富津産廃処分場建設差し止め命令が確定

〜天羽の水を守る会がアピール〜


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 富津市田倉に計画されている産廃処分場をめぐり、周辺住民が「井戸水に影響が出る」などとして木更津市の産廃業者「浅野商事」に建設の差し止めを求めた訴訟で、最高裁は(2008年)7月4日、同社の上告を棄却する決定を出しました。
 これによって、建設差し止めを命じた一、二審判決が確定しました。
    《富津市に計画されている安定型産業廃棄物処分場の建設差し止めが争われた裁判の上告審で、最高裁第二小法廷(津野修裁判長)は4日、業者の上告を棄却する決定をした。これにより、建設・操業の差し止めを命じた一、二審判決が確定した。地下水汚染が健康に与える危うさを訴え、業者を相手に地元住民が提訴してから6年余。計画は中止に追い込まれた。》(『朝日新聞』千葉版、2008年7月5日)

 長年にわたって運動を続けてこられた方々、本当におめでとうございました。

 運動に対する激しい妨害や地元の分裂があり、精神的負担や経済的負担はたいへんなものだったそうです。それにもかかわず闘い抜いてこられたことに頭が下がります。また、大いに励まされます。

 この運動を続けてきた「天羽の水を守る会」のアピールを紹介させていただきます。




アピール



最高裁判所の差し止め決定にあたってのアピール

 日頃、地域の環境を守るため真摯に取り組みをされている皆さんに深く敬意を表します。

 仮処分申請から8年という長い期間にわたって、富津市田倉地先の安定型処分場建設差し止め訴訟にご支援ご協力いただきました皆様に、厚く御礼申し上げます。

 2007年11月28日、東京高等裁判所の柳田幸三裁判長は、浅野商事の控訴を棄却し、第一審判決を支持する判決を申し渡しました。私たちの差し止めの主張は第一審、第二審において認められましたが、事業者が上告したため最高裁で審査されていました。

 去る7月4日最高裁第二小法廷(津野修裁判長)は業者の上告を棄却する決定をしました。これによって建設・差し止めを命じた第一審・第二審判決が確定しました。

 第一審判決の内容は、「安定五品目の中には、有害物質が混入することは不可避である」とし、「埋立量は大規模なものであり、たとえ微量であっても一か所に集中的に有害物質が蓄積される」また「地層中のクラックあるいは水みちを通じて処分場外へ拡散することが認められ、汚水が流れて井戸に混入すれば、飲料水の汚染により身体健康に被害が及ぶ」、と判決しました。

 被告浅野商事は、「簡易水道」「公営水道」という代替設備があるから、原告は井戸水を飲まなくてすむと主張しましたが、一審判決でも第二審判決でも、本件処分場の北側に設置された簡易水道井は、「本件処分場の廃棄物による影響を全く受けない」とは断言できない」とし、公営水道についても、代替設備と認めることはできないとしました。
 これは、本件処分場の危険性を真正面から認めたものであり、画期的な判決となりました。

 第一審・第二審で勝訴できたのは、千葉地裁・東京高裁が、処分場予定地の地形や地層、処分場と原告ら住居の位置関係など現場をよく見て事実を重視し、また地下水の動きについても科学的な判断をして、原告の人格権を正当に評価してくれたことです。

 この裁判の勝因は、私たちの弁護を引き受けてくださり、闘いの羅針盤となっていただいた8名の弁護団の先生方と、地層や地下水について緻密な調査をし証言していただいた坂巻幸雄先生の存在なくしては今日の勝利はなかったものと考えています、深く感謝申し上げます。

 1998年の本件処分場計画事前協議の終了の頃より、この地域の生活は一変しました。市営水道がなく井戸水を飲料している居住地に、汚染水の流出が不可避である産廃処分場が建設・操業されることになり、本件処分場の差し止めを求める必死な運動が始まりました。

 以来長い月日が経過して今日に至ります。この間、運動に対する妨害や地元の分裂という精神的負担や経済的な負担が重くのしかかってきましたが、私たちは必死な思いでこの裁判を闘ってきました。

 資金を集めるために野菜を栽培し、販売するなどの工夫をしたり、地元の皆さんや「支援する会」などの協力をえて何とか今日までたどり着きました。

 控訴審においては、21,000名余の富津市民が裁判所に対して本件処分場の差し止めを求める署名簿を提出しました。

 2002年2月の仮処分決定、2005年5月の一審判決、2007年11月の控訴審判決が示したように、もしこの処分場が操業を始めた場合は「健康被害を受けるがい然性は極めて高く」「侵害の防止を事後的に阻止することは物理的、経済的に極めて困難であり」「被害のおそれが永続的に継続する」ことは明らかです。

 最高裁判所が上告を棄却する決定をし、これによって建設・差し止めを命じた第一審・第二審判決が確定したことを原告一同心より感謝申し上げます。

 今後は今日に至るまでの多くの経験と教訓を生かし水源地に廃棄物処分場の建設が許されないよう活動していく所存です。長い間、暖かくご支援をいただいた団体や個人の皆様に心から御礼を申し上げてアピールといたします。

 2008年(平成20年)7月7日

田倉産業廃棄物処分場建設差止裁判申立住民
天羽の水を守る会 代表 安田貞夫





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