スダチを植えてチョウを呼ぶ

7/30 1996

 アゲハ、モンキアゲハなどのアゲハ類(Papirio属)はいずれも飛翔力が強く、生息地域から遠く離れたところにも飛来します。また、都会でもちょっとした空き地や公園に植えられたカラタチやミカン類の木で幼虫がみつかることがあります。このミカンなどの柑橘類はおもなアゲハ類の幼虫が食べる植物で、専門用語ではアゲハの食樹と呼ばれています。
 先日、名古屋市在住のE.Sさんから届いたメールによると、自宅の柚の木にアゲハチョウが産卵し、現在息子さんと飼育中とのことです。
 そこで、今回は自宅の庭やベランダにミカン類(柑橘類)の木を植えてチョウを呼ぶ方法を紹介します。

食樹にスダチを選ぶ
 まず、食樹として何を植えたらよいでしょうか。庭に植えるという条件がありますから、木がコンパクトで大木にならず、栽培が容易な柑橘がよいでしょう。また、果実を食用に利用できれば一石二鳥です。徳島特産の「スダチはこの条件にぴったりの柑橘です。アゲハは柑橘類のなかでもとくにスダチを好みますから好都合です。
 花は徳島県の花に指定されています。5月中旬の満開の時期になると周囲に甘い香りを漂わせます。この花には、アゲハ(上の写真)、ミカドアゲハ(徳島県南部)などが吸蜜に訪れます。
 また、果実(下の写真)は8月下旬から9月下旬にかけて収穫し、その果汁の酸味や香りを利用します。一般に柑橘類は冬の寒さに弱く、関東以西の温暖な地域が栽培適地です。しかし、スダチは柑橘類のなかでは比較的寒さに強く、積雪や寒風の少ない場所を選べば東北地方南部まで栽培可能です。

スダチの植付け方法
 苗木の植付け時期は3月下旬から4月下旬です。6月の梅雨時期や9月にも可能ですが、植付け後の水やりを頻繁にする必要があります。
 植付けにあたっては日当たりのよい場所を選び、直径50cm深さ30cm程度の植え穴を掘り、掘り上げた土と腐葉土または完熟堆肥を2:1の割合に混入して深さ10cm程度まで埋め戻します。苗木は、根を放射状に広げて植え穴に置き、残った土で覆土します。このとき、苗木の接ぎ木部分が必ず土から出るような深さに植えてください。植付け後は地上部を40cmに切り戻して竹材などの支柱を立てて結束し風で揺れないようにします。
 植え付け直後にたっぷり水をやり、その後は土が乾かないように定期的に水をやってください。肥料は、5月から10月のあいだ1ヶ月に一回、油粕を100g程度やってください。アゲハはスダチのやわらかい新芽や新葉に産卵します。ですから、新芽がたくさん出るように多めに肥料をやるのがこつです。  ベランダなどで栽培する場合は鉢植えでもかまいません。地面に植付けるのと同じように土を準備し、尺鉢(10号鉢)以上の大きさの鉢に植えてください。鉢植えの場合は水やりを頻繁にやる必要があります。とくに夏の高温乾燥期には毎日やってください。

卵や幼虫をみつけたら

 運が良ければ、4月初めに植付けたると5月にはアゲハが飛来して産卵します。アゲハの卵や幼虫をみつけたら天敵の鳥やハチに襲われないように、木全体をカンレイシャや目の細かいネットで覆うと良いでしょう。


苗木の入手方法

 園芸雑誌などに種苗会社や苗木屋さんの広告が載っていますから、問い合わせてみてください。苗木が手に入らない場合は、ユズやミカンなどの柑橘類で代用してもよいと思います。どうしてもスダチの苗木が欲しい方はHomePageのE-mail addressまで問い合わせください。


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