■書籍・書評


  う沢喜久雄著

  『歩いてみよう房総の自然〜ちばの山と滝と温泉と〜


北澤真理子



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・著 者:う沢喜久雄
・書 名:歩いてみよう房総の自然
     −ちばの山と滝と温泉と−
・発行所:崙書房
・価 格:1000円


 黒潮と親潮のぶつかる所に位置し、豊かな自然と多種多数の生物に恵まれた千葉県。山懐に抱かれ、川の流れに沿って、太古の昔から人々は暮らしてきました。
 この本は、房総の山をこよなく愛し、「ふわくハイキングサークル」の事務局長として、多くの人たちに千葉の自然を紹介し続けているう沢喜久雄さんの本です。すでに7刷をかぞえ、この本を片手に千葉の山を歩く人もたくさんいます。
 山の初心者でも行ける等身大の良さ。しかしなかなか奥が深く、アルピニストにも愛される魅力。そんな千葉の山のコースが31ほど紹介されています。
 どの山にも、いろいろな季節に何度も登った著者の思い入れいっぱいの文章と手描きの地図、コースタイムとアドバイスがつきます。
 ページを開けば、そこに書かれてある山に行きたくなります。
 「新緑が出揃い、枝先に何本もの房状の花がたれる頃、この山は一斉に萌えて黄緑色に輝き出します。同じ時季にスダジイも同様の花をつけるし、タブの木も新芽をつけるので、南房の山はテカテカと光り、風は樹々の花粉混りの甘い風となり、まさに薫風となります。こんな嵐の中を歩く花嫁街道と黒滝へのコースは最高です」
 そして千葉の自然を讃えつつも、山行の途中で目にする自然破壊。
 「渓を歩き、汗をたらして藪尾根へ出た処に、赤いスプレーで印をつけられた測量杭を見ることが度々ある。開発を一歩すすめる為の測量の跡で、『ドキン』とする」
 「マテバ椎におおわれた山肌がザックリえぐられてゴルフ場に化けてしまった」
 無秩序に壊れてゆくふるさとの自然。しかし、著者は、ぜひ読んでほしい第7刷のあとがきとして、「隠れ里追原の自然を護る、うねりのような運動を」と、多くの仲間と手をつなぎ自然を守って行こうとする構えと決意を語り、読者に勇気と元気を与えてくれます。

(2000年9月)  




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