自動販売機削減はなぜ検討しない?

〜千葉県の温暖化防止策〜


千葉県自然保護連合事務局




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 千葉県は(2008年)1月10日、温暖化防止策の一環としてレジ袋削減の全県的推進を発表しました。県庁生協のレジ袋を3月から有料化するそうです。
    《県は10日、消費者、事業者、行政で構成し、全県的なレジ袋の削減を検討する「県レジ袋削減検討会議」を設置すると発表した。また、県庁生協のレジ袋を3月から有料(1袋5円)とすることも明らかにした。県資源循環推進課によると、検討会議にはスーパー、コンビニ関係者や学生、学識経験者ら21人が参加し、総合的なゴミ袋削減に向けた運動方針を考える。》(『毎日新聞』千葉版、2008年1月11日)
 レジ袋削減自体はいいことだと思います。
 しかし、ほかにもとりくむべきことがあるはずです。たとえば自動販売機の削減です。


■自販機は「なくてもOK」
  〜朝日新聞の国民意識調査〜

 1月7日の『朝日新聞』は、「暮らしと地球環境」をテーマにした国民意識調査結果を発表しました。それによると、87%の人が、冷暖房を「こまめに止めたり、温度を控えめに設定したりしている」と答えるなど、温暖化防止に対する意識の高さがみられます。
 注目すべきは、「なくてもがまんできる」とする答えでとくに多かったのは、「自動販売機」(84%)です。
 そうであれば、これらの削減策を講じるべきです。


■全国の自販機電力消費量は香川県全体の電力需要に匹敵

 とくに自動販売機です。たとえば香川県庁のホームページ「香川の環境」にはこう書かれています。
    《わが国の自動販売機の普及台数は約560万台で、年間の電力消費量は約80億kWhです(日本自動車販売機工業会)。この値は、香川県全体の電力需要に匹敵します。私たちにとって、気軽に利用できる、便利な自動販売機ですが、意外に、電気を使っていることが分かります。現在、省エネ型自動販売機の普及や自動販売機照明の減光などの省エネルギー対策が進められています。 》
 日本は自販機大国といわれています。世界の中で断トツです。外国から来た人は、いたるところに設置されていることに驚くそうです。
 自販機のうち飲料用自販機の設置台数は約260万台です。年間の電力消費量は46億kWhであり、2台で平均的家庭1世帯分の電力を消費しているといわれています。飲料用自販機全部で原子力発電1基分の発電量を消費しているそうです。
 温暖化対策を本当に講じる気があるなら、こういうものを真っ先になんとなすべきではないでしょうか。


■自販機削減は業界団体が反発

 この点を千葉県の環境部局の職員に質問しました。そうしたらこんな答えでした。
      「たしかに、レジ袋よりも自動販売機削減のほうが効果ははるかに大きい。たとえば、コンビニの前に置かれている自販機などはまったく必要ない。レジ袋削減を議論したときもその話はでたようだ。しかし、自販機を削減するとなると業界団体が反発する。業界は政治力もある。そこでレジ袋削減となり、その手始めとして、だれも反対できない県庁生協のレジ袋有料化となった。端的に言えば、政治力の弱い県民にがまんしてもらうということだ」
 なんともハヤ、です。このままでは、県庁生協など一部のレジ袋有料化だけで終わりそうです。


■「G20グレンイーグルス閣僚級対話」に向けたパフォーマンス?

 話をよく聞いたら、レジ袋削減推進は、今年3月に幕張メッセで開かれる「G20グレンイーグルス閣僚級対話」に向けたとりくみだそうです。
 このイベントは、主要8カ国と中国、インド、韓国など新興経済国12カ国、世界銀行、国際エネルギー機関が集まり、気候変動などについて話し合うものです。対話の成果は、7月の北海道洞爺湖サミットで報告されます。
 そんな重要な会議が千葉で開かれるのだから、なにかアピールするとりくみをしなければならない──。ということで、レジ袋削減推進が急きょ決まったそうです。

 このままでは、形だけに終わるのではないでしょうか。

(2008年1月)







県庁所在地の千葉市は、いたるところに飲料用自販機が設置されている。
写真はJR千葉駅近くのラ・ピエール通り。32台もつながって設置されている。





JR千葉駅脇の線路下通路。ここは15台がつながって設置されている。




千葉県庁舎にも飲料用自販機51台、タバコ自販機4台が設置されている







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