汚染される水・土・大気

  千葉県の環境を守ろう!

     〜「残土・産廃問題ネットワーク・ちば」が集会〜


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 (2002年)6月30日、「水に土に大気に汚染が拡がる千葉県の環境を守っていこう」と題する集会が千葉市文化センターで開かれました。「残土・産廃問題ネットワーク・ちば」の主催で、参加者は50人でした。
 集会では、残土・産廃から千葉の環境を守るために県内各地で奮闘している8人の方が、各地の現状やとりくみを報告しました。また、『ああダンプ街道』『山が消えた』(ともに岩波新書)などの著者である佐久間充氏が、「山が消えた〜残土・産廃戦争」というテーマで講演しました。
 報告や講演の要旨は以下のとおりです。



■館山の土採取から
       ……照葉樹林と水源を守る会 鈴木宇子氏

 「館山では、地元業者が山を削り、その砂を中部国際空港(愛知県沖)の埋め立て用に搬出するという、私たちには考えられないことをやっている。県の安房支庁に中止させるよう申し入れても、ラチがいかない。業者は採取区域をどんどん拡大し、採取した跡には残土を埋めている。県には土採取条例があるが、その運用は非常にいい加減だ。たとえば、条例では岩石は掘ってはいけないことになっているが、業者はおかまいなしに岩石を掘っている。しかし、県はそれをチェックしない」
 「県に、山塊の崩壊など災害をひきおこす恐れもあるので許可しないでくれ、と要望しても、県はまったく無視している」
 「業者は採取した土砂に残土を混ぜ、それを売っている。しかし、それを県に言っても、調べようともしない」
 鈴木さんは最後に、「私たちは、大切な自然を守るために今後もねばり強くがんばる決意でいる」と述べました。


■市原市上高根の鉛問題とその後
       ……市原市上高根平成町会 奥山洋三氏

 「私たちは、長い間、残土埋め立て処分に反対しつづけ、県となんども交渉をしたが、ついに県が許可した。沼田県政下では、県は事業者と結託し、つねに事業者よりの姿勢をとりつづけた。堂本知事に代わっても、そうした県の姿勢は基本的に変わっていない」
 「昨年11月、事業者との協定にもとづき水質検査を実施した。検査の結果、残土埋め立て現場の観測用井戸から、国の基準値を大きく上回る高濃度の鉛が検出された。その後、県の立ち入り調査や観測用井戸の水抜き後再調査などがおこなわれたが、埋め立て土壌の汚染は確認されなかった。県は、昨年11月に高濃度の鉛が検出されたのは古いたまり水を検査したことによるものであり、掘削時に使用したベントナイトに含まれていた鉛の成分が残っていた可能性が高いなどとして、残っていた28万m3の許可は下ろさざるを得ないと述べた。しかし、住民が日々飲用する井戸水の水質の悪化は、私たちにとって重大な問題である。そのため、今年4月、井戸水の安全がきちんと確認されるまで残り28万m3を許可しないよう要望した」
 「私たちは、あとに悔いを残さないように、ひきつづき監視や検査をつづけていくことにしている」


■市原市における残土・産廃問題
       ……市原市在住 上符怜子氏

 「市原市には残土処分場が60カ所(約120万m3)、残土・産廃の不法投棄が43カ所、産廃の自社処分場が27カ所、産廃処分場が7カ所(安定型が5カ所、約650万m3、管理型が約80万m3)もある。こんにひどいところはほかにないのではないかと思うぐらい、市原はすごい」
 「今年5月に廃棄物処理法違反によってクレセントが逮捕されたが、この会社は、平成11年春頃から産廃の不法投棄と野焼きを続けてきた。県はこれまで指導6回、警告1回、勧告2回を出した。しかし、同社はそのたびに、形だけの改善報告書や改善計画書を提出し、県の指導に従うフリをしてきた。同社は“法なんか守るかよ!”と堂々とうそぶいていて、じっさいは無法状態だった。逮捕されても四十数万m3の産廃の山は残されている。ほとんどの自社処分場が同社の場合とおなじケースをたどっており、行政の指導のもとで、野焼きから立派な自社処分場に成長している。私たちは今後も、情報公開させたり、現場監視などの運動を強めていきたいと考えている」


■港から残土を入れるな
        ……小櫃川の水を守る会 関 巌 氏

 「千葉県は、かつては自然豊かで、きれいな水がいたるところで流れていた。しかし今は、良質の砂が首都圏に大量に奪いとられる一方で、首都圏から残土や汚泥が大量に持ち込まれ、あちこちの谷津田や沢がかたっぱしから埋められつつある。県内で埋め立てられる残土の9割以上は県外からのものであり、その大半は船で運ばれてきて東京湾岸の各港で陸揚げされている」
 「そのため、私たちは今年、県外の残土を持ち込ませない条例の制定と、県内で発生する残土の埋め立てに対して強い規制を求める署名をとりくんだ。1万2847人の方から協力をいただき、その署名を5月に県知事に提出した」
 「ところが、県(産業廃棄物課)の回答は、『残土条例は手続きの条例であって規制条例ではない』というもので、何の回答にもなっていない。たび重なる督促により、1カ月後の6月に堂本知事名の回答文が送られてきた。しかし、この知事回答も、要望事項について何一つ答えていない。それで今月21日、残土ネットの井村弘子さんが知事あてに、『回答の内容には失望いたしました。これはほんとに堂本知事からのものでしょうか』『他県残土の処理が関東地域でワーストワンでは、千葉県はもう人間の住めないところになってしまいます』『直接お会いくださり、残土・産廃・残土条例改正についての各地からの要望をお聞きください』などとしたためた手紙を送った」

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■君津・木更津の残土・産廃問題
        ……小櫃川の水を守る会 御簾納照雄氏

 御簾納さんは、残土・産廃投棄の現場写真などをスライド映写しながら実態や運動などを話しました。
 「民家のすぐ近くの斜面に残土が埋め立てられようとしており、大雨が降れば民家への流出の危険もある。そんな危険な個所がいくつもある。また、あちこちで鉱滓が多量に積まれている」
 「残土埋め立て処分場に廃車が何台も置かれていた。たぶん、そのうえに残土をかぶせるのだろうが、いつも見張りがいるので、その実行現場をみるのはなかなかたいへんだ」
 「袖ケ浦や木更津の公共埠頭に残土が高く積まれている。これは、他県から持ち込まれてきたものであり、房総の丘陵地域に運ばれる」


■海上町におけるエコテック産廃処分場反対運動
       ……産廃反対東総住民連絡会 高田 豊氏

 「県は昨年12月、エコテック産廃処分場に対し工事着工を認めた。これに対し、私たち産廃反対東総住民連絡会の住民438人は、今年2月、千葉地方裁判所に工事と操業の差し止め仮処分を申請した。地裁が工事差し止め仮処分を下したので、工事はストップになっている。現在は、シートが破れるかどうか、そして、破れた場合に住民の健康にどういう影響がでるか、が争点となっている」


■富津田倉産廃処分場建設差し止め裁判を提訴
       ……天羽の水を守る会 鈴木紀靖氏

 「今年5月、千葉地裁木更津支部へ、142名の原告が産廃処分場の建設差し止めを求めて本裁判を提訴した。被告は浅野商事である」
 「今年2月の仮処分裁判では、この処分場の建設・操業の差し止め仮処分がでており、現在のところ工事は止まっている。しかし、事業者の方から本訴で決着をつけてほしいという申し立てがあり、その申し立てに応えないと仮処分が無効となるので、今回、本訴を決意した」
 「この裁判の争点は、(1)有害物質が処分場に入るか、(2)入った有害物質が外へ流れ出るか、(3)原告の人たちに到達して健康・財産に被害を与えるかどうか、である」
 最後に、鈴木さんは、「きれいな水と空気を享受する権利は、私たち一人ひとりの権利にとどまらず、次の世代に引き継ぐ財産でもある。私たちの生命・財産・環境に対する危険性の高いこの産廃処分場の設置を止めるために、裁判勝訴をめざしてがんばっている。結審まで2、3年かかると予測されるが、みなさんのご支援を引き続きお願いします」と述べました。


■特別講演「山が消えた〜残土・産廃戦争」
       ……女子栄養大学教授 佐久間充氏

 集会では、『ああダンプ街道』『山が消えた』(ともに岩波新書)などの著者である佐久間充氏が、「山が消えた〜残土・産廃戦争」というテーマで講演しました。この6月下旬に発売されたばかりの同名の新書を手に、本書発刊のエピソードなどを話してくれました。
 また、航空機から撮影した房総丘陵の写真や、土砂採取、残土・産廃投棄の現場写真などをスライドで映写してみせながら、各地の惨状などをわかりやすく話してくれました。






集会には50人が参加。









「照葉樹林と水源を守る会」の鈴木宇子さん








市原市の上符怜子さん








「小櫃川の水を守る会」の関 巌さん








「産廃反対東総住民連絡会」の高田 豊さん








「天羽の水を守る会」の鈴木紀靖さん








女子栄養大学の佐久間充教授








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