徳島版レッドデータブック 2
第2回 チャマダラセセリ(希少種)
古くからの農業が生息環境を守ってきたチョウ
徳島県内のチャマダラセセリの生息地は、標高800mほどの放牧地で、春から秋にかけて地元の畜産農家が牛を放牧している。
今年の春に久しぶりに訪れると以前に比べて牛の数がめっきり少なくっており、放牧地の半分以上が背の高いススキに覆われてしまっていた。案の定、チャマダラセセリの姿を見ることはできなかった。チャマダラセセリは明るい草原の周辺部や草原の道路沿いに生息しているため、全面ススキ原になってしまうと住む場所を失ってしまうようである。
四国におけるこのチョウの生息地は管理の行き届いた放牧地や採草地あるいはクリ園のような明るい林地の周辺部である。いずれも、人間の生活や農業生産に密接に関連した環境であるが、近年は畜産物や果実の輸入自由化などによってしだいに減少している。
絶滅が心配される蝶の中にはルーミスシジミのように人間によって自然が失われていくことによって減少していくチョウもあれば、このチャマダラセセリのように農業生産や人間の生活が生息環境を守ってきたチョウもある。
現在、環境庁のレッドデータブックでは希少種に指定されているが、徳島県内に限っていえば絶滅危惧種とみなさざるを得ない。
次回はクロツバメシジミの予定
引用文献
1.「滅びゆく日本の昆虫50種」1993
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