盤洲干潟の隣接地に計画

 大型レジャーランド建設の手続き凍結を要請

   〜「盤洲干潟を守る連絡会」など12団体〜




トップページにもどります
「盤洲干潟」のページにもどります


 東京湾に残る日本最大級の砂質干潟である小櫃川河口・盤洲干潟(木更津市)はいま、ホテルや大型レジャーランドの建設計画などで大ピンチを迎えています。
 同干潟は、「21世紀に残したい日本の自然100選」(朝日新聞社などが選考)に選ばれるほど、たいへん豊かな自然を誇ります。しかし、自然保護団体が県条例の自然環境保全地域に指定するよう再三にわたって要望しているにもかかわらず、千葉県は利権を優先させ、保全地域に指定しようとしません。
 すでに昨年(2000年)7月、干潟の隣接地に大規模な温泉施設「スパ三日月龍宮城」がオープンしました。そして今、自然保護団体の反対を無視してホテルの建設もはじまりました。さらに、子供向け大型レジャーランド(遊戯施設「民話・童謡の里」)の建設計画ももちあがっています。このほか、同干潟の前面海域を埋め立てて、国土交通省が進める首都圏第3空港をつくろうという動きもでています。
 こうしたなか、今年6月に結成された「小櫃川河口・盤洲干潟を守る連絡会」(略称・盤洲干潟を守る連絡会)など12団体が、子供向けレジャーランド「民話・童謡の里」の建設にかかわる手続きの凍結を求めて、木更津市長に要請書を提出しました。
 要請の主旨は、木更津市が今後2年をかけて「環境基本計画」を策定することにしているので、その間は、同計画の建設にかかわる申請・認可などの手続きをすべて凍結してほしい、とするものです。


 

要 請 書



2001年9月25日

 木更津市長 須 田 勝 勇  様

小櫃川河口・盤洲干潟を守る連絡会
代表 小関 公平
金田の海を守る会 代表 桐谷新三
小櫃川の水を守る会 代表 渡辺みつ
小櫃川源流域の自然を守り育む連絡会
代表 佐野今朝雄
千葉県自然保護連合 代表 牛野くみ子
千葉の干潟を守る会 代表 大浜 清
市川緑の市民フォーラム 代表 佐野郷美
追原を歩く会 代表 鵜沢喜久雄
千葉県エコツーリズム研究会 代表 鈴木優子
千葉アルパインクラブ・シャンティ
代表 河野文樹
千葉・市原丘陵開発と環境を考える連絡会
代表 植田和雄
環境問題市原連絡会 代表 片田 勇


主旨:

 木更津市が今後2カ年かけて望ましい環境の目標及び市民、事業者、市の行動指針である「環境基本計画」が策定されるまで、市と建設業者との申請・認可にかかわる手続きを一切凍結することを要請致します。


理由:

 環境保護団体と企業との話し合いは過去3回実施されましたが、下記8項目の疑問点について明確な回答がありません。また、本年4月現在の環境影響評価報告書を7月に受け取りましたが、その内容は現在の環境を充分調査したものではなく、過去のデータを用いた建設に都合の良い立場で記されたものです。これらのことから、貴重な木更津市の宝ともいうべき干潟環境保全のために、環境基本計画策定市民会議で充分議論を尽くしてから判断することが市民会議設立の理にかなうと考えられます。


1.事業の形態・終夜営業
 宿泊所の運営時間は三日月ホテルと連動して24時間営業とのことですが、小中学生を対象とした教育施設としては不適切です。
 また、遊戯施設が午後9時まで営業することについても同様です。

2.事業の形態・動員計画
 日帰り利用客、年間12万人(1日350人)、宿泊利用客年間4.5万人、合計年間16.5万人を見込んでいますが、この人数の半数が小櫃川河口・盤洲干潟に踏み込むとしても、干潟環境は1年で破壊される可能性が高い。

3.貴重な底生動植物の調査・保護
 小櫃川河口・盤洲干潟に棲息する貴重な甲穀類についての調査が不十分です。特に、周辺海域に棲息するケフサイソガニは世界中の海洋生物学者が冬季の棲息地を調査していますが、確認されていません。
 また、計画地から至近距離に環境省絶滅危惧T類・千葉県最重要保護生物などの群生が確認されており、周辺の塩性湿地とともにその保護対策が明らかではありません。

4.野鳥への夜間照明
 終夜営業による照明の干潟へ与える影響は計り知れません。そして、夜行性の野鳥へ甚大な影響を与えることになりますが、これらのことについての詳細な計画が不明です。
 干潟対岸方向にあるゴルフ練習場の照明について、「この照明は強力で、干潟に対して影響を及ぼしているものと推測される」とありますが、この建設に際しては、山科鳥類研究所、千葉の干潟を守る会、金田の海を守る会、その他自然保護団体が協力して、木更津市環境部を仲介として話し合いを続けた結果建設されたものです。建設の条件として、照明は干潟を直接照らさない構造となっています。また、渡り鳥の季節には、周囲に張ったネットを電動で下げる構造になっています。

5.交通対策
 見立、畔戸地区周辺住民への騒音・排気ガス公害対策が明らかではありません。自動車道路として現在整備中の湾岸道路が計画されていますが、この道路は東京湾の防波堤を改築した狭い道路で、地域住民の生活道路です。畔戸観測地点では平成9年度の窒素酸化物は0.047ppmであり、千葉県の基準値0.04ppmを超えています。
 今後の交通量の増加により、ゼンソクの発生も予想されます。

6.雑排水処理対策
 雑排水処理についての説明内容が曖昧です。処理後に中水として利用し、その後敷地内に散水する、などとしていますが、いずれは周辺の側溝から短時間のうちに干潟へ排水され、周辺の塩性湿地に大きな影響を及ぼします。

7.汚水処理対策
 汚水は施設内で処理するとのことですが、どの程度まで処理するのか不明です。また、その後の排水対策も不明です。
 参考までに、金田のワクワク市場では、発生する汚水の全量がバキューム車で汚水処理場まで運搬されて処理されています。

8.雨水水害対策
 金田地区の全域がゼロメートル地帯ですが、特に畔戸地区は低地帯です。そのため、古来から水害に苦しんできました。施設計画地は今日まで葦原で、畔戸地区の雨水排水路として大きな役割を果してきましたが、施設建設による水害対策が明らかではありません。

以上










柵で囲まれた右側の少し高くなったところが子供用レジャーランド「民話・童謡の里」の建設予定地。左は護岸。遠くに見える建物は大規模温泉施設「龍宮城」。









★関連ページ

このページの頭に戻ります
「盤洲干潟」のページに戻ります

トップページ | 三番瀬 | 産廃・残土 | ニュース | 自然・環境問題 | 房総の自然 |
環境保護団体 | 開発と行財政 | 催し物 | 自然保護連合紹介 | 書籍・書評 | リンク集 |