昭和電工と住民の間で

バイオ施設の環境安全協定を締結

〜「プロジェクトとけ」のとりくみ〜


プロジェクトとけ 事務局長  川本幸立



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 「プロジェクトとけ」の前身である「土気緑の森工業団地バイオ研究所の安全性確認を求める会」(略称「求める会」)は、1993年から6年間にわたり土気地域(千葉市緑区)の環境問題にかかわってきました。その最大のものは、土気緑の森工業団地バイオ研究所の安全性確認を求める運動です。
 そのとりくみを紹介します。







 昭和電工総合研究所(以下「昭電」という。)は、千葉県土地開発公社が造成した160ヘクタールの広さを持つ千葉土気緑の森工業団地の一角に、1993年末に完成した。
 この工業団地は、里山・谷津田の自然が広がる房総の内陸部・千葉市緑区の市原市との境界に位置し、1983年の千葉新産業三角構想を受け、研究開発型大規模工業団地として90年より分譲が開始されたが、47区画中、昨年(1998年)4月現在、未だ25区画(分譲価格で約350億円余)に買い手がついていない。
 昭電研究所の敷地面積は約7ヘクタール、敷地内には、研究棟(4階建)、事務棟(3階建)、実験動物棟(1階建)、事務付属棟(2階建)、危険物貯蔵所、廃棄物置き場などの施設がある。研究者を中心に200名余りが勤務しており、実験動物は年間2千〜3千匹を扱っている。
 組換えDNA実験は、宿主菌(組換え体)として大腸菌k-12株と枯草菌を使用したP1、B1レベルの実験が年間数件実施されている。
 実は、この研究所、当初は神奈川県大磯町に建設する予定だったが、昭電の公害体質(新潟水俣病、塩尻粉塵公害など数多い)と未知の危険性をはらむ遺伝子組換え実験(昭電はアメリカで遺伝子組換え食品Lトリプトファンで38名の死者を含む数千名の被害者を出し、補償総額は2千億円を超えるという。)に危惧し、大磯町の住民が反対し、反対派の町長が当選したことから、その計画が中断し、千葉市での建設となったものである。
 千葉市の住民が気づいた時はすでに建設も半ばであった、取り組みはまず、千葉市、昭電、県土地開発公社に対し、公開質問状により正確な事実に基づく回答を求めることから始まった。
 その後の取り組みは、文字どおり「波乱万丈」だった。誹謗中傷、職場(会社・組合)を通じた圧力、右翼、地域ボスや御用学者の登場ありで、筆者の人生も大きく変わってしまったが、それは省略する。ただ、市民とともに歩む科学者・技術者の方々、新潟水俣病の被害者と共闘組織の方々、昭電内部で公然と住民支持を表明した研究員の方々の「生きる姿勢」に、最も励まされた。それは今も変わらない。
 住民は、他人まかせにせず、自らの頭で安全を確認しようと、「土気緑の森工業団地バイオ研究所の安全性確認を求める会」(会員数2500名余り、以下「求める会」という。)を結成し、公開質問状に対する回答や公開討論会などを踏まえ、2万3千名の署名を添えて市議会に以下の点を求めた。

  1. 昭和電工と住民との間で協定を締結し、千葉市も関与すること。
  2. 工業団地では病原性のあるものは一切扱わず、安全性を実証しない限り、遺伝子組み換え実験を行わないこと。
  3. バイオなど先端技術に関する環境対策指針を制定し、条例を整備すること。
  4. 企業体質改善の証として新潟水俣病裁判の早期解決を昭電に求める。


●千葉市と昭電の「公害防止協定」と「細目」

 こうした取り組みの結果、1993年12月、千葉市と昭電の間で締結された「公害防止協定」では、病原菌を扱わない、P1・B1レベル以下とするなどの研究業務規制、実験動物の厳格な管理などを求める内容となっている。科学技術庁「組換えDNA実験指針」が求める設備内容よりも、安全面で厳しい条件を求めており、同「指針」の不完全性が指摘されているに等しい。なお、協定の詳細内容、運用状況については住民には公開されない。(資料1及び2参照)


●千葉市先端技術環境保全対策指針

 1994年6月、「千葉市先端技術関係施設の設置に関する環境保全対策指針」が施行され、事業者に周辺住民に対する説明会開催が義務づけられた。ただし、地域住民の範囲(2q)、住民意見の反映や説明会報告書公開の不明確性、病原菌施設や動物実験施設を対象外としているなどの課題が指摘される。(資料3参照)


●住民と昭電との環境安全協定

 1994年12月、千葉市立会いの下、地域の5町内自治会(2500世帯余り)と昭電との間で「環境安全協定」が締結された。93年11月から「求める会」と昭電との間で協定内容の協議が7回行われ、94年3月に内容について合意に至った。昭電は、「求める会」とは協議はするが協定締結相手にはしないという姿勢をとったため、その後、5つの町内会や自治会の定例総会などで協定締結することが決議され、千葉市との交渉の結果、ようやく締結に至ったもの。
 協定第2条により、年1回、双方7名ずつ出席の「協議会」が開催され、あわせて第8条の「立入調査」が行われている。この協議会は今まで6回開催されているが、排水や排気の分析測定結果、管理日誌、マニフェスト票などを閲覧し、安全に関する意見交換、要望を行っている。協議会等の結果は、ニュースを通じて全戸に報告されるとともに、各町内自治会の環境委員会等で詳細に報告されている。(資料4参照)







★資料1

 千葉市(甲)と昭和電工株式会社(乙)の
 公害の防止に関する協定書の骨子

1.目的について
    この協定は、乙の研究施設での研究事業活動による公害の発生を未然に防止し、
 住民の健康の保護と生活環境の保全を図ることを目的とする。

2.細目協定について
 (1) 乙は、公害の防止対策を適切かつ十分に実施するものとし、別途、甲、乙間
  で締結する公害の防止に関する細目協定書(以下「細目協定」という。)を遵守
  するものとする。
 (2) 公害の防止に係る技術開発の進展等により細目協定を変更する必要が生じた
  場合において、甲が乙にその改定を要請したときは、乙はこれに応じるものとす
  る。

3.事前協議について
  乙は、公害の生ずるおそれのある施設又は公害の防止のための施設について、新
 設、増設又は改造(用途変更を含む。)ををしようとするときは、あらかじめ甲と
 協議のうえ、その了解を得るものとする。

4. 公害発生時の措置について
  上記2・3の措置を講じたにもかかわらず、公害の発生のおそれが生じ、又は公
 害が発生したときは、乙は、自らの責任において直ちに公害の防除に必要な措置を
 講ずるとともに、講じた措置を速やかに甲に報告するものとする。

5. 緊急時の措置について
  乙は、施設の故障、その他の事故及び災害により公害の発生のおそれが生じ、又
 は公害が発生したときは、直ちに応急の措置を講じ、かつ、事態の早期復旧に努め
 るとともに、速やかにその状況を甲に報告するものとする。

6.事故時の措置について
  乙は公害に関係のある施設等について重大な故障破損等の事故が生じたときは、
 直ちに応急の措置を講ずるとともに、速やかに甲にその状況を報告するものとする。

7.必要な措置の指示等について
  甲は、上記4.5.6の場合において必要と認めたときは、乙に対して必要な措
 置をとるべきこと、及び当該措置が完了するまでの間、公害に係る施設の創業の一
 部若しくは全部の停止を指示することができるものとする。

8. 被害補償について
 (1)  研究施設周辺に公害が発生した場合におぴて、調査の結果、その原因が乙に帰
  すべきことが明らかになったときは、乙は、故意又は過失の有無にかかわらず、そ
  の被害について誠意をもって補償するものとする。
 (2)  甲は、(1)の補償を行う場合は、そのあっせんを行うことができるものとする。

9. 違反時の措置について
 (1)  甲は、乙が本協定及び細目協定に違反したときは、乙に対して期限を定め必要な
  改善措置をとるべきこと、又は違反状態が解消されるまでの間、当該違反に係る施
  設の操業の一部若しくは全部の停止を指示することができるものとする。
 (2)  (1)にかかわらず、乙が上記Bの規定に違反したときは、甲は、当該違反に係る
  施設の設置工事の中止又は操業の一部若しくは全部の停止を指示することができる
  ものとする。

10.  報告及び立入調査について
  甲は、必要に応じて乙に対し報告を求め、又はこの協定の実施に必要な限度におい
 て研究施設内に立入調査することができるものとする。

11.  環境の整備について
  乙は、すすんで研究施設及びその周辺の緑化等環境の整備を行うとともに、甲が行
 う緑化施策に積極的に協力するものとする。

12.  苦情の処理について
  乙は、地域住民から、公害に関する苦情の申し出をうけたときは、直ちにその原因
 を調査するとともに、誠意をもって苦情の解決にあたるものとする。

13.  防止施設等の改善について
 (1)  乙は、公害の防止に関する技術開発を積極的に進めるとともに、その進展に応じ
  公害の防止施設等の改善に努めるものとする。
 (2)  甲は、(1)に関し、乙に対して積極的に協力するものとする。

14.  承継について
  乙は、研究施設における事業の全部又は一部を第三者に譲渡するときは、この協定
 に定める乙の地位を当該譲受者に承継させるものとする。

15.  その他について
  この協定書について定めのない事項について定める必要が生じたとき、又はこの協
 定書に定める事項に疑義を生じたときは、甲、乙協議のうえ定めるものとする。





★資料2

 千葉市(甲)と昭和電工株式会社(乙)の細目協定書の
 骨子(乙が遵守すべきこと)

1. 環境管理体制の整備等について
 (1) 公害の発生を未然に防止するための環境管理体制の整備
 (2) 従業員に対する公害の防止に関する計画的な教育訓練の実施

2.化学物質の適正管理について
 (1) 化学物質の種類、性状、量の収支等の常時把握及び適正管理の実施並びに回収措
  置等による環境中への排出抑制
 (2) 化学物質の適正な管理を行うための適正管理に係る組織の整備及び自主管理マニ
  ュアルの作成とその遵守
 (3)  自主管理マニュアルにおける千葉県化学物質環境保全対策指導指針(平成4年4月
  1日施行)に基づく環境保全対策の遵守

3.生物の安全管理について
 (1) 組換えDNA実験等の安全性の確保、取り扱う生物みよる環境影響の未然防止のため
  の生物の安全管理の徹底及び環境保全技術の向上と適切な環境保全措置の実施
 (2) 組換えDNA実験の実施における国の関連指針の遵守と以下の措置の実施
  ・取り扱う生物の安全管理を行うための安全管理に係る組織の整備及び自主管理マニ
   ュアルの作成とその遵守
  ・P1レベル、B1レベル(科学技術庁「組換えDNA実験指針」におけるレベル)を超える
   実験は行わないこと。
  ・実験中の室外表示と部外者の入室の禁止
  ・高圧滅菌器、殺菌灯、HEPAフィルター等による実験に使用した器具類及び実験廃棄
   物の滅菌処理と排気の除菌処理の実施
  ・DNA組換え体の野外実験の禁止
 (3) 研究施設内におぴて病原菌を取り扱わないこと。

4. 放射性同位元素の安全管理について
  施設の使用及び安全管理等に関する放射線安全管理規程の作成とその遵守

5. ばい煙及び粉じん対策について
  処理施設の設置等、排出管理に関する適切な措置の実施

6. 排水処理対策について
 (1)  研究排水の排水処理施設における適切な処理と処理後の公共下水道への排出
 (2)  排水について地下浸透を行わない等土壌汚染及び地下水汚染の防止措置
 (3)  公共下水道に排出する際の関係法令等に定める水質の基準の遵守

7. 騒音・振動防止対策について
 (1)  騒音及び振動発生施設の建屋内への設置と屋外に設置する場合の措置
 (2)  屋外騒音発生施設から発生する騒音の最大音量の基準設定
 (3)  動物飼育施設からの防音措置

8. 悪臭防止対策について
  悪臭発生施設における脱臭施設の設置等、悪臭物質の排出防止に関する適切な措
 置の実施及び悪臭に係る基準の遵守

9. 土壌汚染及び地下水汚染防止対策について
  取り扱う化学物質の土壌中への浸透の禁止

10.  廃棄物処置対策
 (1)  廃棄物の保管及び処理に関する関係法令等に基づく適正処理、発生量の抑制
  及び再生利用等による廃棄物の減量化
 (2)  研究事業に係る廃棄物の処理を処理業者に委託する場合の措置(マニフェス
  ト伝票の利用等)
 (3)  実験等で使用した化学物質の廃液及び実験機具等の一次洗浄水の全量回収及
  び必要に応じた無害化処理等の専門処理業者への委託処理
 (4)  組換えDNA実験に係る廃棄物の加圧高温滅菌処理及び専門処理業者への委託
  処理
 (5)  放射性同位元素に係る廃棄物の社団法人日本アイソトープ協会への委託処理

11.実験動物の安全管理について
 (1)  実験動物の施設内飼育及び実験動物の外部への漏出防止
 (2)  実績がありかつ信頼 のおける業者からの病原菌のないことを十分確認した
  実験動物の購入
 (3)  自家繁殖の禁止
 (4)  飼育動物の定期的な健康状態の検査による感染防止の徹底
 (5)  1日1回以上の飼育動物数の確認

12.自然災害等対策について
  自然災害、火災、故障その他の非常事態を想定した対策の実施及び緊急対策組織
 の整備

13. 緑化対策について
  研究施設の敷地内における緑化について、市が指導を行った場合の措置

14. 公害関係施設の維持管理について
  研究施設内に設置する公害関係施設の定期的な保守点検による適正な維持管理の
 励行

15. 自己監視について
  関係法令等に規制基準の定めのある物質の監視測定及び記録の保存

16. 環境安全計画書について
 (1)  細目協定締結後、速やかに以下の内容の環境安全計画書を市に提出
  ・環境管理体制の整備等に関する事項
  ・化学物質の適正管理に関する事項
  ・生物の安全管理に関する事項
  ・放射性同位元素に安全管理に関する事項
  ・ばい煙及び粉じん対策に関する事項
  ・排水処理対策に関する事項
  ・騒音・振動防止対策に関する事項
  ・悪臭防止対策に関する事項
  ・土壌汚染及び地下水汚染防止対策に関する事項
  ・廃棄物処理対策に関する事項
  ・実験動物の安全管理に関する事項
  ・自然災害等対策に関する事項
  ・公害関係施設の維持管理に関する事項
  ・自己監視に関する事項
 (2)  環境安全計画書に不備があった場合の市の変更指示
 (3)  環境安全計画書の重要な部分の変更時の市への事前届出
 (4)  環境安全計画書に基づく適切な措置の実施

17. 立入調査について
  立ち入り調査の際の専門家の同行

18. 有効期限について
  5ヶ年





★資料3

 千葉市先端技術関係施設の設置に関する
 環境保全対策指導指針

(目的)
第1条  この指針は、先端技術関係施設を設置する事業者が化学物質及び生物(以下「化
   学物質等」という。)を適正に管理するため必要な事項を定めることにより、環境
   汚染、災害事故等を未然に防止し、もって良好な環境を保全することを目的とする。

(定義)
第2条  この指針において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定める
   ところによる。
 (1) 先端技術関係施設 千葉市公害防止条例(平成3年千葉市条例第54号。以下「条例」
  という。)第2条9号に規定する先端技術関係施設(以下「対象施設」という。)をいう。
 (2) 化学物質  すべての元素及び化合物のうち、環境保全上注意を要する物質をいう。
 (3) 生物 突然変異、遺伝子組換え、細胞融合、培養等バイオテクノロジーに供される
  生物をいう。

(対象者)
第3条  この指針は、次に掲げる事業者について適用する。
 (1) 本市の区域内に事業所を立地している事業者であって、当該事業所において対象施
   設を設置しようというもの
 (2) 現に、本市の区域内に事業所を立地している事業者で、次のア又はイのいずれかに
   該当するもの
  ア  対象施設を設置していない事業者が、新たにこれを設置しようとする場合
  イ  バイオテクノロジーに係る対象施設又はバイオテクノロジーに係る対象施設以外の
   対象施設のうちいずれか一方に係る対象施設を設置している事業者が、新たに他方の
   対象施設に係る施設を設置する場合

(事業計画概要書の作成及び提出)
第4条  事業者は、対象施設を設置して事業を実施しようとするときは、条例51条第1項の
   規定による届出前に、当該事業に係る事業計画の概容について記載した事業計画概要
   書(様式第1号)を作成し、市長に提出するものとする。

(環境保全対策書の作成)
第5条  事業者は、前条の規定似寄り事業計画概要書を提出したときは、次の各号に掲げる
   事項を記載した環境保全対策書を作成するものとする。
 (1) 事業概要
  ア  氏名(法人にあっては、名称及び代表者の氏名)及び住所
  イ  事業内容
  ウ  環境保全に係る基本方針
  エ  環境保全及び安全管理に係る組織
  オ  環境保全及び安全管理に係る教育・訓練
 (2) 化学物質の適正管理について
  ア  化学物質の適正管理方法
  イ  大気汚染及び水質汚濁の防止方法
  ウ  土壌汚染及び地下水汚染の防止方法
  エ  廃棄物対策
 (3) 生物の適正管理についおて
  ア  生物の適正管理方法
  イ  生物の封じ込め対策
  ウ  廃棄物対策
 (4) 施設及び設備の保守・管理
 (5) 災害事故等の未然防止対策及び対応措置
 (6) 監視測定
 (7) その他環境保全対策上配慮すべき事項

2. 前項の環境保全対策署を作成するにあたっては、次の各号に掲げる事項に十分留
  意するものとする。
 (1) 関係する法令、条例、要綱、指針等を詳細に調査し、基準等を遵守すること。
 (2) 使用する化学物質に関しては、極力回収措置を講ずるものとし、回収が困難な場
  合は、防除施設を設置する等、適切な排出防止の措置を講ずること。
 (3) 遺伝子組換え実験等に関しては、取り扱う生物による環境汚染の未然防止を図る
  ため、適切な排出・漏洩防止等の措置を講ずること。
 (4) 化学物質等に係る廃棄物については、再生利用等により発生量の減量化に努める
  とともに、周辺環境に影響を及ぼすことのないよう適切に処理すること。
 (5) その他、環境保全に係る技術の向上に努めるなど、環境保全対策に最善の措置が
  講じられるよう配慮すること。

(説明会の実施等)
第6条  事業者は、前条の規定により環境保全対策書を作成したときは、対象施設を設置
   しようとする場所の周辺住民に対し、環境保全対策書の概要等を説明するため、別
   に定める時期までに説明会を開催するものとする。ただし、設置する対象施設が環
   境を汚染し、又は災害事故をひきおこす恐れがないと市長が認めるものについては、
   この限りではない。
 2. 事業者は、前項に規定する説明会の結果を踏まえ、環境保全対策署に周辺住民の
   意向を配慮するよう努めるものとする。

(自主管理マニュアルの作成)
第7条  事業者は、作成した環境保全対策書に基づき、化学物質等の管理及び環境汚染並
   びに災害事故の防止の措置等を的確に遂行するため、その具体的実施手法等を記載
   した自主管理マニュアルを作成するものとする。
 2. 市長は、必要に応じ、前項の自主管理マニュアルの提出を求めることができる。

(環境保全対策書等の提出)
第8条  事業者は、環境保全対策署の内容が確定したときは、当該環境保全対策書及び環
   境保全対策概要書並びに第6条第1項の規定により実施した説明会の報告書を条例
   第51条第1項に規定する届出書に添付して、市長に提出するものとする。
 2.  市長は、前項の提出があったときは、速やかに、環境保全対策概要書を期間を定
   めて周辺住民の閲覧に供するものとする。

(補則)
第9条 この指針の実施に関し必要な事項は、環境衛生局長が定める。

付則
1.この指針は、平成6年6月1日から実施する。
2.この指針の実施の際、現に対象施設の設置について条例第51条の規定に基づく届出をし
 ている事業者については、この指針の規定は、適用しない。





★資料4

 昭和電工と住民(5町内会・自治会)との
 環境安全協定書

 大木戸台自治会・大木戸町内会・大椎台自治会・越智町内会・千葉東角栄団地自治会
(以下総称「甲」という。)と昭和電工株式会社総合研究所(以下「乙」という。)と
は、総合研究所(以下「研究所」という。)の運営に伴う地域の環境安全に関し、千葉
市の立ち会いのもと、次のとおり協定を締結する。

(目的等)
第1条  本協定は、研究所の環境安全の確保をはかり、公害を未然に防止するとともに、
   甲、乙間の理解を一層深め、協調・信頼関係を強化するために必要な事項を定める。
 2. 乙は、関係諸法令、条例、公害防止協定等を遵守するとともに、本協定に定める
   事項を誠実に履行するものとする。

(環境安全協議会)
第2条 甲及び乙は、「環境安全協議会」(以下「協議会」という。)を設置し、研究所
   の環境安全問題について協議する。
  2. 協議会は、次に掲げるもので構成する。
          甲の選任した委員               7名以内
          乙の指名した委員               7名以内
        必要により、甲乙で合意した学識経験者若干名 
 3. 協議会は、毎年1回定例会を開催する。その他、 構成員の発議のあるときは、これ
   を開催するものとする。
 4. 乙は、次に掲げる事項を協議会に報告し、協議に付すものとする。乙は、協議会で
   合意した事項についてはこれを尊重し、積極的に推進するものとする。
  (1) 環境保全組織の整備に関する事項
  (2) 化学物質の安全管理に関する事項
  (3) バイオテクノロジーの安全管理に関する事項
  (4) 放射性物質の安全管理に関する事項
  (5) 大気汚染防止に関する事項
  (6) 水質汚濁防止に関する事項
  (7) 廃棄物対策に関する事項
  (8) 実験動物の安全管理に関する事項
  (9) 緊急時の対策に関する事項
  (10) 安全教育の実施に関する事項
  (11) その他、甲、乙が協議のうえ定める事項

 5. 協議会の運営に係る費用は、乙の負担とする。

(環境保全管理体制の整備等)
第4条 乙は、研究所において、P1及びB1レベル(科学技術庁「組換えDNA実験指針」
   におけるレベル。)を越える遺伝子組換え実験を行わないものとする。
 2. 乙は、研究所において病原菌は取り扱わないものとする。病原菌の判定は、国立
   予防衛生研究所の病原菌リストによる。
 3.前項の規定にかかわらず、Bacillus  amyloliquefaciensは使用しないものとする。

(排水に係る管理)
第5条 乙は、排水に関し適切な管理を行うとともに、排水による土壌汚染の防止を図る
   ものとする。
 2. 乙は、研究所の排水を定期的に分析し、その状況を協議会に報告するものとする。
 3. 甲は、乙の立ち会いのもと、必要により、研究所の排水をサンプリングすること
   ができるものとする。

(廃棄物処理に係る管理)
第6条 乙は、廃棄物に関し適正に処理するとともに、処理を業者に委託する場合は、「マ
   ニュフェストシステム」による委託を行うものとする。

(災害等の対策)
第7条 乙は、自然災害、火災、事故等の非常事態を想定した対策を実施するとともに、緊
   急対策組織を整備し、自然災害等の対応に万全を期すものとする。

(立入調査)
第8条 協議会の構成員は、乙に事前に連絡のうえ、本協定の実施に必要な限度において、
   研究所に立入調査を行うことができる。立入調査結果は、協議会に報告することがで
   きる。

(苦情の処理)
第9条 乙は地域住民からの公害に関する苦情の申し出があったときは、誠意をもって苦情
   の解決にあたるものとする。

(被害補償)
第10条 万一、公害が発生した場合において、調査の結果、その原因が乙に帰すべきことが
   明らかになったときは、乙は、故意または過失の有無にかかわらず、その被害者に対
   し、誠意をもって補償を行うものとする。

(地位の継承)
第11条 乙は、研究所における事業の全部もしくは一部を第三者に譲渡するときは、本協定
   に定める乙の地位を当該譲請者に継承させるものとする。

(秘密保持)
第12条 協議会の構成員は、本協定に基づく報告、調査等により知り得た企業秘密を漏らし
   てはならないものとする。ただし、乙は、企業秘密の範囲について、その都度明示す
   るものとする。

(施設の利用等)
第13条 乙は、研究所の図書について、研究活動に支障のない範囲で、甲の会員に閲覧を認
   めるものとする。
 2. 乙は、甲の要請により、研究所より、甲の主催する研修会等へ講師の派遣を行うも
   のとする。
 3. 乙は、毎年実施される「化学の週」の行事の一環として、甲の会員に対して、研究
   所の見学会を開催するものとする。

(細目)
第14条 本協定の実施にあたって必要な細目を、別に定めることができるものとする。

(その他)
第15条 本協定に定める事項に疑義が生じた場合は、甲、乙、誠意をもって協議し、その解
   決にあたるものとする。

 この協定の締結を証するため、本協定書7通を作成し、大木戸台自治会・大木戸町内会・大
椎台自治会・越智町内会・千葉東角栄団地自治会、乙及び立会人記名押印のうえ、各自1通を
保有するものとする。

 平成6年12月27日

  甲        5町内自治会各会長の記名押印
  乙        昭和電工株式会社総合研究所所長の記名押印
  立会人    千葉市環境衛生局局長の記名押印





土気緑の森工業団地の案内板






DNA組み換え実験をおこなっている昭和電工総合研究所






公開質問状に対して誠意ある回答などを求める住民






昭和電工総合研究所の前で






「子供や孫たちの健全な未来をおびやかさないで」と訴え






昭和電工と交渉







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