土地区画整理事業は大半が破綻状態

〜地権者は負担金増大で苦境に陥っている〜


開発問題研究会




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 千葉県内の土地区画整理事業はどこも苦境にたたされ、土地区画整理組合は経営危機に陥っています。
 区画整理は造成した土地が売れてはじめて成り立ちます。しかし、地価急落で予定どおりの価格どころか、土地そのものが売れなくなっているのです。
 12月12日付けの『東京新聞』によれば、県内の土地区画整理組合全69のうち、21組合で計画どおりの事業の推進が困難になっているとのことです。
 しかし、これは県の発表数字です。じっさいは、大半の組合が経営危機におちいっているといわれています。


行政に煽られて推進

 これまで、開発を推進してきた千葉県に煽(あお)られ、県内の各地で土地区画整理事業が進められてきました。
 たとえば君津地域です。東京湾アクアライン(横断道路)が開通すれば、「対岸などから土地を求めてどっと人が来る」「地価が急騰する」「区画整理をやれば儲かる」などという宣伝にのっかり、木更津市、君津市、富津市、袖ケ浦市のあちこちで事業がはじまりました。
 しかし、アクアラインが開通しても、人口は増えるどころか減る一方です。地価も全国トップの下落率です。当然のことながら、事業はどこも破綻状態です。


前木更津市長は「土地区画整理のプロ」

 その象徴は、木更津市の須田勝勇・前市長です。須田氏は、「土地区画整理のプロ」と称され、地元政財界に君臨した資産家でした。高度成長期には複数の土地区画整理組合の理事長を務め、その後、全国土地区画整理組合連合会の理事長にも就任しました。
 しかし、1997年に開通したアクアラインは予想交通量の見込みがおおはずれです。バブル崩壊もあり、木更津市の各地は日本一の地価下落率に転落しました。
 そのため、須田氏がかかわる区画整理事業は次々と苦況に陥り、借金のやりくりに追われるようになりました。何人もの部下(市職員)から借金したり、ヤミ金(暴力団)からも借金しました。1000万円以上の固定資産税も払えず、徴収責任者である市長自らが自分に督促状を出すハメになりました。
 そしてついに、区画整理組合の資金2億円余りを私的に着服したとして、業務上横領罪で懲役4年6カ月の実刑を受けました。


莫大な負担金を課せられる地権者
  ─千葉県政による開発推進のツケ─

 このように、君津地域の区画整理事業はどこも破綻状態です。君津市のある区画整理事業では、組合が莫大な借金をかかえて破綻したので、組合員(地権者)に多額の負担金が重くのしかかっています。山林などの保有地をすべて売っても負担金を納めきれない農家も増えているのです。
 ある農家は、区画整理事業を推進してきた県庁に乗り込み、「お前らのせいで、たいへん苦しい思いをしている。なんとかしろ!」と怒鳴ったそうです。
 しかし、県は「自助努力するしかない」というクールな姿勢です。減歩率(地権者が土地を提供する割合)を引き上げたり、地権者の負担金を増やしてほしいという指導をしていく方針です。
 千葉県はいま、長くつづいてきた開発推進のツケがいっきょに噴きだそうとしています。新聞をにぎわしている千葉県供給公社問題もその一端です。

(2003年12月)




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