最近読んだニュースから(2007年04月分)  

保険市場について思う(その27:変額年金)(2007/04/29更新)
保険市場について思う(その26)(2007/04/22更新)
保険市場について思う(その25)(2007/04/15更新)
保険市場について思う(その24)(2007/04/08更新)
保険市場について思う(その23)(2007/04/01更新)


○ 保険市場について思う(その27:変額年金)

 今週月曜日に発売された「週刊ポスト:4/11号」に「怒りのレポート:生保変額年金が2
割もカットされる」と衝撃的な見出しの記事が掲載されている。記事によると、不払い問
題の沈静化を希望している生保幹部は、団塊の世代を狙って、変額個人年金保険を主力商
品となるのを期待しているという。しかし記事の中身は私の期待とは異なり、生命保険の
標準死亡表が11年ぶりに改訂され、その影響から変額年金を含む終身型年金の契約者は、
10%−20%程度受け取る年金額が減ることになることをテーマにしている。
 契約者が長生きするようになると、収支相当の原則により、年金の受取額は減るのは致
し方のないことだが、私が問題視していたことはそれではなく、もともと年金保険は銀行
窓販が主流で、保険会社は銀行に販売してもらおうと、銀行に対し支払う手数料を高くす
る傾向が強い。一時払い保険料の7%に達する会社があるという。結果として、手数料の
高い会社の年金商品を銀行の窓口が薦めているといわれている。団塊の世代の契約者は例
えば一時払い100万円を将来の生活費の一助になればと申し込んで、その内の7%に当た
る7万円が直ちに手数料として年金の元本から消えてしまって大損していることを知らな
いのが殆どである。金融庁が契約者保護のために保険給付金の不払い問題で血の道を挙げ
ているのは結構なことにしても、適正と考える手数料水準にまで引き下げるよう指導する
のが当然であろう。そのためにも、指導する前にも実際の手数料水準を契約者に対しディ
スクローズさせることが効果的であろう。いまでは悪口を言われている船団行政の時代に
は、大蔵省は、新契約費中の手数料の水準が高い会社(事業費の中で新契約費率の高い会
社)に対し注意をしていたのを思い出す。
 また、変額年金保険には、株価の下落により、投資元本が一時的に減少するのを避ける
ために金融技法を使用して特別な保証規定を設けているようであるが、それにはデリバテ
ィブ等の投資策を利用している。私が分からないのは、保険会社の維持管理費用に充てら
れる保険料の中に占めるローディングの水準である。保険のコンサルティング会社が日本
に変額年金の技法を売り込んできた時に分かったことは、株式投資による株主配当収入の
部分は年金額に反映しないで、会社の事務費に充てる仕組みである。いまでもそのやり方
が生きているのか分からないが、ここいらのことも損益報告書の明細から金融庁は分かる
ようにして監視できるよう考えてはどうか。
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○ 保険市場について思う(その26)

 今週の最大の記事は、第一番に、引き続く「不払い問題」である。問題を大きくし深刻な
ものにしていった原因は、金融庁の幹部から医療保険について「未請求の対象になった契
約者は、請求すれば保険金を受け取れた可能性があることすら知らなかったのではない
か」、「加入時に特約の請求方法を十分説明しなかったのではないか」と責め立てられたの
に強く反論をしようとしなかったからである(4/17日付産経新聞「泥沼・保険金不払い」、
4/20日付日経紙−生保不払いなお170万件超−調査必要から)。
 この記事を受けて私が受けた感想は、第一に、契約者による請求債務であり、「保険金
は請求を受けて支払うもの」という弁解は、金融庁に通用しなかったようだ。それでは支
払備金にIBNR(incurred but not reported)として未払金を計上していなかったかどうか
が不明である。私の予想ではIBNRは計上しておらず、その点について金融庁から指摘
もされなかったのではないか。第二に、新聞記事から不明であるが、いろいろな給付金の
内どんな給付金の不払いが目立つのかである。手術給付金や入院給付金は金額が大きいに
で恐らく請求漏れが発生しそうもないで、請求が長期にわたり少額である通院給付金に多
くの不払いが発生していると私は予想しているが果たしてどうであろうか。それならばこ
んな給付金は廃止してしまう方がベターと思う(第一生命は廃止するとの新聞記事を見た
気がする。後から人手と金をかけて調査するくらいなら廃止した方がましではないかと思
う)。
 (ガン保険を契約していない)私は6年前に前立腺ガンの全摘出の手術を受け、現在でも
月に一度通院して高い(薬価は一本5万円もする)女性ホルモンの注射を受けているが、5
年も経過したから、医者に「そろそろ注射をやめてはどうでしょうか」と質問したところ、
ASPの数値は極めて低いけれど、血液検査の度に少しずつ数値が上昇しているから心配
だ、もう少し続けたい、との返事を受けてまだ通院している経験から、果たして通院給付
金の適正な支給期間をどうあるべきかは難問である。
 今度の記事から、テレビや新聞広告で派手に宣伝している外資系会社の不払いの件数・
金額が記事に掲載され、AIGスター、プルデンシャル及びマニュライフ社の数値を見て、
各社それぞれの異なる事情があるにしても、かなり多いことが分かった。
 「保険毎日」という業界紙が追加的な支払いを要する事案の統計を4/20日付の紙面に掲
載している。この数字は金融庁から恐らく得たものであろうと思うが、日経紙の数字と一
致する会社もあるが、大きく違っている会社もある。どちらを信用していいのが分からな
い。保険毎日の方の統計表では、未払いだったもので支払った件数の総支払件数に対する
発生比率が示されている。大部分の会社は1%未満であるが、それを超えるのは、日本生
命、明治安田生命、三井生命であり、それも大きいところで2.46%である。更に興味が
あるのは、第一生命、明治安田生命、住友生命に10万件を超える通院給付金の請求勧奨
件数が掲載されている。第一生命が通院給付金制度を廃止するとの新聞記事を読んだ気が
するので、とかく未請求になりやすい少額の給付金は廃止するのは賢明な措置であろう。
 自分が高齢になったから分かることだが、医療保険を80歳、85歳まで加入できること
をテレビで宣伝しているが、高齢者向けには、出来るだけ簡単で単純な仕組みの保険を勧
めるのが、結果的に親切であることを理解してほしい。携帯電話と同じである。多機能の
携帯電話はほとんどの老人には不向きである。
 金融ビックバン以降の保険市場は、高齢者に大きくウエイトをかけてきている。それだ
けに、高齢者向けの保険商品とは何か、高齢者に理解を得られ問題を起こしにくい募集方
法は何か、を新しい発想で各社は取り組んでもらいたい。約款の文句を易しくするのも良
いけれど、それだけでは不十分である。加入者に対し保険の利用状況などを常時把握でき
るシステムを構築できればよいが、募集員の体制の維持すら困難になってきたので、一工
夫する必要がある。
 なお残された課題を挙げておこう。第一に、保険料水準の適正化である。そのためにも
標準発生率の策定であり、高率のマージンの廃止である。第二に、簡易保険における不払
いの状況はどうなっているかである。第三に、もっと深刻なのは高齢化した過疎地帯にお
ける無医化現象の蔓延増加であろう。これは社会保険財政の立て直しに追われる厚労省の
医療政策の問題であり、これが片づかないと民間保険会社がいくら医療保険を販売しても
絵に描いた餅に終わる可能性が大きい。
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○ 保険市場について思う(その25)

 幾つかの保険関係記事が目についたので感想を述べたい。
 その一は、4/10日付の日金紙に掲載されていたManulife社の広告である。
 「MGA、すなわちManaging General Agents 新しいタイプの代理店事業を目指します。
私達は、マニュライフ生命です。」 その次にある解説が泣かせる。
 *「MGA開発部のMGAは、北米市場において大型・独立代理店型の販売組織を意味
  するManaging General Agentsの略です。新設部門の「MGA開発」という名称は、ま
  さに、日本において新しいタイプの代理店事業の構築を目指すという部門の戦略的目
  標を表すものです。」
 MGAという言葉を聞くと、一般的には、何故か新しくて効率的でかつ素晴らしい経営
手段であるという響きがある。しかし、私にはそう思えない。というのは十数年前にアメ
リカで、このMGAを経営に取り入れた保険会社が破綻した有名な歴史上の事実があるか
らだ。何故破綻したかと言えば簡単で、この代理店に大きな権限を与えていたから、その
運営に当たる人が不適切ならば、とんでもない運営をする可能性がある。破綻会社の例で
は、本社にいる経営者は、MGAの責任者を信用して何の監視・監督もせず、会社運営以
外の仕事にかまけて遊んでいたから、MGAの責任者は自分の好きなように、また必要も
ないのに、例えば不健全な再保険会社と取引をして、また危険な財産運用で小遣い稼ぎを
して、結果的に会社を破綻させてしまった、という有名な歴史が残されている。だから、
何故日本で、MGAという特殊な募集組織を採用しようとしたのか又は必要なのかの理由
を明らかにすべきであり、支社形態を取っているのかどうか分からないが、ネズミ講まが
いの手数料ピンハネ行為が行われるのかどうか、また金融庁は保険業法上この特殊なMG
Aの扱いをどうするかを検討し管理すべきである。
 その二は、4/10日付の日経紙に掲載されていた「大手生保 個人向け配当増額 前期3
年連続、運用好調で」である。
 生保各社は財産基盤の拡充が進み、剰余金(大きくなり過ぎたという反省があるのか)を
内部留保ではなく契約者の配当に回せるようになってきたと解説している。逆ザヤの発生
や不良債権の累積による経営危機に陥ってきた心配は少なくなり、最近では逆ザヤが大き
く減少し、内部留保の増加によりソルベンシー・マージンが大きく改善されてきたようだ。
そこで契約者配当の増額に踏み切ったというのは、聞こえがいいが、何故、運用益配当な
のか、それが利差益配当なのかが解説されていない。というのは、死亡率の低下を受けて、
新しい標準死亡表を採用するという話が流れているが、既契約にもその恩恵を与えるべき
であり、それなら当然の行動であるからだ。
 また特約による第三分野保険からの利益(どうも死差益の分類されているようだ)は配分
しないのか。それは逆ザヤの穴埋めに使うからだという説明をするなら間違っている。特
約には配当をするという約款の規定がないから、しないのだという説明をするのでは、契
約者には頂けない。どうも保険料算定の基礎が異なる契約間の公平性を問わないで、この
まま経営を継続するのは再検討すべきである。このまま放置できない問題になってきてい
ると思う。
 逆ザヤ契約を保有しない外資系会社は、第三分野保険の保険料を緊急に再検討し、保険
料の水準を見直して配当するか、又は過去の契約に遡って保険料を引き下げるよう金融庁
は行政指導するかを行ってもらいたい。
 その三は、欧米の再保険会社がバミューダへの進出が拍車がかかっているとの報道が
4/10日付の日経金融紙に掲載されていることだ。新規参入組を含めたバミューダの保険
会社数は約千七百。ドイツ、米国、スイスに次ぐ世界4番目の保険会社集積地になってい
る。2006年の新設数は82と三年ぶりの高水準になった。各社は法人税率ゼロ%であるこ
となど利益課税がない点に着目し、バミューダは再保険事業を中心に世界の保険ビジネス
の集積地として一段と存在感を増している。しかし、特にバミューダの再保険会社が悪質
というわけではないが、我が国では再保険会社の信用度を疑うことを、監督官庁を含めて
していないようだ。アメリカなどでは、監督官庁が良質の再保険会社だけをホワイトペー
パーに掲載して、それ以外の再保険会社への再保険は、責任準備金からの控除を認めない
措置をとっているようだ。また世界的に著名な再保険会社は、適正な再保険契約を推奨し
ていると思われがちであるが、これまた信用してはならない。金融再保険などを、アメリ
カの監督官庁が否認した後から、日本に堂々と売り込んできたのは、保険関係者の間では
著名な事実であるからだ。
(注)4/14日付けの各紙は、生保の不払い25万件、284億円と大きく報道しているが、この
  点への考えは、来週にでも述べたい。
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○ 保険市場について思う(その24)

 保険市場では保険金の不払い問題で大騒ぎをしているが、保険市場の周辺では大きな変
化が進行しているようだ。その一つの表れがTOBであろう。日本企業絡みのTOBが過
去最高と報道されている(4/8日付産経紙)。その意味で、株主総会は最大の経営リスクの
一つになっている。
 私の愛読する雑誌「諸君5月号」を買ってめくってみたら、「米国型市場原理主義を超克
せよ」(本山美彦)と言う論文が掲載されていた。その中で、アメリカの金融近代化法の衝
撃について解説しているのが興味を引いた。少し長いが引用しよう。
 「アメリカのシティ・グループという金融コングロマリット(銀行、証券、保険、クレジ
ットカードといった金融業務を傘下に持つ金融組織)が日本の日興コーディアル証券をM
&Aで傘下に収めようとしていることは、日本の巨大証券会社が、外資の軍門に下ること
以上に大きな意味を持つ。これで銀行、証券、保険、クレジットカード間の垣根が事実上
撤廃され、金融の縦横無尽の拡大領域が切り開かれたことになるからだと論文は見ている。
何ともすざましい変化を日本の金融市場に与える事件である。(注:この問題は、多くの
会社と取引のある大手証券会社がアメリカ系になることは、一昔前までは想像もつかなか
った出来事である。)
 アメリカの金融近代化法は、法案審議を主導した上下両院各委員長の名前を取って、「グ
ラム・リーチ・ブライリー法」(Gramm-Leach-Blily Act of 1999)として知られている。この
法律によって、戦後体制は一挙に大恐慌以前の体制に戻された。銀行、保険、証券を分離
するという恐慌を経験した後の「グラス・スティーガル法」(Glass-Steagall Act of 1933)によ
る金融業務を分けていた垣根が撤廃され、これら金融機関の相互提携・相互参入が可能に
なったからである。金融に関するあらゆる業務が、金融持株会社を創設することで、一つ
の母体で運営されることが可能になったからである。六十九年間続いてきた米国の金融制
度がこの法律によって大転換した。以降、米国のみならず、世界中で、金融コングロマリ
ットが誕生することになった。
 米国発の金融の自由化とは、グラス・スティーガル法を撤廃する動き以外の何者でもな
かった。大恐慌の教訓は、無惨にも踏みにじられてしまったのである。そして、日本は嬉
々としてこの路線を踏襲している。日興コーディアルという証券会社をシティ・グループ
という、銀行を含む巨大金融コングロマリットに売り渡すことは、活発な外資と提携して
日本の金融市場を活性化させると為政者は豪語するが、これは日本の憲法を改定するより
も巨大なインパクトを持つのである。つまり、シティグループによる日興の買収は、日本
でも、銀行と証券、そして保険の垣根が木っ端微塵に破壊されることを意味している。日
本人は、これを心底歓迎しているのであろうか。これで、金融機関はより安全になったと
本気で考えているのであろうか。金融機関はますます脆弱なものになるべく、奈落に落ち
ようとしているのではないだろうか。・・・・・・」(以下省略)
 以上のように解説された動きは、また経営思想は、保険事業にとって無縁なものなので
あろうか。最初にシティ・バンクは保険会社の老舗であるトラベラーズと提携して、保険
募集と銀行業務とをンストップ・ショッピングすることで事業を拡大した。その後旨く行
かないことが判明したのか、トラベラーズを弊履のごとく捨て去ったようだ。金融事業の
中で、保険事業は一種特別な存在なのだろうか。アメリカにおける今後の動きを注目した
い。
 とにかく、企業経営に倫理性が急速に失われてきたようだ。我が国の社会は、M&Aの
動きが急速に高まっているなかで、歴史を逆行しだしてきたようだ。契約者保護、即ち契
約者利益を第一とする生命保険事業の歴史は、特に最近の動きを見ると逆回りしてきたよ
うだ。我が国は、金融ビックバンで生命保険事業が株式会社化できるようになったが、株
式会社化したのは大同生命ぐらいのもので、我が国の他の大手は相互会社のままである。
事業規模を拡大し多様化することのできない相互会社のままに止まっていることが、M&
Aの世界から逃れて、企業を現状のままとにかく存続できるからなのか。
 我が国の相互会社にとって怖いものは、今のところ、保険金不払い問題で攻めたてる金
融庁だけだ。余裕資金を株主に還元せよと攻めたてる大株主やファンドがいないから、社
員総代会の運営などは気が楽なものであろうから、株式会社化しないで相互会社のままで
目立たぬよう経営しているのは、現時点である意味では経営陣に先見性のあることなのか
とも思われる。金融庁は社員総代会の運営を改善しようとしているのか分からないが、私
が昭和五十年答申で初めて社員総代会運営の改善に手を染めたのだが、このままでは、立
候補制の採用など小手先の改善では保守化した相互会社が自主的に改善するのを期待する
のは無理であろう。金融庁がファンドや大株主の代わりの役目をして、なまじ株式会社さ
せないで、相互会社のままで契約者還元を大幅に推進させるのが、当面取りうる契約者保
護の最善な施策なのかも知れないと思う。それにしても、保険事業には多くの問題を抱え
ていることを忘れてはならない。
 さて、後世の歴史家が、また保険学者が現時代をどの様に判定するのであろうか!
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○ 保険市場について思う(その23)

 この一週間に興味ある記事が二つ見つかった。
 その第一は、「クーリングオフで保険店頭契約も対象−−金融庁・販売窓口拡大に対応」
(3/31日付日経紙)、「クーリングオフを保険商品で拡大」(3/31日付読売紙)である。私は
現在のクーリングオフ制度の不備を前から指摘していたが、やっとその一部を解決する形
を取った。これも意地悪に解釈すると、伝統的会社の募集外務員の陣容が次第に弱体化し
て、保険会社としては、背に腹を代えられない格好で、銀行等の窓口販売に大きく頼らざ
るを得なくなり、それが銀行の営業利益と合致したからであろう。今頃になって、銀行等
の窓口販売の実態を考慮しなかった金融庁の対応が遅すぎた感じがする。しかし、銀行等
の保険販売担当者が顧客の自宅で契約から保険料の振り込みまでの手続きを済ませた場合
は例外とする(日経紙)とあるのは頂けない。更に分からないのは、店頭販売でも訪問販売
でも、契約申込みから最低10日間は解約手数料なしで返戻金(この言葉を使っていること
が不可解である)を受け取れるようにすることだ。解約手数料には保険会社が銀行に対し
支払う募集手数料が入っているのかどうか分からない。銀行は高率の手数料が入る保険会
社の商品を優先して勧誘する傾向がある。この際に、銀行が受け取る募集手数料を全ての
顧客にディスクロージャーするよう強制すべきではないか。いずれにしても、銀行の窓口
に定期預金の口座をつくりに来た顧客を相手に高率の手数料を手に出来る保険商品を言葉
巧みに勧誘する傾向がある。高額の退職金を手にする団塊の世代を守るために、さらには
老齢化した顧客を守るためにも、クーリングオフの制度を周知徹底すべきである。
 さらに忘れてはならないのは、銀行等における店頭契約だけでなく、募集外務員による
一般の契約にもクーリングオフ出来る期間等を拡大すべきである。
 その第二は、「保険契約:時価評価、10年にも:国際的な統一会計基準に」(3/29日付日
経紙)である。これは見出しから見ると、財務諸表での負債面で、保険契約を時価評価す
ることを指していると思われる。それは責任準備金のことを指すと思われるが、その際に
最も問題となるのは純保険料式責任準備金であろう。この方式は私の知る限り、日本だけ
ではないだろうか。これは保険業法施行規則第69条第4項1号に規定する純保険料式責
任準備金を最低とする規定を存続させるのか、廃止するかが問題となる。その他に問題と
なるのは、不足責任準備金の積立問題が浮かぶ。この二つは生命保険会社への法人税をど
うするかの大問題と密接に結び付く。もう一つ厄介な問題は、契約に固定した解約返戻金
の存在である。これが変動する時価評価の責任準備金の下限となるべきである。これと関
連して解約返戻金をゼロ又は低くする契約が増加していることも問題を複雑にしている。
 さらに時価評価という以上、金利だけでなく、責任準備金の評価に用いる死亡表の問題
がある。最近、標準死亡表を新しくすることが行われると聞くが、会社ごとの実績死亡表
を採用することになるかは別の大きな問題となろう。更に厄介なことは、第三分野の保険
の時価評価である。とかく、第三の分野の保険の責任準備金は不透明である(損益計算書
が不透明である)との批判が強まっていることとの関係で、安全割増の解明さのとディス
クロージャーが当然問題となろう。
 資産面の時価評価も当然対応して問題となろう。価格変動の著しい資産について価格変
動準備金を積み立てることになっている。これは第115条1項であるが、旧保険業法の第
86条準備金を受け継いだものである。この規定は、規則第65条にあるが、資産の時価評
価を行うなら、これをどうするかが問題となろう。これも法人税の問題が生じる。

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