千葉県自然保護連合など13団体

小櫃川河口干潟(盤洲干潟)隣接地の

レジャー施設建設計画で要望書




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 千葉県自然保護連合など市民団体13団体は2001年3月21日、木更津市役所を訪れ、東京湾に唯一残る大規模な自然干潟「盤洲干潟」の隣接地に計画されているレジャー施設「民話・童話の里」の建設計画を見直すよう業者を指導することや、干潟を県の自然環境保全地域に早急に指定するよう働きかける要請書を須田勝勇木更津市長に提出しました。
 以下は、要望書の内容です。


要 望 書



2001年3月21日

 木更津市長  須 田 勝 勇  様

千葉県自然保護連合 代表 牛野くみ子
千葉の干潟を守る会 代表 大浜 清
市川緑の市民フォーラム 代表 佐野郷美
三番瀬を守る会 代表 田久保晴孝
追原を歩く会 代表 鵜沢喜久雄
千葉県エコツーリズム研究会 代表 鈴木優子
千葉アルパインクラブ・シャンティ
代表 河野文樹
環境問題市原連絡会 代表 片田 勇
木更津市民ネットワーク 代表 安川慶子
金田の海を守る会 代表 桐谷新三
小櫃川源流域の自然を守り育む連絡会
代表 佐野今朝雄
小櫃川の水を守る会 代表 渡辺みつ
連絡先:小櫃川河口・盤洲干潟保全部会
事務局:御簾納照雄方


主旨:
 東京湾に残る日本最大級の砂質干潟、小櫃川河口・盤洲干潟を保全するため、早急に千葉県条例「自然環境保全地域」指定にご尽力下さい。また、干潟隣接地に計画されている遊戯施設「民話・童謡の里」建設、三日月ホテル建設については、これを見直すよう業者をご指導下さることをお願い申し上げます。


1.盤洲干潟について

 現在、東京湾に存在する干潟は、三番瀬、谷津、盤洲、富津があり、人工海浜については幕張の浜、検見川の浜、稲毛の浜などが挙げられますが、その中でも盤洲干潟は1400ヘクタールの広大な面積を持つ日本最大級の砂質干潟です。
 干潮時には、目の前に広がる広大な砂浜(前浜)と自然海岸の後背地には約43ヘクタールに及ぶ塩性湿地帯(後浜)があり、ここにはヨシが生い茂り、大昔から引き継がれた自然干潟を形成し、原風景を留めています。
 1998年の千葉県環境部の調査報告書によりますと、盤洲干潟・小櫃川河口域で確認された生物の種類は、植物約350種、野鳥128種、魚類60種、底生動物約40種、特に今や地球上でこのアシ原のある局地的な場所にしか棲息しない昆虫も発見され、学術的にも貴重な財産といえます。
 このよつな生物の宝庫ともいうべき盤洲干潟を守り親しむために、昭和62年より、一般市民、婦人団体、自然保護団体、地元・金田小学校全校児童(2年前より)が加わり、年2回の干潟全域の清掃活動、探鳥会、干潟観察会等を実施して参りました。しかし、東京湾アクアライン開通後、この地域に開発の目が向けられ、10年前に千葉県企業庁が埋め立てて地元金田漁協振興のために払い下げられた土地は潮干狩り客の駐車場、休憩所として使用しておりましたが、(株)三日月ホテルが平成11年4月買収し、5階建て温泉施設(5098坪)、及び11階建てホテル261室(延べ6100坪)の建設計画が発表されたため、私たちは干潟環境と共生できる建設を求めて3回の話し合いも、県の建設認可後、一方的に拒否され、工事は進行し、平成12年7月に温泉施設は営業を開始して現在に至っています。
 その温泉施設の排水の影響と思われることが、アサリ、バカガイや海苔、底生動植物などに現れ始めています。


2.「自然環境保全地域」指定について

 私たちは、東京湾で唯一干潟の原風景を残す盤洲干潟を「自然環境保全地域」に指定することを求めて、平成12年5月、沼田武千葉県知事宛に31,479名、また、貴職宛に21,818名の署名を添えて提出しました。しかし、今もって保全地域に指定されていません。
 私たちの干潟清掃や観察会は後浜の入り口より1本の小道を10分ほど歩いて前浜海岸に出るわけですが、狩猟解禁時期、11月中旬から2月中句までは野鳥を目的としたハンターたちが四輪駆動車を連ねて前浜まで乗りつけます。この海岸より前方沖合いは禁猟区域外になっていますので、ハンターはその付近にデコイを浮かせて鴨をおびき寄せ、海岸線より狙い撃ちする方法をとっており、撃たれた鴨からは当然羽毛も散乱します。前述の小道も荒らされ、深い水たまりが常時数カ所できており、小学生などは歩くのに困難な状況です。
 塩性湿地帯の泥質部には様々な小ガニが棲息しておりますが、年々減少しています。海釣りやアナゴ漁用餌として、業者が夜間に大量採取しているからです。
 このような実態を危惧して、千葉県に対して「自然環境保全地域」指定を求めていますが、地元漁協が反対しているからとの理由で延期されています。地元漁協との話し合いを持ちましたが、反対理由として、これ以上野鳥が増えると海苔に羽毛が混入して売り物にならない、又、鴨が稚貝を食ってしまうとのことです。私たちの調査では、小櫃川河口近くの金木橋の長期工事や上流の夜間の鴨網猟などを警戒して他に分散し、鴨は激減していますので、漁協の言う理由は当たらないし、今の海苔製造機が正常に作動していれば海苔以外の不純物は自動的に除去される工程になっています。


3.遊戯施設建設計画について

 昨年11月及び本年1月、小櫃川河口干潟(盤洲干潟)に隣接して「民話(わらべうた)・童謡の里」計画についての説明会が木更津市内で開催されました。
 建設計画の詳細は別紙計画書をご参照下さい。

 説明会参加者からは、計画の趣旨そのものに対する疑念と干潟直近のため、干潟への大きなダメージとなることから建設反対の声が大きくあがりました。具体的に問題点を整理してみますと
  1.  本来であれば、盤洲干潟に隣接するこの計画地は、干潟を守るための緩衝地帯であるべき地域です。
  2.  建造物や駐車場を含めた施設は巨大であり、干潟への影響として、騒音(自動車、放送)、夜間照明、排水が考えられ、それは干潟への大きな負荷になると予想されます。水はリサイクルして使用し、最後は敷地内の植物等に散水するとのことですが、地下浸透しやすい砂質層の土地であることから、いずれは干潟への影響が出るものと考えられます。
  3.  計画の趣旨と骨子に記述されている「戦後の高度成長の中で忘れかけていた日本の良さを発見し……与えられることになれてしまった子供達に遊びを通じ体験しながら自らを創造し、自然な形で学ぶことのできる施設とする」とありますが、日本随一といわれる貴重な自然空間を無視して与えられる人工遊戯施設で、子供たちが自らを創造するという安易な発想は、私たち千葉県民の自然環境に対する根本理念と大きくかけ離れた考え方だと言わざるを得ません。
 現在の子供達は、時間と自然空間が奪われ、なおかつ競争させられ、室内での遊びを与えられてきたことは周知のとおりです。そのようなことを、私たち大人は反省すべき時期ではないでしょうか。
 東京湾において、三番瀬と並び、残された特筆すべき貴重な自然、『盤洲干潟』を、できうるかぎり負荷なく残すことについて、以上の内容をご賢察のうえ、特段のご指導をお願い申し上げます。


以上






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