盤洲干潟を守ってください


小櫃川河口・盤洲干潟を守る連絡会 北沢真理子



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 (2001年)8月4日、栃木、神奈川など関東の、遠くは秋田、兵庫、大阪、京都などからのお客さんを盤洲干潟に案内しました。鷹の舞う青々とした田んばの中に突然出現した恐ろしい蛇の鎌首と見まごうものは、恐竜ランドというもののゲートでした。
 そして例の「三万坪」には龍宮城というシャンプーまじりの排水を干潟に大量に排泄する建物が。
 ちょうど大潮のこの日、私たちは海に触れたいと思い、妙なゲートがあるのでそこを通って干潟に出ようとしました。すると、男たちがあらわれてお金を要求するのです。払うつもりはないというと、それではここを通さないというのです。一行35人は途方に暮れました。
 兵庫県から来た人が、「私たちは干潟をただ歩きたいだけだ。あなたたちがそれを阻止するというのなら、その根拠をわかりやすく教えてほしい」と言いました。神奈川県から来た人も、「市民に干潟を歩かせない権利が誰にあるのか」と詰め寄りましたが、だめでした。
 仕方なく小櫃川の河原の方の道を通って干潟に行きました。小学生、中学生、家族連れの人たちと干潟観察会をしている「盤洲干潟を守る連絡会」の桐谷新三さんと小関公平さんに出会い、干潟の説明をしてもらいました。
 この地域に育った桐谷さんは、干潟にはものすごくたくさんの生命が息づいていることを話され、かつて塩性湿地だった所に咲いていたウラギクの群落の写真を見せてくれました。残土で埋められた翌年には、1株残らず消滅したそうです。
 「大好きな景色だったのに、もう見ることができなくなった」と残念そうでした。「龍宮城ができる前は、あそこでこどもたちと弁当を食べたり休んだりできたが、今は干潟の観察会をやるにも遠回りしてここまで来なくてはいけない」とも語りました。
 今また、この地に子供用レジャーランドの建設が予定されており、建設を請け負った東急建設は「話のわかる自然保護団体」とだけ話をして計画を進めていくと言っています。また鵜のコロニーについて「ぜひ多くのこどもたちに見せたい」と言っていますが、毎日見せ物にされたのでは鵜のお母さんも卵を生めなくなってしまうでしょう。
 上流のダム、住宅排水、産業廃棄物、残土、工場、米軍基地、自衛隊、横断道路、龍宮城。人間は盤洲干潟に多くの負担をかけています。もうこれ以上干潟を毀(こわ)さないでほしい。そして、はるか縄文の昔からここで魚を捕り海藻を採り、貝をひろってきた恵みの海を、私たちの世代で終わらせてほしくない。干潟にチャチなゲートをつくり、金を要求する人間たちの手で切り売りされる海岸とは、海とはいったい誰のものなのだろうか。
 自然に対する畏(おそ)れを大切にして、この干潟を守りたいという声をもっともっと大きくしていきたい。無心に餌をついばむ鳥たちを見て、心からそう思いました。

(2001年8月)






自然保護団体の反対を押し切って建設された大規模温泉施設「龍宮城」








柵で囲まれた右側の少し高くなったところが子供用レジャーランド「民話・童謡の里」の建設予定地。左は護岸。遠くに見える建物は大規模温泉施設「龍宮城」。








小櫃川河口の三角州に咲いていたウラギク。東京湾岸で唯一残されたウラギクの群生地だったが、1985(昭和60年)、千葉県のブルドーザーが進入して破壊してしまった。地元住民の怒りの声に、千葉県は「貴重な植物の群生地があるとは知らなかった」(朝日新聞千葉版、1985年5月23日)と弁解した。









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