的として、利水と治水のほかに河川環境改善が加わったことだ。国交省は、吾妻川の水量を維持するためにダムをつくると言いだした。どういうことかというと、すばらしい渓谷美を誇る吾妻渓谷は八ッ場ダム建設によって大半が水没する。しかしそれでも、自然と人工がつくりあうすばらしい名勝をつくることができる。そのためには、一定の水を流し続け、維持流量を確保しなければならない──というものだ。この維持流量が八ッ場ダムの目的に加わった。このように、このダム計画は欺瞞に満ちたものだ」

◇水需要の実態と国交省の姿勢

 「今後は、日本や首都圏の人口は減少に転じる。だから、水の需要も減る。たとえば、工業用水は、表向きは横ばいとされているが、じっさいは減っている。工業用水を購入している企業(工場)は、ほんとうは受水量を減らしたいのだが、契約で減らせないから、仕方なく受水し、かなりの水を海に捨てている。これが実態だ」
 「ダムの必要性などを国交省の役人とどんなに話しあってもダメだ。役人は聞く耳をもたないという感じであり、議論がなりたたなくなっている。市民立法が必要になっている」




ストップさせる可能性は十分にある
 〜久慈力氏の講演〜

 次にノンフィクション作家の久慈力(つとむ)氏が「八ッ場ダム、ストップの可能性をさぐる」というテーマで講演しました。
 久慈氏は圏央道や首都機能移転、ビッグレスキュー、八ッ場ダム、防衛庁違法リストなどの問題にとりくんでいます。防衛庁違法リスト問題は、防衛庁が、久慈さんなど情報公開請求者の個人情報リストを作成したものです。これは思想信条やプライバシーの侵害にあたるとして、久慈さんが国に200万円の損害賠償と謝罪を求めました。今年2月、東京地裁が久慈さんの主張を認めて違法と認定し、国に慰謝料10万円の支払いを命じました。
 久慈さんは、この裁判勝訴をとりあげ、「あきらめずに闘うことが必要。八ッ場ダムもストップさせる可能性は十分にある」と話しました。
 また、「八ッ場ダムの事業費は最終的には1兆円以上になると思われる」「地方も国も、あわせて1000兆円以上の負債(借金)をかかえており、財政は破綻状態だ。八ッ場ダムを中止すれば、財源不足が大幅に穴埋めできる」と述べました。
 そして、八ッ場ダムをめぐる利権・癒着の構造をくわしく話してくれました。中曽根と福田の両陣営のゼネコンなどが利権の争奪戦を繰り広げていることや、工事を発注している国交省の役人がダム関係企業(ゼネコン、コンサル、セメント、鉄鋼、重機など)に天下っていること、さらに「エセ自然保護団体」も国交省から巨額のカネをもらって環境調査を手がけていることなどです。

◇             ◇

 二人の講演のあと、八ッ場ダムを考える会(群馬)の真下淑江さん、八ッ場ダムを考える小平の会(東京)の深澤洋子さん、八ッ場ダムを考える会(千葉)の北沢真理子さん、八ッ場ダムをストップさせる埼玉の会(埼玉)の藤永知子さんが、それぞれのとりくみを報告しました。
 「事業費倍増でマスコミの論調が変わった。運動も各地で盛んになってきている。しかし、まだ八ッ場ダムを知らない人が多い。ダムを中止させるために運動を大きく広げていきたい」(真下さん)
 「小平市やあきる野市などは地下水を使っているので八ッ場ダムの水はいらない。2月7日に国分寺市で開いた集会には120人の参加があった。ダムを中止させるためにいろいろと運動をおこしていきたい」(深澤さん)
 「私たちは千葉県の小櫃川源流域に計画されていた追原ダムの建設を中止させ、すばらしい渓谷美を誇る七里川渓谷を守った。そのあと、八ッ場ダムにもかかわるようになった。八ッ場ダムの水を利用するという“加害者”の立場として、千葉で八ッ場ダム計画見直しの運動を広げていきたい」(北沢さん)
 「私たちが2月11日にさいたま市で開いた八ッ場ダムを考える講演会には120人もの参加があった。埼玉の上田知事は、当初は、負担増に抵抗する姿勢を示していたが、県議会では、担当部局がつくった原稿をそのまましゃべっていた。それは、国交省の言い分そのままだった。埼玉でも、八ッ場ダムの中止を求める運動を進めたい」(藤永さん)

 このあとの討論では、八ッ場ダムの必要性や運動の進め方などについて活発に議論が交わされました。
 なお、この集会の講演・報告・会場発言のくわしい内容は、全国自然保護連合のホームページに掲載されています。







集会には約60人が参加








佐藤謙一郎さん








久慈 力さん









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