石炭火力推進は世界に逆行

〜G7直前国際シンポジウム〜




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 日本では石炭火力発電所がいくつも計画されています。石炭火力を減らしている世界の動きに逆行です。

 石炭火力発電の問題を話しあう国際シンポジウムが2016年5月20日、東京都渋谷区の国連大学で開かれました。シンポのテーマは「G7(主要7カ国)直前国際シンポ/気候変動とエネルギー/石炭火力の課題に迫る」。主催はシンポジウム企画委員会です。

 気候変動、健康影響、経済性、人権などの観点から、各国の専門家や建設予定地の住民らが石炭火力発電をめぐる世界と日本の動向を報告しました。

 石炭火力発電所は二酸化炭素(CO2)を大量に排出します。そのため、欧米諸国は石炭火力を規制し、再生可能エネルギーへと転換させています。シンポでは、そのような世界の流れに逆行する日本政府の姿勢が浮き彫りになりました。

 異常気象が各地に深刻な影響をもたらすなか、気候変動対策に関する昨年のパリ協定では、世界の平均気温上昇を産業革命前から2度未満に抑えることを各国が同意しました。

 英国コンサルタント会社「Ecofys」のリンディー・ウォングさんはデータを示し、「計画・建設中の石炭火力発電所が稼働すれば、それらが高効率であっても2度未満に抑えるという目標は達成できない」と述べました。

 英国のシンクタンク「E3G」のクリス・リコルコットさんはこんなことを話しました。
 「G7のなかで日本を除く6カ国はここ数年、脱石炭へとかじを切り、石炭火力発電所の計画をとりやめた。英国は2025年までに石炭火力発電所の全廃を表明した。米国も規制によって新規建設がむずかしくなっていて、2010年以降、3分の1が閉鎖した。カナダでも石炭火力発電所の集まるアルバータ州が2030年までに撤退を公約した。このような動きになっているのは、石炭火力発電は環境、健康、経済性の問題が大きいからだ」
 「私は日本の技術の大ファンである。時計は日本製だ。車も日本製のハイブリッドカーだ。そんな日本がなぜ、石炭火力発電という古いものに固執しているのか、とても不思議だ。これだけ新しい技術がある国なのに。G7のなかで日本がほかの国とまったく違う動きをとっていることが不思議でならない。日本も脱石炭化をすみやかにすすめ、気候変動目標を達成できる政策をうちだすべきだ」

 NPO法人気候ネットワーク理事の平田仁子(きみこ)さんは「日本は気候変動のリスクの認識がいかに低いかを思い知らされた。パリ協定後初のG7の議長国として政府は脱化石燃料へと一歩すすめる責任がある」と話しました。

 インドネシアでは、日本の政府系金融機関の融資で火力発電所の建設が計画されています。インドネシアのNGO「環境フォーラム」のピウス・ギンティンさんは「日本には、石炭火力ではなく再生エネルギーで支援してほしい」と訴えました。

 「各地の住民の声」では、国内で石炭火力発電所が計画されている地域から報告がありました。

 「神戸公害患者と家族の会」の川野達雄会長は、公害の影響でぜんそくを発症し、学校も仕事もあきらめた自身の経験を語り、「石炭火力発電所が増設されれば大気汚染がいっそうひどくなる。子どもやお年寄りの健康が心配」と述べました。

 「いわき石炭火力発電建設をやめさせる会」の半沢鉱代表は、「福島県は、福島第一原発事故の反省から再生可能エネルギーを中心とした循環型社会の形成をめざすべきだ」と訴えました。



石炭火力発電所をテーマにした国際シンポ=2016年5月20日、国連大学




国内外の専門家やNGOによるパネル討論




リンディー・ウォングさん


クリス・リコルコットさん


ピウス・ギンティンさん


総合司会の櫻田彩子さん








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