房総とは、旧国名である安房・上総・下総の総称、つまり千葉県の別称です。 大地は一般に平低でその平均海抜高度は43mしかなく、意外にもなんと日本一低いです。 千葉県の大地はその形状から、半島北部を広く占める台地と、半島南部の丘陵、 九十九里平野などに代表される沖積平野に大別されます。 房総北部を占める平野部である下総台地は、 関東平野の南東部にあたり、規模においては日本有数の台地で知られています。 浅い海底に堆積された砂泥が陸化してできた海抜高度20〜100mの台地です。 一方、半島南部に形成している房総丘陵は、地震による土地の隆起によって海岸線付近の地形が陸化したもので、 標高200〜300m前後の低山で形成されています。なお、半島は太平洋に突出しているため、 紀伊半島・伊豆半島・三浦半島と同様の海洋性的気候の特徴を有しています。 房総の淡水魚類相は関東平野のそれとほぼ同様で、西日本の淡水魚類相と比べると多少貧相な感があります。 ただ、千葉県外房沖は親潮と黒潮が出会う豊かな海であるため、 房総は冷水性の回遊魚の南限及び南洋性の回遊魚の北限としての特徴を有しています。 特に南洋性の魚類が豊富で、琉球列島でみられる魚や、 インド洋−西太平洋等で知られる魚までもが房総沿岸に現れることで知られています。 一方、冷水性の回遊魚は房総では南限と言えど、 冷水性の淡水魚(サケ科・カジカ科)が利根川水系を除いて自然分布していないのも房総の特徴であると言えます。 房総は南部に房総丘陵を成していますが、その標高は前述している通り、 200〜300mの低山(最高峰の愛宕山でも408mしかない)なのです。 標高が低すぎるので、夏場の水温上昇が冷水魚の生息条件を超えてしまいます。 今までに千葉県内の複数の河川等でサケ(シロザケ)やサクラマスの仔魚が放流されているのを確認しています。 房総丘陵の一部の河川ではニジマスなどの冷水魚が遊漁目的で定期的に放流されているようです。 サケについては回帰まで認められていて、県内下総台地から端を発して利根川に注ぐ複数の小河川でサケの遡上および産卵を確認していますが、 現在のところいずれも定着には至っていないようです。