「ゴルフ場問題千葉県連絡会」が華々しく登場したのは、1990年の3月であった。代表の石川敏雄先生と事務局長の福士融さんが、素晴らしいコンビで各地域のゴルフ場問題をこなしてゆかれた。のんびりした先生、しかし時々ギクリとするような、まさにすばらしい核心をつかれる。それにあわせて、福士さんが、東北人特有ののんびりした几帳面(きちょうめん)さで追ってゆかれる。毎月の月例会は楽しいものであった。
そこに、鈴木昭さんが、しばらくたってからであったが、入ってこられた。真剣そのもので、会がご自分にピッタリしないと、その次のときには出てこない厳しさであった。しかし、石川先生の温容は、それをくるんでもあまりあるものだった。このゴルフ場反対に尽くしてこられた石川先生、鈴木昭さんが続いて亡くなられ、ゴルフ場造成も、バブル崩壊で相手は動かず、表面の火は消えてしまった。私どもも残り火に手をかざしているような状態になってしまった。
今は県もゴルフ場に関しては眠っているようだ。たまに「連絡会の○○です」と県行くと、「アレー、まだやっているのですか」とまじまじと見つめられるような具合である。それでも、1990年から98年までで、無農薬ゴルフ場は35カ所、増設(増設分だけ無農薬)6カ所も許可がおりている。私どもが会を旗揚げする寸前に、沼田知事は無農薬宣言を唐突に出した。特例を除いて新規ゴルフ場は凍結とも決めた。無農薬ならよいだろうということだったが、もう10年近くにもなるのに、いまもって無農薬の確たる方法はない。2000万円、いやそれ以上に県費が研究費として使われていると思うが、あのようにきれいな芝生は無農薬では難しいようだ。最近許可となった新たなゴルフ場が、千葉県農業試験場が研究開発した「ちばグリーンB31」という開発芝でやってみるということを言っていると県から聞いたので、楽しみにしている。
凍結はしたが、それ以前に許可をとったものが44あり、これはそのままである。このうち、工事にいくらかでも着手したものが35というから、県はこの44の終わるのを延々と待っているのかと、なんとも味気ない思いである。私どもは、そのことについて昨年10月、陳情書を議会に出し、知事にも回答をお願いした。しかし、その答えはやはり、許可したのだから約束どおり造らせるつもりだという返事である。業者が手を引けば地元の活性化にもつながるのではないかと思うが、今どき、まったく話にもならないことである。
それにしても、既設のゴルフ場は、会員権の暴落、預託金の返済など、たいへんな事態に立ちいたっている。閑古鳥が鳴いて、せっかく造った新規ゴルフ場を人手に渡しているところもある。銚子のゴルフ場、御宿のゴルフ場は、許可を取り消せと、いま裁判闘争中である。自然を壊し、水を汚し、何を己の桜かなと思う。
ちなみに、千葉県内のゴルフ場の数は、農薬を使用している既設ゴルフ場が104カ所、無農薬の既設ゴルフ場が35カ所、工事中(停滞しているものがほとんどである)が35カ所、いまだに着工届けも出ていないものが9カ所−−ということである。無農薬であるかどうかは業者からの届け出によっており、県は抜き打ち検査などはしない。かつて、1件だけ、付近の住民から水のことで訴えられて取り消しになったものがある。また、工事途中で管財人に引き継がれている真里谷ゴルフ場は、いまもって塀をめぐらしたままで、整地もされずそのままに放擲(ほうてき)され、台風のときなどは泥水がまわりの路面に噴出し、溢れだしていたという地元からの報告もある。ゴルフ場はもういらない。
ゴルフ場問題千葉県連絡会事務局〒275-0026 習志野市谷津3-1-28-202 井村弘子方 TEL・FAX 0474-54-7549