
森田知事が当選した際、夕刊紙『日刊ゲンダイ』(2009年4月2日号)がこう警鐘を鳴らした。「千葉県民はあとになって後悔しても遅いゾ」。
やっぱりというか、この警鐘は的中してしまった。
国会議員時代の森田知事は“ウルトラマン”と呼ばれていた。その心は、人の話を黙って3分間以上聞いていることができない、である。
今は、県庁や県議会で「理解力3行、集中力3分」と揶揄(やゆ)されているそうである。要するに、県幹部たちの説明や県議の質問などをきちんと聞くことができないのである。理解力もあまりないといわれている。
県幹部らは困りはて、6月県議会では、再質問に対する答弁を知事にさせないことにした。最初の質問はあらかじめ議員から通告されているので、職員作成の答弁文を読みあげるだけですむ。しかし、再質問では想定外の質問もだされるため、知事がうまく答えられるとは誰も思わなかったのである。
そこで、再質問はすべて副知事や担当部長が答えるという作戦をたてた。知事が回答した事項の再質問について知事以外の者が答弁するというのは、県議会の慣行を破るものであった。
代表質問の1日目(6月17日)。民主党の田中信行議員の再質問に知事はいっさい答弁しなかった。田中議員はそういう作戦を知らなかったようで、驚いた様子だった。
2日目(18日)は大野博美議員が代表質問をした。大野議員は、県側の作戦を事前にキャッチしていた。そのため、再質問は知事しか答えられないような事項を数多く用意した。大野議員の対抗策が功を奏し、再質問では森田知事が何回も答弁せざるを得なくなった。
予想どおり惨たんたるものだった。知事は自分ではまったく答えられないのである。幹部が作成した答弁メモが後ろから次々と送られてくる。知事はそれを整理するのに追われ、議員の再質問をほとんど聞いていない。その結果、質問されていないことをメモ読みしたり、答弁漏れがあったりで、ハチャメチャだった。
一事が万事この調子である。メディアもあきれはてている。たとえば、前原国交相の「羽田ハブ空港発言」に対する森田知事の豹変対応について、『日刊ゲンダイ』(10月16日号)はこう喝破している。
「何なのだ、この男は。ただ目立ちたいだけの知事はウンザリだし、とっとと退場してもらいたい」
「パフォーマンスは大げさだが、この男ほど、いいかげんな政治家は見たことない」
また、夕刊紙『週刊ポスト』(11月6日号)は、森田知事が都内から“出勤”していることを暴露し、こう記している。
「本誌の取材で森田知事の『都内暮らし』を知った県庁幹部のひとりは、“化けの皮が剥がれた”とばかり、『本当は千葉なんか好きじゃないんじゃないか?』と声を荒らげた」
大橋巨泉も、『週刊現代』(11月7日号)で「ボクが17年も住んでいる千葉県がひどい事になっている」とし、森田知事をこう批判した。「お粗末」「不勉強は情けない」「トンチンカン」「歴史を知らない」と。
このままいけば、希代の“いいかげん知事”があと3年数カ月ものさばることになる。あ〜あ、である。
(2009年11月)
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