日本一の砂質干潟を堪能

〜「盤洲干潟学校」と「小櫃川河口自然観察会」〜




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 2002年5月3日、「小櫃川河口・盤洲干潟を守る連絡会」(略称・盤洲干潟を守る連絡会)主催の「盤洲干潟学校(観察・学習会)」と、千葉県野鳥の会主催の「小櫃川河口自然観察会」が開かれました。「干潟を守る日 2002」の一環として開催されたもので、案内者(講師)は「金田の海を守る会」の桐谷新三さんと県野鳥の会の田久保晴孝さんです。参加者は65人でした。

 「盤洲干潟学校」では、“盤洲干潟の防人”とよばれている桐谷さんが、盤洲干潟(小櫃川河口干潟)に生息しているさまざまな動植物の生態や、環境の変化、漁業の変遷などについてくわしく話してくれました。
 最初に観察したのは後浜の中洲です。ここの入口には、チゴガニが数十万匹もいました。そして、たくさんのチゴガニが小さなハサミをいっせいに振り上げていました。「チゴガニの体操」あるいは「チゴガニのダンス」とよばれるこのしぐさを見て、子どもたちは大喜びでした。
 中洲にはシオクグの群落があります。このシオクグについて桐谷さんは、「漁網の破損を少なくするために“網ずれ”として使用した」「雨具の簑(みの)をつくって漁業や農作業に着用した」などと説明してくれました。
 中洲はまた、かつては、東京湾岸で唯一残されたウラギクの群生地でした。ウラギクが数万本も咲き、壮観だったそうです。「しかし、1985(昭和60年)に千葉県がブルドーザーで根こそぎ破壊してしまった。今は、わずか3本ぐらいしか咲かない」と残念そうに語りました。

 前浜につくと、小潮だったのに1キロ以上も干潟が干出していました。近くの潮干狩り場は、1万人以上の潮干狩り客が押し寄せて大盛況です。
 前浜でも、マメコブシガニ、ニホンスナモグリ、ハゼ、アシハラガニ、アカテガニ、アサリ、シオフキ、アカニシ、ウミウシ、ツメタガイ、サキグロタマツメタガイなど、たくさんの生き物を発見しました。マメコブシガニを捕まえて手のひらにのせると、ひっくり返って動かなくなります。「このカニは、捕まえたり人間が近づくとひっくり返って死んだふりをする。人が遠ざかると、とたんに起きて歩きだす」と桐谷さんが説明すると、子どもたちは「へえー、頭がいいんだね」などと感心していました。
 桐谷さんは、小櫃川河口の岸の一部が白くなっているのを指し、「羽田空港拡張の埋め立てによって、東京湾の潮の流れは大きく変わった。満潮になっても潮で覆われなくなったために、岸が白くなってしまった。このように、東京湾は、どこかが埋め立てられたりしたら、ほかにも影響がおよぶようになっている」などと語りました。
 桐谷さんは、このほかにも、盤洲干潟のアサリ漁の現状やアナゴの捕り方などをくわしく教えてくれました。参加者は、「日本一の砂質干潟」とか「東京湾の原風景」とよばれる盤洲干潟の豊かな生態系をたっぷり味わうことができて大感激でした。

 一方、「千葉県野鳥の会」による鳥の観察では、丸池でカワウ350羽(巣は70個)、小櫃川の川岸近くでメダイチドリ200羽など、たくさんの鳥を確認しました。しかし、シギ・チドリ類は例年に比べると少ないとのことです。
 この日確認された鳥はつぎのとおりです。
 ハマシギ 600 、カワウ 350 、メダイチドリ 200 、スズメ 100 、コアジサシ 50 、ドバト 50 、キョウジョシギ 30 、トウネン 30 、ムクドリ 30 、キアシシギ 20 、シロチドリ 20 、ウミネコ 10 、カルガモ 10 、カワラヒワ 10 、セッカ 10 、ダイサギ 10 、ダイゼン 10 、ツバメ 10 、ハシブトガラス 10 、ヒバリ 10 、ミユビシギ 10 、ムナグロ 10 、オオヨシキリ 5 、キジバト 5 、チュシャクシギ 5 、ヒヨドリ 5 、コチドリ 2 、チュウサギ 2 、トビ 2 、ハクセキレイ 2 、ヒドリガモ 2 、ホオジロ 2 、アオサギ 1 、オオソリハシシギ 1 、オナガ 1 、コサギ 1 、ツグミ 1 、メジロ 1 、モズ 1














中洲の入口にはチゴガニが数十万匹もいました。“チゴガニの体操”を見ることができて、子どもたちは大喜びでした。








“盤洲干潟の防人”とよばれている桐谷新三さんが干潟の生態系や環境の変化などをくわしく教えてくれました。








日本最大級の砂質干潟を誇る盤洲干潟はいま、ホテルや大型レジャーランドの建設計画などで大ピンチを迎えています。写真の建物の左側は、1昨年(2002年)7月にオープンした大規模な温泉施設「スパ三日月龍宮城」(勝浦ホテル三日月が経営)、右側は今年7月にオープンする同社の高層ホテルです。
左側の架橋は東京湾アクアライン。その前の干潟は、大勢の潮干狩り客でにぎわっていました。









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