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第2章 水車等の水力設備

発電所の出力は、理論的には次の式で表される。
 理論水力=9.8×毎秒使用する水量(m3/s)×有効落差(m)
 (kW)(有効落差:取水位−放水路水位−鉄管等での損失)
 

 ここから水車や発電機の損失分を差し引くと、実際に発生する電力になる。
水力発電の総合効率は、80〜90%程度あり、火力発電に比べざっと2倍にもなる。
 

 どのくらいの数値になるか試算してみよう。
   使用水量=50m3/s(河川の流れとしては、中程度)
   有効落差=80m(中程度のダムに相当)
   この場合の理論水力=9.8×50×80
                =39,200kW
   総合効率を考慮すると33,000kW程度になる。
 

 計算式から分かるように、水量と落差を多く得ることが、そのまま発生電力の増加に通じる。
 このうち、落差を得るためにダムを設置すればダム式、落差を得られる地点まで水路を敷設する方式を水路式の発電所という。水路式でも、ダムを設置して集水する場合が一般的であるが、この場合は、ダム水路式となる。
 

 以下、順に各水力設備について説明する。

     

  1. ダム及び取水設備
     ダムの種類を材料によって分類すると、次のようになる。
    • コンクリートダム
    • ロックフィルダム:岩石を積み上げて築く
    • アースダム   :土主体で造られたダム
    • ゴムダム    :ゴムを膨らませた形状
    •   :
     

     このうち、コンクリートダムは、構造により更に分類される。

    • 重力ダム   :貯水した水の圧をコンクリートの重量で支えるもの
    • バットレスダム:貯水した水の重量を利用してダムの安定を図るもの
    • アーチダム  :貯水した水の圧を両岸の岩盤に伝えて支えるもの
     

     発電用ダムには用途から見て、発電専用と多目的(洪水調節や水道用との併用)があるが、放流ゲート、排砂ゲートの他に取水ゲートが設置される。
     この内、取水口に設置した取水ゲートは、ここから発電所までの水路を点検するような時以外は、常に開いた状態にある。
     

  2. 導水路及び水圧鉄管
     取水口からは、導水路、サージタンク、鉄管弁、水圧鉄管を経て水車に至る。
     

    1. )導水路
       取水地点からサージタンクまで、導水路により水を導く。この間に水を流すためには、ある程度の勾配が必要になるが、ここで失われた落差は、発電には利用されないことになる。
       従って、勾配は必要最小限に抑えるが、通常は1/500〜1/1500程度であり、この間の流速は、2m/s程度である。
       形状としては、いくつかあるが、トンネル形式が一般的である。
      • 開渠(かいきょ):上面開放の簡単な方式であるが、蓋を被せたものも含む。
      • 暗渠(あんきょ):開渠を施工後に、土中に埋め戻した形状である。
      • 隧道(トンネル):中が水で充満し壁面に水圧が掛かった圧力隧道と、上部に空気を残した無圧隧道がある。
       

    2. )サージタンク(調圧水槽)
       水車を起動・停止した際には水路を流れる水量が増減し、その結果として、隧道や水圧鉄管の内面に水撃圧が生じる。この水撃圧を逃がすために設置されるのが、大きな筒形状のサージタンクである。
       

    3. )鉄管弁
       取水口ゲートと同様に、発電所運転中は常に開いた状態で使用される。閉じられるのは、数年に一回の水圧鉄管内部点検の際や、万一、水圧鉄管から漏水があった場合である。
       このため、入口弁とは異なり、鉄管弁用のバイパス弁は、常時閉じた状態で使用される。緊急の際には、鉄管弁を閉じれば水流を止められるようにである。
       因みに、鉄管内部点検終了後に充水する際は、バイパス弁から導水し、鉄管内に水が満たされた後に鉄管弁を開き、バイパス弁を閉じておく。
       

    4. )水圧鉄管
       水圧鉄管は、水車本体と同様に、落差による水圧を直接受ける。
       従って、10〜20mmの厚さの鉄板が用いられ、中には、数十mmの鉄板が使用される場合もある。更に、リングガーダと呼ばれる補強環を数メートル毎に設ける。
     

  3. 水 車
     水車発電機を水車と発電機に分けた場合には、
    • 回転する羽根車であるランナー
    • ランナーを納めるカバーやケーシング等の固定部分
    • 調速機等の制御装置及び補助機械装置
    • 入口弁やドラフトチューブ等の通水経路
     これらを総称して水車と呼ぶ。しかし、狭い意味では、ランナーとこれを納める部分の、いわゆる水車周り部分に限定して水車と呼ぶ場合もある。
     

    1. ) ランナー(羽根車)
       流水を直接受けて、重力エネルギーを回転エネルギーに変換する装置。水車軸に直結されており、中間軸を介して発電機軸に接続され、発電機の回転子を駆動する。
       流水の圧力エネルギーを変換する反動水車と、同じく速度エネルギーを変換する衝動水車とがある。
       実用的な水車としては、反動水車には、フランシス型プロペラ型、及び斜流型があり、衝動水車には、ペルトン型クロスフロー型がある。
       ペルトン水車は、高落差に適しており、200m以上で採用される例が多い。落差100m以下の例は少なく、逆に、300m以上の場合には、ペルトン水車にほぼ限られる。ただし、揚水発電では、高落差であってもフランシス型ポンプ水車が使用される。
       プロペラ水車は、大流量に適しており、10m3/s程度以上の場合が多い。高落差では採用されず、100m程度が限界となる。
       フランシス水車は、その中間的な場合に採用される。しかし、適用範囲が広く、落差20〜300m、流量1m3/s程度以上で広く採用される。
       

    2. ) ケーシング周り
       衝動水車は、羽根の表に水流を受ける構造のため大気中に羽根(バケット)があるが、一方、反動水車では、羽根(ランナー)は上下のカバーに挟まれ、ケーシングドラフトチューブにふさがれた形で水流中に密閉されて回転する。ランナーを納めたこれらの機器を含め、総称してケーシング周りという。

       

    3. ) 制御装置及び補助機械装置  水車の運転制御(出力や回転数制御)は、水車ランナーに流れ込む水量を調節して行う。水車の回転速度を監視し、ガイドベーンの開度調節を行う装置がガバナ(調速機)である。
       ガバナは、水車起動時には必要な開度までガイドベーンを開き、停止時には閉じる指令を出す。運転中は、必要な出力を得るために水量を調節したり、水車回転数の変動を抑えて一定の速度で運転する等、水車の自動運転の要となる装置である。
       水車の起動、停止及び速度の調整等は、入口弁やガイドベーンを開閉することにより行う。この操作は水圧に逆らって行うために、大きな力を必要とする。落差100mによる水圧は、10kgf/cm2に相当する。
       そこで、高圧の油の力を用いて操作する。このために使用されるのが圧油装置で、圧油ポンプ圧油槽で構成される。
       使用される圧は、15〜20kgf/cm2が多く150〜200mの水深での水圧に相当する。
       この圧油の流れを制御する装置のことを電磁弁という。電気信号による電磁力でシリンダ内のピストンをを動かし、圧油の流れをON-OFF し、あるいは、流れる方向を逆転させる。

       水圧鉄管の水は、水車を回すだけではなく、発電機や軸受の冷却にも使用される。小規模な発電機では空冷化され、冷却水を使用しない例もある。
       使用する水は、ドラフトから給水ポンプを使うか、又は水圧鉄管からポンプなしで取り出す。どちらの場合でも、ストレーナで塵芥を除去し、上水槽に貯留してから使用するのが一般的である。
       

    4. ) 通水経路の設備
       通水経路の設備のうち、入口弁ドラフトは、設計・製作や保守に於いて水車本体と共に機械設備として扱われる。
        入口弁は、通常、ガイドベーンが閉じた状態で開閉される。入口弁の形式として多く採用される蝶形弁(バタフライ・バルブ)は、操作に要する力が小さくて済み、構造も簡単で安価である。
       ただし、かなりの高落差になると全閉時の漏水が問題になるため、仕切弁(スルース・バルブ)やロータリー・バルブが採用される。近年では、漏水が少なく、蝶形弁の長所を併せ持った複葉蝶形弁も採用される。
       フランシス水車を始めとする反動水車は、ランナー羽根の入口と出口の圧力差によりランナーが回転する。羽根の入口側はケーシングにより水に満たされているが、出口側が空気中では損失が著しく大きくなる。このため、出口側にはドラフトを設置して水で満たすと共に、ドラフト出口を緩やかに広げることにより、ドラフト本体での損失も少なくしている。
       ドラフトには、落差を有効利用する働きもある。
     

  4. 放水路
     水車を通った水は、放水路を経て河川に放出される。放水路にはゲートを設置し、水車点検の際には閉じて、河川からの逆流を防ぐ。
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反動水車
 

反動水車は、羽根全体が水中にあり、羽根の表と裏の圧力差により回転する。
  

  

  

  

  



衝動水車
 

衝動水車は、羽根の表に受けた水の衝撃により回転する。
  

  

  

  

  



フランシス水車
 


フランシス水車のランナー
 

フランシス水車は、羽根1枚1枚がランナー背面(クラウン)と側面のバンド(シュラルド)でつながり、ランナーの横方向から流れ込んだ水が、縦方向に向きを変えて流れ出る。
原理的に大出力から小出力、高落差から低落差まで幅広い河川に対応でき使用実績が最も多い。
羽根の枚数は、13〜20枚程度である。
  

  



プロペラ水車
 


カプラン水車のランナー
 

プロペラ水車は、文字通りプロペラの形で数枚の羽根が軸につながり、ランナー周辺を接続するリングはなく、水流は流入から流出まで軸方向のままである。
この型式の中で、流量や落差の変動に合わせて羽根の角度を変え、効率を良くしたものを特にカプラン水車という。
プロペラ又はカプラン水車には、チューブラ型(円筒形)やバルブ型という変形がある。
  

  



斜流水車
 

斜流水車は、フランシスとプロペラの中間的な姿をしている。羽根は、クラウンだけでつながり、斜めに流入した水が軸方向に流出する。
カプラン水車と同様に可動羽根としたものを、デリア水車と呼ぶ。
  

  

  

  

  



ペルトン水車
 

ペルトン水車は、ノズルから噴出する流水をお椀形のバケットに当てる方式で、風速計をイメージすると分かりやすい。
  

  

  

  

  



クロスフロー水車
 

クロスフロー水車は、おとぎ話の水車小屋にある水車(みずぐるま)をイメージするとよい。放射状に並べた多数の板を、2枚の円盤で挟み込んだ形状をしている。
商業ベースの本格的な水車発電機に採用される例は少ない。
  

  

  

  

  



運転シーケンス
 

水力発電所で運転シーケンスといえば、水車発電機(補助機械を含む)を自動運転する回路のことで、コンピュータでいえば、プログラムに相当する。
その運転回路をシンボル(記号)で順序よく記述した配線図のことをシーケンス図というが、省略して、単にシーケンスという。
  

  

  

  

  



油管系統図
 

多くの水力発電所では、水車や発電機等の大きな機械設備を操作する力として、圧油(空気の力により高圧の状態を維持している流動性の油)を用いる。
この圧油が、圧油ポンプから各操作機構までどのように配管で結ばれ、どの配管路を通って圧油が流れ、どの設備を動かすのかを記述した配管系統図を油管系統図という。
  

  

  

  

  



単線結線図(単結、単線接続図)
 

シーケンスが水車発電機の運転回路であれば、単結は、発生した電力の流れを示す回路図といえる。
発電機から変圧器を通り、送電線に至る回路、水車発電機運転に必要な補助機械設備への電源回路。これらの概略を一枚の紙面で分かるように記述した回路図を、単線結線図という。
  

  

  

  



水管系統図
 

水力発電所では、水車を動かす大きな水流の他に、発電機冷却用の水や、避けられない漏水を排水するポンプ等の多くの配管が設備されている。これらの水配管を一枚の図面に記述したものを、水管系統図という。
  

  

  

  

  



ダム
 

川をせき止め、貯水池を作ることにより落差を得る。構成する材料により、コンクリートダム、アースダム、ロックフィルダム、ゴムダム等がある。
コンクリートダムは、構造により、重力ダム、バットレスダム、アーチダムに分けられる。
  

  

  

  

  



サージタンク(調圧水槽)
 

圧力隧道と水圧鉄管の接続位置に設置する水槽。水車を通る水量の急変によって生じる水撃力から、圧力隧道や水圧鉄管を保護する。
  

  

  

  

  



取水口
 

河川やダムから水路に水を取り込む設備。水のエネルギー損失を少なくする構造をしており、異物の流入を防止するためのスクリーンや、水の流入を止めるためのゲート等が付属する。
  

  

  

  

  



隧道(トンネル)
 

取水口からサージタンクまで水を導く設備で、導水路の中でも多く見られる形式が隧道である。
水路の勾配は、1/500〜1/1500程度である。
導水路には、他にも上面が開放された開渠や、埋戻された暗渠がある。
  

  

  

  

  



鉄管弁
 

サージタンクから水圧鉄管の間に設置され、水圧鉄管内部の点検時や、水圧鉄管の異常時に閉じる。
  

  

  

  

  



水圧鉄管(ペンストック)
 

サージタンクから水車まで水を導く設備を、水圧管という。
水車を通る水量の急変によって生じる水撃力が直接かかるため、軟鋼製が殆どであり、このため、水圧鉄管と呼んでいるが、コンクリート製やFRP製のものもある。
  

  

  

  

  



入口弁
 

ケーシングの手前にある弁(バルブ)で、水車への水流を開閉する。
水車の運転前にこれを開き、停止後に閉じる。
安価なため、主にバタフライバルブ(蝶形弁:略してバッタ)が用いられる。蝶形弁を改良し、漏水が少ない構造とした複葉蝶形弁もある。
  

  

  

  

  



バイパス弁(側路弁)
 

入口弁を補助する役割を果たす。
まずこの弁を開き、ケーシングが充水されて入口弁の両側(水圧鉄管側とケーシング側)の水圧が等しくなった後に入口弁を開く。停止時は逆に入口弁閉鎖後にこの弁を閉じる。
  

  

  

  

  



ケーシング
 

ランナーを取り囲むように設置される渦巻き状の管で、ステイベーン、ガイドベーンを経てランナーに水流を注入する。
一般的に、上(発電機側)から見て右回りに水流が流れるように形造られ、カタツムリ形状をしている。
  

  

  

  

  



ガイドベーン(案内羽根)
 

水車に流入する水量を調節し、回転数や出力を変化させる。
全部で20枚前後のガイドベーンは、リンク機構によりガイドリングに接続され、ガイドリングを回転させることにより、一斉に開閉される。
  

  

  

  

  



ランナー
 

流水を直接受けて、重力エネルギーを回転エネルギーに変換する羽根車。
水車軸と中間軸を介して発電機軸に接続され、発電機の回転子を駆動する。羽根の枚数は、13〜20枚程度である。
  

  

  

  

  



上カバー
 

固定されているケーシングと、回転するランナーにまたがり、ギャップ(隙間)から水流を噴出しないように上下から覆っているカバー。この内、ランナー上部(発電機側)にあるのが上カバー。
特に、水車軸の円周に沿って出水しやすいため、主軸封水装置を設ける。
  

  

  

  

  



下カバー
 

固定されているケーシングと、回転するランナーにまたがり、ギャップ(隙間)から水流を噴出しないように上下から覆っているカバー。この内、ランナー下部(ドラフト側)にあるのが下カバー。
  

  

  

  

  



ドラフトチューブ(吸い出し管、または単にドラフト)
 

ランナーの出口から河川等の放水面までの接続管。狭義では、その一部の鋼板製の部分を指す場合もある。
鉄管と放水面の途中の任意の高さにランナーを設置するためと、ランナー出口の水流のエネルギー損失を少なくするという、二つの機能を持つ。
  

  

  

  

  



放水路
 

ドラフトから放水された水流を、河川等に導く水路。
  

 

 

 

 



放水路ゲート
 

水車内部(ランナーやドラフト)を点検する際に、ドラフト内に河川水の浸入を防ぐために閉じる。
 

 

 

 

 



回転計
 

水車発電機の回転数を検知するための装置で、小型発電機を使用する方式や、磁気や光の反射数を直接カウントする方式がある。
 

 

 

 

 



励磁機(エキサイター、EX)
 

発電機の回転子に界磁電流を供給する。これ自体が小さな発電機であるブラシレス型や、別置きの静止型がある。
とちらも発電機の回転子に直流電流を供給する。
 

 

 

 

 



上部案内軸受(上部ガイドベアリング)
 

軸を周りから押さえて、ぶれを防ぐ。
潤滑油槽の中に浸されている。
 

 

 

 

 



推力軸受(スラストベアリング)
 

水車ランナーと発電機回転子の全重量の他に、水流による重量(推力)を合わせた重量は、スラスト軸受けを載せた上部ブラケットを介して、床で支えられる。
一般的に、上部案内軸受と一体の油槽に浸され、潤滑油は、蛇管(冷却水を通す細管)により冷却される。
軸受は通常、発電機上部、スラスト、発電機下部、水車の4ヵ所に設けられる。
軸受の材料には、これまで殆どホワイトメタル(銅とスズ主体の合金)が使用されたため、軸受をメタルと呼ぶ場合もある。
 

 

 

 

 



ローター(回転子)
 

発電機の主要部分で、中間軸を介して水車に直結され、水車と一体で回転する部分。
鉄芯にはコイルが巻かれ、直流電流(界磁電流)を流すことにより、大きな電磁石になる。この界磁電流を増減することにより、発電機電圧や力率を調整できる。
 

 

 

 

 



ブレーキ
 

水車発電機を停止させるための装置。
ブレーキは、下部ブラケットで支えられ、油圧ジャッキの原理で回転子を持ち上げる形で働く。
ガイドベーンと入口弁が閉じられ、水流が途絶えた後、自然に回転速度がある程度低下してから(定格回転の30%程度)、ブレーキをかける。
長期停止の間に、スラストベアリング摺動面の油膜が途切れて貼り付く場合があり、運転を再開する前に行うジャッキアップ用にも使用される。
 

 

 

 

 



下部案内軸受(下部ガイドベアリング)
 

軸を周りから押さえて、ぶれを防ぐ。
潤滑油槽の中に浸されている。
 

 

 

 

 



中間軸
 

水車軸と発電機軸を接続する軸。
この軸を取り外すことにより、発電機を分解せずに水車を吊り出して点検や修繕ができる。
 

 

 

 

 



水車軸受
 

軸を周りから押さえて、ぶれを防ぐ。
潤滑油槽の中に浸されている。
 

 

 

 

 



ステーター(固定子)m
 

発電機の主要部分であり、中で電磁石になった回転子が回転することにより、固定子鉄芯に巻かれたコイル(巻線)に電圧が発生する。
コイルに負荷をかける(送電線に接続することにより、電気を消費すること)と電流が流れる。
 

 

 

 

 



圧油槽(圧油タンク、圧油チャンバー)
十数kgf/cuという高圧力の油を貯留する槽。
槽内の油は、圧油ポンプにより断続的に加圧され、ガイドベーンや入口弁、ブレーキ等の水車発電機操作に使用されるため、操作油と呼ばれる。
高圧の油の管理が大変なため、操作油を使わずに電磁力で操作をする電動操作方式が、中小容量の水車発電機に採用される例もある。
 

 

 

 

 



圧油ポンプ
 

操作油に高圧をかけ、圧油槽に貯留するためのポンプ。
 

 

 

 

 



電磁弁(ソレノイドバルブ、略してソレノイド)
小さな力(電磁力)でピストンを操作し、入口弁やブレーキの操作等の大きな力(油圧)を動作させるための、電磁力−油圧変換装置。
圧油の流れをON-OFFし、あるいは流れる方向を制御する。
 

 

 

 

 



ガバナ(調速機)
 

水車回転数を一定に保ったり、発電機出力を増減するために、ガイドベーン開度を演算し、調節する装置をガバナという。
演算に必要な入力は、発電機周波数と発電機出力命令値であり、出力は電磁力に変換され、配圧弁を介してガイドベーン用のサーボモータを操作する。
 

 

 

 

 



配圧弁
 

電磁弁で制御される圧油の量はまだわずかであるが、その圧油で、更に配圧弁のピストンを操作して大量の圧油の流れを作り、入口弁やブレーキ操作の大きな力を生じさせる。
 

 

 

 

 



サーボモータ
 

圧油系統の中で、電磁弁−配圧弁−サーボモータと流れ、入口弁やガイドベーンを直接制御する位置に来る装置で、ピストンとシリンダーで構成される。
 

 

 

 

 



上水槽
 

発電機の固定子コイルや軸受潤滑油の冷却水等に使用される水を貯留する槽で、発電所屋外の高い位置に設置される例が多い。
上水槽への給水は、ドラフトからポンプで給水される場合と、直接鉄管の圧力水で給水される場合とがある。
 

 

 

 

 



ストレーナ
 

発電機固定子や軸受けを冷却する水から塵芥を除去するための装置。
 

 

 

 

 



給水ポンプ
 

上水槽への給水をドラフトから行う場合に使用するポンプ。
 

 

 

 

 



発電機クーラー
 

固定子コイルには大電流(負荷電流)が流れるため、大きな熱が発生する。
コイルの温度を上げないように、冷却水を使用した水冷式クーラーが一般的に使用される。
 

 

 

 

 



排水ポンプ
 

水車周辺からの漏水や建屋壁面からの漏水を排水ピットに溜め、河川に放流するためのポンプ。
 

 

 

 

 



排水ピット(排水槽)
 

水車周辺からの漏水や建屋壁面からの漏水が、一旦溜まる槽を排水ピットといい、ここから排水ポンプにより河川に放流される。
 

 

 

 

 



ステイベーン
 

ケーシングの補強と、ケーシングからランナーへの流水方向を整えるために設けた羽根。a
中小容量機ではケーシングと一体の場合が多いが、大容量機では分離して設けられ、羽根の上下をリングで接続した形状のため、このリングをスピードリングと呼ぶ。
 

 

 

 

 



7つの必携図書(図面や文書)
 

7つの必携図書とは、
  1 単線結線図(単結)
  2 運転シーケンス(展開接続図)
  3 油管系統図
  4 水管系統図
  5 水車組立断面図
  6 発電機断面図
  7 発電所機器配置図
これらは、発電所を運転している、いわば発電のプロが持っている図面類で、マニュアルというよりは、よりどころとなるバイブルといった位置づけにある。
 

 

 

 

 



水車組立断面図
水車には、高圧で大量の水が流れ、構造も複雑である。構成部品の形状や大きさは、個々の発電所により全て異なっているといっても過言ではない。
しかし、基本構造は殆ど共通であり、個々の部品を組み立てた状態での断面図を見れば、その水車の概要をつかめる。
 

 

 

 

 



発電機断面図
 

水車と共に「主機」を構成する発電機についても、断面図を見るのが構造を知る一番の近道となる。
 

 

 

 

 



発電所機器配置図
 

水力発電所には、水車や発電機の他にも多くの機械装置があり、しかも、発電所自体も複数階の建物になっている場合が多い。
このため、どの階にどのような機器が配置されているかを知ることが、その発電所を理解する第一歩になる。
 

 

 

 

 

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