最近読んだニュースから(2006年11月分)  


保険市場について思う(その9:簡保の民営化)(2006/11/26更新)NEW
ACLIが、日本の郵政民営化に対して深刻な懸念を表明(2006/11/26更新)NEW
保険市場について思う(その8:悪貨と良貨)(2006/11/19更新)
スタンダード・ライフ社のPPFM(その10)(2006/11/19更新)
保険市場について思う(その7:手数料の開示など)(2006/11/12更新)
スタンダード・ライフ社のPPFM(その9)(2006/11/12更新)
保険市場について思う(その6:高齢化社会など)(2006/11/05更新)
スタンダード・ライフ社のPPFM(その8)(2006/11/05更新)


○ 保険市場について思う(その9:簡保の民営化)

 連日のように、生保・損保を通じて保険金不払い事件が報道され、保険会社に対する不
信感が増してきている時代になった。この様な保険市場の変貌をもたらした原因は、生保
・損保会社の経営陣の意識や姿勢の変貌も原因であろうが、同時に、保険業法の大改正を
受けて監督する金融庁の姿勢の変化(規制緩和を受けて何でもありにシフトする)も原因の
一つに挙げられよう。
 郵政民有化を巡って反対した自民党議員12名を、阿部内閣になって、来年の参議院選
挙をにらんで復党をどの様な形で認めるかが報道されている。郵政の民営化は、確かに小
泉前首相が発議したけれど、実際にそれを前進させたのは日米保険協議における米国側の
強い要求であったようだ。その協議内容の細部は、我々には説明されていなかったから、
何とも云えないが、ハッキリしていることは、残念ながら日本側が負けたことであろう。
(その代償にアメリカ側から何を獲得したのかは全く不明である。)
 1995年11月にアメリカ政府から日本政府へ提示された「年次改革要望書」の中に、「ア
メリカ政府は、日本政府が以下のような規制緩和及び競争促進のための措置をとるべきで
あると信じる。・・・・郵政省のような政府機関が、民間保険会社と直接競合する保険事業に
携わることを禁止する」とあった。それ以来、アメリカ政府は簡保の廃止を日本に要求し
続けてきた。1999年の要望書では、より具体的な記述になっていた。
 「アメリカは日本に対し、民間保険会社が提供している商品と競合する簡保を含む政府
及び準公共保険制度を拡大する考えを全て中止し、現存の制度を削減または廃止すべきか
どうか検討することを強く求める」とまで云う。いやはや、今頃になって私には分かった
けれど、驚いた次第だ。日本はアメリカの51番目の州のような扱いであったではないか。
(以上は、最近発売された講談社の現代新書「奪われる日本」から引用。)
 一方では、民間保険会社側も、簡保が果たしてきた役割が終了したとして、簡保の勢力
が増大するのを、最高限度額の引き上げ反対などで阻止しようとしてきたから、アメリカ
側の要求を明確に否定しなかったのであろう。しかしアメリカ側の要求の及ぼす影響は、
保険市場における大転換であることは間違いない。しかし既存の保険学者からは、何の意
見も聞かれない。
 簡保の民営化により、旨く経営する民間会社に転換することに失敗すれば、アメリカと
しては、制度的に容易に買収できることになるのだから、今から虎視眈々として狙ってい
ることに間違いない。この点は、郵貯よりも簡保の方が問題の性格が大きいと思う。
 その意味で、単なる一社が新たに保険市場に進出してくるのか、又は一社が破綻するか
の問題以上の問題である。監督する金融庁は、これまで以上の真剣さを以て、あらゆる場
合を想定して、民営化する簡保会社への規制内容をどうするかを検討し、国民・消費者・
保険契約者に対し明示する必要があろう。
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○ ACLIが、日本の郵政民営化に対して深刻な懸念を表明

 −新聞発表− 
                       ACLI AUG. 1, 2006
 ACLIは、日本の郵政民営化に深刻な懸念を表明
(ACLI Raises Serious Concerns Over Japan Postal Privatization Plan)
 ワシントンD.C.,(2006.8.1)・・アメリカの生命保険会社協議会(American Council of Life 
Insurers:ACLI)は、本日、日本の郵政事業民営化による事業計画の骨組みに関心を表明し
た。簡保、郵貯及び郵便事業を当初に所有する持株会社である日本郵政公社(Japan Post 
Corpotation)により、2007年10月に始まる移行期間の開始後における郵政民営化「実施計
画」の骨組が、月曜日に発表された。
 「実施計画の骨組みは、将来の郵政保険会社(Postal Insurance Corporation:PIC)が、2007
年10月の移行期間の開始後に提供する、新しくかつ拡張した商品(new and expanced pro- 
duct)により、資金を獲得するであろうと想定している。しかしそれは、民間の保険会社
に対し既に適用されているのと同一の法律と規制上の要件の全てにPICがどの様に完全
に遵守することになるかを明確にしていない」とACLIの会長でありCEOであるFrank 
Keatingが述べた。
 「公正な競争の環境を維持し、また消費者の利益を推進するために、PICは、最初に同
一のルールにより運営し、また政府保証により暗示されている点を含め、政府により保護
されてきたという長年の優位性が完全に解消するまで、民間部門と競争するよう自由にす
べきではない」と、Keatingは語った。
 日本政府は、PICが新規の又は拡張した商品を提供する前に、公平競争の場が確立され
るよう、Trade and Services National Treatmentにおける一般合意(General Agreement)により
義務付けられていることを、ACLIは常に指摘してきた。
 Keatingは、日本郵政公社が実施計画を公表したことを評価した。彼は、意志決定の手
続きにおいて高度の透明性を確保するのが、民間事業への移行が円滑にかつ責任あるやり
方で公然と行われるために非常に重要である、と付け加えた。
 Keatingは、日本郵政局の計画において提起された関心事とは、日本郵政局の伝統的な
保険事業から脱離して、PICが民間の投資家にとって魅力的なものとすることであるが、
これは民間部門の犠牲ににより成し遂げてはならないことを十分に理解している、と語っ
た。このことは、PICが通常の規制上の要件を完全に遵守する前に、自らが新しいか又は
拡張された商品を開発するのではなく、民間部門の保険提供者の保険商品を販売するよう
にして達成できる、と彼は指摘した。
 民間保険部門は既に、日本の消費者が希望する全ての保険商品を提供できている、と
Keatingは語った。「PICは、近い将来に自分で新しいか又は拡張した商品を開発する必要
はない。」 
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○ 保険市場について思う(その8:生命保険事業の問題点の総点検)

 先ずお詫びをする。「保険市場について思う(その3)」で、「悪貨が良貨を駆逐してくれ
るなら幸いであるが、そうならないのが通常である。」と、書いたが、常識に反して「悪貨」
と「良貨」とを逆にしてしまった。
 しかし現実には、何が「悪貨」であり「良貨」であるかの定義が、意識が、業界内でハッキ
リしないことである。根本は、判別基準が策定されていないだけである。金融庁も、はっ
きりと「悪貨」と認められる商品を認可したはずではないだろう。
 各社は、できるだけ素晴らしい商品を、創意工夫を凝らして設計して、金融庁の認可を
得て世に出そうとしている。決して「悪貨」という商品を世に出して、消費者を惑わそうと
は考えていないだろう。その上、広告代理店は、宣伝のテクニック駆使してドレスアップ
する。
 我々から見れば、たとえば「一生安心」、「女性の強い味方」、「ボーナスつきはお得」とい
う当たり前の商品内容でも、広告代理店の手を経ると、自社商品との比較であるとの言い
訳であっても(消費者にはそんなことは分からない)、何か素晴らしい商品と錯覚(?)させ
る広告コピーに化けてしまう。(以上は、内藤真弓著「医療保険には入ってはいけない!」
ダイヤモンド社発行の本の表紙から引用したものである。)
 この本は、題名は激しいけれど、中身は相当に教育的である。そもそも、第三の分野の
保険である医療保険は、第一の分野の保険である死亡保険と比較すると、個人保険として
設計されているから極めて複雑である。保険給付の発生原因は複数である。ガン保険とし
ても、ガンが発生する身体の部位は複数で多岐にわたる。さらに、保険給付発生の原因で
ある疾病も、疾病が発生する身体の部位は細かく分かれてくるから、大変である。
 それを科学的かつ合理的に設計し、適正な保険料を算定しようとすると、データーが不
足し、また疾病間の相互関係を明らかにしようとすると、私は現状では不可能であると推
察する。実績の経験を積み重ねなければならないのに、消費者にとって魅力のある商品を
提供して、他社に対抗しようとするから、これまた泥仕合みたいになる。
 現在では、商品の設計に大きな問題点が残され、隠されていても、一度、金融庁の認可
の手続きを経てしまうと、その後は、当たり前の給付になってしまう。保険事故の発生率
が不透明・不明確のまま審査して締結しようとしても、被保険者の間で個人差があるにも
かかわらず、材料不足であるから、保険料に相当大きな安全割増を付加しておれば可とし
て認可する。それが現状ではないか、と私は推測する。さらに、最近の商品には、契約の
際に医的選択(医者による診査)はありません、という商品まで発売されるる。その裏には、
保険料の中に大きな安全割増が隠されていても・・・・そのコピーが販売促進の材料になって
しまう。
 さらに、各保険事故の発生確率の間に相互依存関係が存在する場合と、そうではない場
合とがある。例えば、ガンの転移の問題がそうである。となると、保険料の標準的な算定
の式がどうなるかの問題も当然ある。
 その上に問題を複雑化しているのは、解約返戻金をゼロにする、いわゆるトンチンの問
題がある。このやり方に最初私は、大きく反対したのであるが、残念ながら、現在では当
たり前のような雰囲気になっている。これも国際的な基準に照らして、決着をつけるべき
である。そうしないと、大幅な安全割増を隠す手段として契約者を騙すことに使われてい
るからである。
 さてこうなると、良貨を駆逐している悪貨とは、コマーシャルで旨いこと宣伝して売り
上げを伸ばしている商品で、その費用の中身をディスクロージャせずに、過大な費用を消
費者に転嫁している商品なのか、と疑問を抱かせざるをえない。
 以上、問題点の一部を掲げただけであるが、このままだと、保険商品の標準化、それを
受けた保険料の標準化が何時までたっても出来ないことになる。良貨、悪貨の判別の問題
は、その先になるのだろうか。
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○ スタンダード・ライフ社のPPFM(その10)

 5. 事業リスクをどの様に管理するか(How Business Risk is Managed)
 第4節で、スタンダード・ライフ社が将来の収益が不確定な資産に投資することに伴う
リスク(即ち、市場リスク及び他のリスクに曝される)をどの様に管理するかを、また競争
力のある収益を生み出すことを目的とし、また取るリスクの金額を管理するために実施す
る手続きについて記述した。
 スタンダード・ライフ社は、事業リスクを受け入れるが、この節で説明するように、英
国のスムーズ化し管理された有配当ファンドの投資及び投資収益のスムージングに伴うリ
スクに関係して生じるリスクだけである。
 5.1節では、事業リスクと報酬について我々のやり方を、英国のスムーズ化し管理され
た有配当ファンドの中の相続した資産を保有するやり方を含めて記述する。5.2節では、
英国のスムーズ化し管理された有配当ファンドへの新規事業の水準を、どの様に管理する
かを議論する。5.3節では、英国のスムーズ化し管理された有配当ファンドにおける保険
契約者の利益と、株主の利益を管理する我々のやり方を記述する。
 5.1 事業リスクと報酬(Business Risks and Rewards)
 この節では、英国のスムーズ化し管理された有配当ファンドにおける保険契約者は、ア
セット・シェアーをバックする資産に伴うリスク以外には、事業リスクから生じる如何な
る利益又は損失も、割当られず又は負担しない。また同時にそれは、英国のスムーズ化し
管理された有配当ファンドの中には、保険契約者に帰属する相続財産は無いことを説明す
る。
 5.1.1 原則
 5.1.1.1 何かの事業活動から生じるリスクで、アセット・シェアーを支える資産に付随
 するリスク以外のものは、スタンダード・ライフ社の他の長期事業又は株主のファンド
 により負担される。従って、その様な事業活動、例えば新規事業の締結からの何等かの
 利益又は損失は、スタンダード・ライフ社の他の長期事業又は株主ファンドに蓄積され
 よう。

 5.1.1.2 このPPFMによりカバーされる事業に帰属する相続財産はなく、また将来に英
 国のスムーズ化し管理された有配当ファンドの中に相続した財産を蓄積する意図はな 
 い。
 5.1.2 現在の実務
 5.1.2.1 事業リスクからの利益及び損失
 英国のスムーズ化し管理された有配当ファンドは、アセット・シェアーを支える資産に
伴うリスク以外の、如何なる事業リスク又は他のリスクを負担せず、またその様な他のリ
スクを生じる活動からの何等かの利益又は損失を受け取ることはない。
 特に、スタンダード・ライフ社、、負担した経費への過剰な又は不足する賦課金からの
損益は、又は解約若しくは契約の他の不継続による損益は、スムージングに起因する損益
を除き、保険契約者に転嫁することはない。
 5.2 新契約事業の管理
 この節は、スタンダード・ライフ社が、英国のスムーズ化し管理された有配当ファンド
における新契約事業の水準を如何に管理するかを検討する。英国のスムーズ化し管理され
た有配当ファンドにおいて、新規契約の引受を停止する計画はないけれど、もし我々がい
つかそうした時は、生じるであろうことを対象とする。
 5.2.1 原則
 5.2.1.1 スタンダード・ライフ社の新契約事業の増加が、このPPFMによりカバーされ
 ている事業に対し何等かの衝撃を与えるとは予想されないけれど、そうなる見通しがあ
 るなら、新契約の事業は、関係する保険契約者の持つ合理的期待の利益を保護するため、
 新契約の事業は制限されよう。

 5.2.1.2 スタンダード・ライフ社が、万一、いつか英国のスムーズ化し管理された有配
 当ファンドの有配当事業の新契約を閉鎖するか、又はこのPPFMによりカバーされて
 いる事業の提供を終了すれば、関係する残された事業は、それらに対し、閉鎖が行われ
 なかったとして同様な原則により、とりわけ顧客を公平に扱う義務を尊重して、管理さ
 れよう。
 5.2.2 現在の実務
 我々は、新規の及び増大する事業に対し競争力のある契約条件を、既存の保険契約者の
利益に悪影響を与えることなく提供しようと求めよう。
 新規の事業を締結する経費は、英国のスムーズ化し管理された有配当ファンドに影響を
与えないから、新規の事業を受け入れることは、一般的に、英国のスムーズ化し管理され
た有配当ファンドに対し具体的な制約条件を与えない。スタンダード・ライフ社は、この
ファンドにおいて、新規の事業の規模に上限又は下限を課す必要はない。
 我々は、有配当事業に新規契約を閉鎖する計画を有していない。
 5.3 保険契約者と株主との間の公平性
 この節は、英国のスムーズ化し管理された有配当ファンドの保険契約者と、株主のそれ
ぞれの利益とを管理する我々のやり方について記述する。
 5.3.1 原則
 5.3.1.1 保険契約者は、更に何等かのスムージングによる調整を加えた後の、彼らのア
 セット・シェアーについてのみ権利を有する。株主は、英国のスムーズ化し管理された
 有配当ファンドからアセット・シェアーから控除された負担金を含め、他の全ての資産
 に対して権利を有する。
  5.3.2 現在の実務
 取締役会は、保険契約者の利益を保護化するため、英国のスムーズ化し管理された有配
当ファンドの管理に関する責任を果たすであろう。これらの責任を果たすための、取締役
会が監視する原則と実務は、このPPFMに記述している。
 取締役会により行使される裁量で、保険契約者の給付の合理的な期待に対し影響を与え
る主たる分野は次の通りである。
 ・ 支払金のスムージング、及び
 ・ 投資戦略
 3.2.2節で記述したように、給付のスムージングから生じた利益又は損失は、各日の終
わりにおいて継続してる契約へのアセット・シェアーに通常は自動的に割り当てられる。
これによる結果は、支給金のスムージングのやり方で、保険契約者と株主との間に、何の
対立をもたらさない。
 株主は、アセット・シェアーからその一定%を、ファンドの管理費用として受け取るか
ら、保険契約者と株主の利益は、最適な投資報酬を達成する上で提携している。

 

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○ 保険市場について思う(その7:手数料の開示など)

 私は、日本における激変している保険市場を、文明論的(?)に、国際的に、比較産業論
的に、保険会社の経営面から、また保険行政の実態面から分析することを密かに希望して
いるけれど、私の実力からして、まだまだその緒にもつけられていないという感が深い。
誰か、実力のある、説得力のある保険学者が大論文を発表してもらうことを期待している
のだが、その気配が窺えられないのは、誠に残念である。その意味で、金融庁の金融審議
会で保険問題を扱うことが多いのに、保険市場の抱える問題をえぐり出して、改革の指針
を示したということは聞かれないのが残念である。学者は、審議会のメンバーに選ばれる
と、そこから情報が得られるから、事務局の保険課の意向に逆らって論陣を張るのは難し
いと昔から伝えられている。大学の中で、保険学の地位が低下しているような話を聞くと
悲しい。
 ここで取り上げるのは、保険業法第一条の「・・・・保険業を行う者の業務の健全かつ適切
な運営及び保険募集の公正を確保することにより、保険契約者の保護を図り、・・・・」とあ
る「おまじない」が、現実に保険契約者の保護がどの程度達成するかに働いているかを疑問
に感じることである。
 11/09日付の日金の「複眼独眼」に、変額年金保険に投信並みの手数料開示を、という問
題が取り上げられている。やっと、マスコミもこの問題に気が付いてくれたか、と思う。
 変額年金保険は、貯蓄性の極めて強い商品である。顧客は購入時に手数料を取られない
が、販売会社(主として銀行)には生命保険会社から一括して数%(6−7%の場合もある
と聞く)の販売報酬が支払われ、そが解約価格に反映する。その後で保険会社は運用資産
から継続的に徴収する手数料でこれをカバーする。これも問題である。消費者は手数料が7
%を負担すると知れば、腰が引けることは間違いない。
 投信であれば、販売手数料は明確で、信託報酬の中から販売会社に支払われる「代行手
数料」も目論見書を調べると分かる。これに対し変額年金の場合は、ごく僅かな保険機能
がついて「保険関係費用」のどんぶり勘定になって、多額の控除が加えられる。
 そもそも生命保険の手数料(付加保険料)の非開示自体に、消費者保護の観点から大いに
問題がある。と「複眼独眼」は論じているのだ。
 金融危機の際に、経営が危機に陥った銀行は、手数料を稼ぐ手段を求めて、争って変額
年金を窓販しようと争ったものだ。だから保険会社の提供する手数料は次第に高くなり、
高くした保険会社の変額年金の売り上げが大きくなるという現象が起きた。裏返せば、販
売高の大きい会社ほど支払う手数料が大きいのだ。しかもその費用は、結局、加入者の負
担になる。消費者がこの実態を知れば、当然、契約するのを躊躇するだろう。
 先程、変額年金へのクーリングオフ制度を改善したようだが、本当に改善すべき問題は
手数料の開示問題であると同時に、適正な手数料率゛あることを金融庁は忘れてはならな
い。付加保険料の決め方、解約返戻金の決め方にも問題が及び、引いては個人保険の販売
手数料全体の開示問題にも、火がつくことを忘れてはならない。
 そうすれば、保険業法第一条の「おまじない」が絵空事ではなくなり、本当に効き目のあ
ることになろう。私は、その様な事態が早急に実現されることを期待している。
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○ スタンダード・ライフ社のPPFM(その9)

 4.1.2.2 容認資産(Allowable Assets)
 原則を遵守して、投資マネジャーは如何なる金融商品にも、それが予め定められた最低
基準を満足している限り、投資する自由が許されている。例えば、資産は価格が付けられ、
管理されなければならず、また「リスク政策(Risk Policies)」と適切な内部ファンドの仕様
書(資産をどの様に管理すべきかを規定した文書)の要件を満足しなくてはならない。
 「リスク政策」には、それぞれの信用リスク、市場リスク、流動性リスク、保険リスク及
び運用リスクについて予め設定されている。これらの政策は、確保するためのガバナンス
取り決めと共に、合理的である限り、英国のスムーズ化し管理された有配当ファンドの財
務上と規制上の目的を、健全で慎重なやり方で、確認され管理されているよう満たしてリ
スクを取る。
 英国のスムーズ化し管理された有配当ファンドにおける資産は、関係する負債を適切に
バックするよう、また各産業にまたがり、個々の企業にまたがり、また関連する対照とな
るグループにまたがって、十分な品質を保ちまた十分に地理的な分散をすることが最優先
する慎重な要件である。
 また同時に投資の取引は、全ての適用される法令及び規制を遵守しなくてはならない。
 制約(下記を参照)の目的は、投資マネジャーが収益を求めて投資する能力を不必要に阻
害することなく、この重要な要件を満たさなくてはない最低の枠組みを設定することにあ
る。それは、最低の枠組みにも拘わらず、如何なる優先する要件を満たすよう確保するこ
とが、全ての投資スタッフの責任である。
 特定の種類の資産に投資する金額の限度、及び最低のクレジット、並びに課せられた流
動性の基準は、内部の「リスク政策」とそれに付随するカバナンスの文書の中に、詳細に定
められている。これらの制約は、日にちの経過と共に変化する可能性があるが、分散の適
正な水準と流動性の維持を確保するよう設計されている。制約の内容は、取締役会により
合意され定期的に検討されている。制約の種類の例として下記のことが含まれる。
 ・ 通貨全体の損失可能度(exposure)
 ・ 取引価格のない投資(non-quoted investment)の損失可能性
 ・ 個別会社又は不動産への投資の損失可能性
 ・ 投資市場セクターの投資可能性
 ・ 異なる信用格付の社債の損失可能性
 これらの資産種類への具体的な制限に加えて、単一の法人への損失可能性の容認しうる
集合に対する制限がある。例えば、ある与えられた銀行に投資できる総額は、それが株式、
社債、預金又は他の如何なる種類の投資を通じても制限する。
 スタンダード・ライフ投資会社は、「リスク政策」で定義された損失可能性限度を設定し
検討する手続きを持つ。これらの損失可能性の限度の違反は、スタンダード・ライフ社の
「資産及び負債委員会」に報告される。
 スタンダード・ライフ投資会社のリスク及び損失可能性委員会(Risks and Exposures 
Committee)は、(新しいデリバティブの構造のような)新しい種類の投資、又は性格が変更
された投資の利用を、それらが最低の判断基準をを満たしかつ適切であることを確保され
るよう、監視する。
 デリバティブに関するガイドラインは現在、「リスク政策」と、それに関係するガバナン
ス文書の中に提示されており、また少なくとも一年に一度は取締役会により承認されてい
る。デリバティブは、下記の場合に限り使用される。
 ・ 契約上の義務を満たすために、又は
 ・ もしデリバティブが、リスクか又はコストを削減する有効な手段であるなら、又は
 ・ もしこれが許容しうる低水準のリスクで、追加の資本又は収入を生み出す手段とし
   て。
 デリバティブを使用するに当たり、我々は常に、又は潜在的な義務か権利の行使をカバ
ーするための十分な現金同等物か基礎となる資産を持つことを目的としている。デリバテ
ィブの取引は、それらの取引の持つ経済的な成果が、別の方法として単一の直接的な取引
や直接的な取引の継続として許される場合に限り、効率的なポートフォリオ管理のための
目的として実施できよう。
 投資ガイドラインの文書では、個々のポートフォリォ・マネジャーが運営出来る(ベン
チマークの集合からの)許容しうる最大の追跡エラー(tracking error)のような、更なる制約
条件を記載している。「リスク政策」と投資ガイドラインの文書へのコンプライアンスは、
定期的に監視される。「リスク政策」への違反は、取締役会に報告しなくてはならない。
 信用リスクは、ムーディーズ、スタンダード・アンド・プアーズ又は他の同等な手段に
よる取引先の信用リスクを参考にして評価される。これらは定期的に専門のアナリストに
より監視される。この分析を用いて、スタンダード・ライフ投資会社は、何等かの信用限
度の逸脱があれば、確認し、「資産及び負債委員会」に対し報告する手順を設けている。ス
タンダード・ライフ社の「資産及び負債委員会」は、スタンダード・ライフ社の関係する上
席アクチュアリアル・マネジャーに対し適切な要約を提供する。
 英国のスムーズ化し管理された有配当ファンドの資産には、そのスタンダード・ライフ
・グループにおける重要性の故に、正常に取引されない資産はない。
 5. 事業リスクはどの様に管理するか
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○ 保険市場について思う(その6:高齢化社会など)

 この10月に、私は80歳の大台に突入した。まさに高齢者の仲間入りをしたのである。
近所の街を散歩していると、杖を突きながら弱々しく歩いている老人や、車椅子に乗って
街に出ている中高年者が目に付くようになってきている。少子化だけでなく、これは日本
経済の将来にとって大変な問題を抱えるようになったと痛感する。
 最近の保険市場に対する生保会社と保険行政のスタンスは、高齢化社会の進展を余り深
刻には考慮していないように思われる。保険市場の主力が高齢者を対象にする第三分野の
医療保険になってきたのにである。
 自分が高齢者になって感じる事は、新しいこと、細かなことにチャレンジする気がなく
なり、気持ちがあってもうまく対応できなくなっているので、出来るだけ避けたいと思う
ようになった。それを若い人は理解していないようだ。
 例えば、自分が契約している火災保険更新の際に新しい契約を薦められることがある。
その際に見せられる損保の約款や説明文書の字が細かくて、到底読む気がしない。活字の
色もハッキリしないものになっている。特約が沢山付いた自動車保険の場合も、生保で沢
山の医療保険関係給付を特約で付加している場合もそうである。酷いものである。だから、
今まで通りの契約を継続するのが無難である。
 私は、白内障の手術をしたせいか、眼鏡が近視から遠視に変わり、細かな活字の書類を
読むのに大変不便になったばかりでなく、新しく、しゃれた眼鏡を購入したのだが、実際
は感心しないことが多い。
 最近の新聞記事に、全国の消費生活センターに寄せられた70歳以上の高齢者からの契
約を巡る相談件数が約14万件に上り、今年も9月末比で前年度より11,214件増と、過去
最多になる見通しになるようだ。高齢者が抱く三つの不安「お金」、「健康」、「孤独」の
何れかを突く悪質商法や、不十分な説明で契約を勧めた銀行とトラブルになるケースがあ
るという。だから保険商品を含めた金融商品を購入するには、どうしても身内の後見者を
傍らに置いて(成年後見人制度のように)、説明を聞き、商品の内容を確認する必要があろ
う。うまそうな話には実は裏があることが多いからである。それと同時に、保険の場合は、
募集人が商品内容について話をしたことを、後で問題になった時のトラブルを回避するた
めに、免責条項に関する事項を記載した確認書として消費者に手渡しする事が大切である。
適合性の問題を議論することも必要だが、基礎的なことをしっかりすることがもっと大切
である。
 もう一つ重要なことは、保険会社が募集人(代理店を含む)の教育を徹底的に実施してい
るかが心配である。募集人の質が落ちてきたという指摘をよく聞くからである。この問題
の解決には時間がかかるだけでなく、改善が期待出来ないのではないかと心配である。
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○ スタンダード・ライフ社のPPFM(その8)

 アセット・シェアーと支払金を算定するに用いたパラメーター
 アセット・シェアーを算定するのに我々は、関係するパラメーターへの最善な推定を使
用することを目的とする。幾つかのパラメーターを算定する際に、契約間の平均化の要素
があろう。我々は、実際の経験による事後情報を考慮して、アセット・シェアーの算定に
適用する歴史的なパラメーターを変更することがあるが、もしそうすることによりアセッ
ト・シェアーの算定の正確さを改善し、また保険契約者を公平に扱う上で整合している時
に限られる。
 文書化と変更の管理
 我々は、使用した方法、パラメーター及びスムージングのメカニズムの詳細を文書化し
保持する。
 アウトソーシング
 スタンダード・ライフ社は、アウトソースすることが効率性を高めるか、又はスタンダ
ード・ライフ社グループの構造に適合していると我々が信じる場合は、(スタンダード・
ライフ社グループ内の子会社か外部に)業務をアウトソースする。例えば、有配当の資産
の投資は、スタンダード・ライフ社の取締役会からの指示の下に、契約手数料の代償でス
タンダード・ライフ投資会社(Standard Life Investments Limited)により行われている。
 アウトソーシングが適切であると考える場合、その取り決めは、取締役会(又はスタン
ダード・ライフ社のマネジャーが代理して)により定期的に審査される。その再審査を行
う頻度は、提供を受けるサービスの性格と範囲に依存する。このことは、アウトソーシン
グが関係機関又は第三者機関の何れかに行われる場合でも、関係がない。
 また同時に、アウトソーシング取り決めの終了条項は、契約による様々であるが、重要
な条項の何れかに違反した場合、又は合意したサービスの基準を満たさない場合に、典型
的には契約を終了する権利を持つ。
 4.有配当の資産をどの様に投資するか(How the With Profits Assets are Invested)
 3.2.2節で、アセット・シェアーに与える最も重要な影響は、それを支える資産からの
投資収益であるのが普通である。この節は、契約にとって競争力のある投資収益を生みだ
すよう、スタンダード・ライフ社が行っているやり方を記述する。従ってそれは、契約の
アセット・シェアーを支える資産をどの様に投資するかに集中する。
 4.1.1 諸原則
 4.1.1.1 取締役会が決定しかつ適時再検討する一定の制約条件の下で、スタンダード・
 ライフ社は、達成可能な収益の点から見て適切であると信じる場合は、将来の収益が不
 確定な(即ち、市場リスク及び他のリスクに晒されている)資産に投資する。通常スタン
 ダード・ライフ社は、通常は株式、債券及び現金の預金を含む、広範囲な資産種類に有
 配当の資産を投資する。このことは、適切なデリバティブ契約と共に基盤となる資産自
 体を所有する事により達成出来よう。

 4.1.1.2 英国のスムーズ化し管理された有配当ファンドの投資政策は、英国のスムーズ
 化し管理された有配当ファンドの負債の性格を考慮しなくてはならず、また特に英国の
 スムーズ化し管理された有配当ファンドに投資した保険契約者の合理的な期待と共に彼
 等を公平に扱う義務とを考慮しなくてはならない。

 4.1.1.3 投資政策と実務は、流動性、リスク(対象物のリスクを含む)に関して継続する
 適合性と適切な収益とを確実にするために、取締役会により定期的に再検討される。

 4.1.1.4 スタンダード・ライフ社は、スタンダード・ライフ社グループにとって戦略的
 な重要性から、英国のスムーズ化し管理された有配当ファンドを通常は取引されない資
 産に投資することはない。

 4.1.1.5 契約のアセット・シェアーに帰属する投資収益は、されを支える資産のミック
 スへの投資収益が反映されよう。

 4.1.1.6 英国のスムーズ化し管理された有配当ファンドの資産をどの様に投資するかを
 時々に応じて決定するに当たり、スタンダード・ライフ社は、英国のスムーズ化し管理
 された有配当ファンドが他のファンドと比較して公平に扱われるのを確保するよう合理
 的な努力の全てを払うであろう。

 4.1.1.7 英国のスムーズ化し管理された有配当ファンドの資産をどの様に投資するかを
 時々に応じて決定するに当たり、英国のスムーズ化し管理された有配当ファンド以外の
 如何なる資産に依存することはない。

 4.1.1.8 上記の諸原則に従って、我々は、英国のスムーズ化し管理された有配当ファン
 ドの資産からの投資収益を最適化(optimise)するよう努める。
 4.1.2 現在の実務
 4.1.2.1 投資戦略

 英国のスムーズ化し管理された有配当ファンドは、英国及び海外の株式、債券、預金及 び不動産を含め、広範囲な資産に投資されよう。 この様な資産の種類への投資の一環と して、ファンド・マネジャーは投資の手段として、あらかじめ決められたガイドラインに 従って、デリバティブを使用しよう。
 スタンダード・ライフ社は、投資戦略を設定するに当たり、下記の要素を含め、多くの
要素を考慮に入れる。
  − リスクと予想した収益との間のバランス(一般的に、リスクが高ければ、予想さ
    れた収益も高くなる)
  − 広範囲の資産の種類に投資する目的、及び
  − 適切な流動性を維持する必要性。
 通常な状況下で我々は、資産のミックスに対する何等かの著しい変化を徐々に行うこと
を予想しよう。
 契約のアセット・シェアーを支える資産のミックス及び確定利息の投資資産のクレジッ
トの特質は、我々のウェブサイト:www.standardlife.co.uk/ppfmで発表されている。
 少なくとも年一回、我々は投資の基準とそれに伴う資産への成績目標を設定する。これ
らには、この中には、株式、不動産、債券と預金のような異なる投資カテゴリに投資した
資産の割合、及び適切な市場の指数と比較した投資パフォーマンスとを含む。カテゴリに
は、予測しない市場の状態を考慮に入れて、戦略をどの様に変更するかに関係する不測の
事態への計画が含まれよう。
 スタンダード・ライフ社の「資産及び負債委員会:Asset and Liability Committee」は、基
準とそれに付随する業績の目標を検討し、基準に対する業績を観察し、また投資の管理手
続きを監視する。取締役会に対し上席管理者は、これらの調査結果について取締役会に定
期的に報告する。
 取締役会は、制約条件と不測の事態への計画、基準及び付随する業績目標を正式に承認
する。
 スタンダード・ライフ投資会社の投資マネジャーは、これらの資産割合の基準にぴった
りついて行かねばならないけれど、その目標は、明確な限度内で裁量を行使して、投資業
績の目標を超えることである(節4.1.2.2を参照)。

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