■書籍・書評


  う沢喜久雄著

  『ちばの温泉〜地湯(じゆ)ってきちゃう〜


北澤真理子



トップページにもどります
「書籍・書評」のページにもどります


・著 者:う沢喜久雄
・書 名:ちばの温泉
     −地湯(じゆ)ってきちゃう−
・発行所:崙書房
・価 格:1000円


 房総半島に温泉が50カ所以上もあるという。正確に言えば、温泉ではなく鉱泉ということだが、温泉の成分を持った鉱泉を暖めて客を待つ、宿の主人の思いがとげこんだ湯は、その分だけ本場の温泉より中身が濃いはずだと著者は言う。そんな湯を地ビールならぬ地場と名付けたのだという。
 人と出会い自然と出会い、足を運んで確かめたお気に入りの23の温泉が紹介されている。太古の昔から堆積と陥没と隆起を繰り返した房総半島の歴史を物語るように、湯は硫黄泉やヨード泉、炭酸水素、硫酸塩泉など狭い範囲にも違う成分の鉱泉が湧き出ている。
 1番目の粟斗温泉は鴨川の硫黄泉、おかみのもてなしのうれしい気さくな一軒宿だ。そして取り上げられたほとんどの宿が、田舎の自分の家に帰って来たようなくつろいだ気分にさせる小さな一軒宿であることに気づく。
 ちばの温泉の特徴と良さは、こんなところにあると思う。
 温泉紹介の間に、家庭でできる薬草風呂のいろいろも載っている。肌によいナンテン、精神が安定するクロモジ、疲労回復タンポポ、ゴージャスな椿風呂など試してみたい。
 この夏、追原ダム予定地の七里川温泉に泊まった。午後になると海から帰る若者たちで賑わい、この本が火つけ役になったのか、房総の温泉ブームを実感した。追原ダムの話をすれば、彼らは「ちばの自然が好き。守りたい」と異口同音に言う。自然の中にあり、山菜や川魚、きのこ、ホタルやカジカガエルなど野趣満点のちばの温泉が、これから自然を守っていくうえでの重要な拠点になるかもしれない。
 さて、著者の近況を伺ってみましたら、次の作品「ちばの酒」執筆のために、日夜ちばの地酒を相手に冷やと熱燗(あつかん)で格闘中だそうです。これぞちば一番とおすすめの酒がありましたら、ぜひお知らせください。

(2000年10月)  






このページの頭に戻ります
「書籍・書評」のページにもどります

トップページ | 三番瀬 | 産廃・残土 | ニュース | 自然・環境問題 | 房総の自然 |
環境保護団体 | 開発と行財政 | 催し物 | 自然保護連合紹介 | 書籍・書評 | リンク集 |