石炭火力発電所建設計画で千葉県と話し合い

〜計画変更の知事意見を求める〜




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 気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で成立した「パリ協定」では、世界が脱炭素化にむけて大きな転換を図ることに合意しました。
 欧米諸国は石炭火力発電所を次々と廃止しています。ところが、日本は石炭火力発電所の新設計画ラッシュです。地球温暖化防止に逆行です。

 千葉県では、市原市に「市原火力発電所」、袖ケ浦市に「(仮称)千葉袖ケ浦火力発電所」の建設が計画されています。
 市原火力発電所の事業者は市原火力発電合同会社です。東燃ゼネラル石油と関電エネルギーソリューションの2社が設立しました。設備容量は約100万kWです。
 千葉袖ケ浦火力発電所の事業者は(株)千葉袖ケ浦エナジーです。九州電力、出光興産、東京ガスの3社が設立しました。設備容量は約200万kWです。
 どちらも全国最大規模です。

 石炭火力発電所はCO2(二酸化炭素)の排出源として最たるものです。その排出量は、高効率の施設でも液化天然ガスの約2倍にのぼります。
 また、石炭火力発電所は「公害のデパート」と呼ばれています。石炭を燃やせば、CO2だけでなく、SOx、NOx、PM2.5、水銀など人体に有害な大気汚染物質も排出されます。そのような発電所を新設するのは時代に逆行です。

 そこで、千葉県自然保護連合、袖ケ浦市民が望む政策研究会、気候ネットワークの3団体は2016年5月17日、千葉県知事に質問・要望書を提出し、担当部署と話しあいました。石炭火力発電所計画の環境影響評価方法書に関する知事意見書の中に、石炭を燃料としない方法への計画変更などをもりこむよう要請しました。

 以下は、3団体の質問・要望と県の回答です。


質問・要望と県の回答




石炭火力発電所建設計画に関する質問・要望と千葉県の回答


  1. 石炭火力発電所の新設は温暖化防止に逆行です。この点について千葉県はどのように認識しておられるのでしょうか。

    〔回答〕
    ◆環境生活部環境政策課
       「市原火力発電所」と「千葉袖ケ浦火力発電所」の二つの石炭火力発電所建設計画については環境影響評価の手続中である。
       電力業界は、地球温暖化防止策としての国の温室効果ガス削減目標をふまえ、業界全体としての目標を設定した。その進捗状況を国に毎年報告するなどの具体的なとりくみを公表した。
       国においても、関係法令の改正などによって、石炭火力発電所についてはCO2の排出量の少ない最新鋭の設備の導入を義務づけるなど、電力業界のとりくみの実効性を確保することにしている。
       県としては、このような国や業界の動きをふまえながら、石炭火力発電所の個別の事業計画について、環境影響評価法にもとづき知事として意見をまとめていきたい。

    ◆商工労働部経済政策課
       石炭火力発電所の建設は国のエネルギー政策や温暖化対策に沿ったものである。
       千葉県は、首都圏の電力の約4割をまかなうエネルギー供給基地として重要な役割をはたしている。
       石炭火力発電所の建設計画については、こうした国の政策や千葉県の役割を考えることが必要と考えている。

  2. 石炭火力発電所の建設は再生可能エネルギー普及の妨げになりかねません。この点について県の考えをお聞かせください。

    〔回答〕
    ◆商工労働部経済政策課
       再生可能エネルギーの普及はたいへん重要と考えている。同時に、エネルギーについては、安定供給、経済性、環境への影響などを総合的に勘案することが必要であると考えている。
       国においては、「長期エネルギー需給見通し」(エネルギーミックス)のなかで、再生可能エネルギーについては2030年度に22〜24%としている。その目標の達成にむけてとりくんでいこうとしている。
       県としても、再生可能エネルギーの導入にむけて自治体でできるとりくみをしていきたい。

  3. 石炭火力発電所が建設されれば千葉県地球温暖化防止計画の目標達成はますます困難になると思われます。どのように考えておられるのでしょうか。

    〔回答〕
    ◆環境生活部環型社会推進課
       国においては、石炭火力発電所については基準の設定などで対応している。
       千葉県は地球温暖化防止計画の改訂作業をすすめている。
       将来的には、国の「エネルギーミックス」をもとに削減量の推計をおこなっている。この電源構成が実現されるよう、国に対応してもらいたいと考えている。

  4. 石炭火力発電所の建設は住民の健康に影響をおよぼすことが危惧されます。この点について県の考えをお聞かせください。

    〔回答〕
    ◆環境生活部環境政策課
       市原と袖ケ浦の二つの石炭火力発電所建設計画については、すでに計画段階環境配慮書の手続きが終了し、次の段階にはいっている。
       配慮書の段階においては、事業者にたいし、@排ガス処理にあたっては利用可能な最善の措置を講じ、硫黄酸化物、窒素酸化物、煤塵(ばいじん)などの環境負荷を可能なかぎり軽減する計画とすること。A水銀、微小粒子状物質(PM2.5)についても、予測・評価の実施や検討をおこなうこと、という意見を示した。
       石炭火力発電所の建設・稼働において、周辺住民の健康に影響をおよぼすのないよう、今後の環境影響評価手続きのなかで専門家の意見をききながら、予測評価の方法を慎重に審査して適切に意見を示していきたい。

  5. 千葉袖ケ浦火力発電所と市原火力発電所の環境影響評価方法書に対する知事意見書では、石炭を燃料としない方法への計画変更を求めてくださるよう要望します。

    〔回答〕
    ◆環境生活部環境政策課
       県としては、関係市町村長の意見を勘案し、さらに一般の方々の意見にも配意したうえで、環境影響評価委員会(専門家)の意見を聞きながら、環境保全の見地から総合的に判断して適切に意見を提示していきたい。







石炭火力発電所計画について千葉県の担当課と話し合い=2016年5月17日








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