ATK山岳会

メンバー 左より(安部、川瀬、谷口)西沢渓谷 東沢にて

 
グランドティートン(川瀬和明) 

槍ヶ岳(川瀬和明)

会津駒ヶ岳(川瀬和明)

鷹ノ巣山(川瀬和明)

甲斐駒ヶ岳(川瀬和明)





             屏 風 岩(穂高岳)

屏風岩登攀     20011075時横尾発 夕方650分帰着 横尾山荘          

メンバー、ツェルマットの桑原さん、ヒロちゃん、
川瀬 客の谷口君(自衛隊パイロット)高橋君、福島さん

4時半起床、5時発、ヘッドライトをつけて歩き出す。横尾の橋を渡る。右に大岩のあるところ(ちょっと手前の左側の石に丸の赤ペンキ)で横尾谷を渡る。反対側の第一ルンゼの押し出し(ガラ沢)を登る。 一時間20分ほどでT4尾根の取り付きに出る、先行パーティーが既に三組いる。

目の前は完全な岩壁、すでに登っている結構厳しそう、右のクラック沿いに登る。桑原さんが先に上りながら色々解説する。1ピッチ30mで岩棚となる,やはり十分4級ある。高度感も十分,アプローチでこうなら本物の雲稜ルートは一体どんな意厳しいのか?

セルフビレイをとるが、アルパインスタイルのとり方はいつもの幕岩式とは違う、もっと効率的である。2ピッチ目も登る、桑原さんのいると所に着くと、そのまま上に行くように言われる。要は、岩場は終わって潅木帯を登る。ロープを外して上に行くとT4につく。

目の前に圧倒的に屏風岩の大岩壁が上,,左と立ちふさがる。正直これは凄い、ただ桑原さんとヒロちゃんの後をついていくしかない。一部の荷をデポして、水を飲み、荷を軽くして登りだす。下の岩場より一段と急(垂直近く)で難しい。5凹角を登りだす、上に行くほど急になり難しくなる、途中一ケ所A0(ヌンチャクを掛けて待つ)で登る。言い訳をすると腕が疲れてきてもっと上で腕がパンプしないように大事、と安全をとる事にした。

ビレイポイントで待っていると、突如大きな音で「ブーン」と言う空気を切り裂く音がした、首が思わずすくむ。はっと見ると石が落ちていく、落石だ!その後も幾つか小さいやつが続く、「バーティカルリミット」の世界そのままだ。当たれば即死だ。

その上の4ピッチ目は更に難しい。真っ直ぐ上に登っていくと行き詰まってしまう、谷口さん(3ピッチ終了点でビレイ中)が「川瀬さん上じゃないですよ、右に行くんですよ、ピナクルに向かって」と教えてくれたので助かる。そこまで行くと左上に向かう段がありこれを左上すると扇岩テラスに出る。

後ろ側(外)大岩の塀があり全く安心していられる。小さいながらも確かに屏風岩のオアシスだ。ここからいよいよアブミを使う人工登攀だ。

5ピッチ目、ボルトを見上げると僅か1−2mmの細引きがリング代わりについている、ウッソー、切れちゃうよ、でもこれにアブミを掛けながら上る。確かに桑原さんがリードで登り、谷口さんが次に登り、私がその次でした。慣れてくるとアブミの架け替えは何とかできて上のビレイポイントに着いたが、その間の恐怖心は大変なものであった。

ビレイポイントも完全に壁の途中で休める場所ではなく。何故かこの後、自分の順番は最後となり、その間良く回りの大絶壁の景色を観賞することが出来ました。真下の横尾本谷まで数百m、なにも無し、でも岩壁の紅葉の美しさはなんとも言えないものがある。下の方は黄葉だ。

その次の6ピッチ目は出だしのすぐ上がもろいフレークだ、特に左側。桑原さんはそのフレークに乗っていく、でも大丈夫だった。58歳の福島さんはモロにフレーク側に体重を乗せて登ったので、フレークが「少し揺れた」、オッカネー、まさか剥がれないだろうと思っていたが、サー自分の番だ、なるべく右側を登るが(まだアブミです)どうしてもフレークに手足を掛けなければいけない。でも無事突破した。

そこからスリル万点のトラバースであるがそう難しいとは思わなかった(福島さんはかなり苦戦したようだが)。そして東壁ルンゼにでるがそこは、土、草つきが最初の数
mあり、気が休まる。7ピッチ目東壁ルンゼの最初から中くらいは割と美味く登れたが、上の方で水が流れ濡れていたのでアブミを使う。その上でビレイポイント。

そして最後のピッチを上ると全員が待っていて、ここが終点です。そこから上は緩いルンゼとなり20mくらいでブッシュの
中に消えて行った。
ここから下りだが延々と続く懸垂下降でスリル超万点。

9mm50mロープダブルで降りる。降りだしは、ペッピリ腰だが慣れてくるとまるで映画のごとくかなりのスピードでシューと滑り降りる。十二分に、堪能した。エイト管は触れないくらいに摩擦熱で熱くなった。

T4尾根取り付きについたのが5時半くらいになった。横尾着は650分、当然もう真っ暗であった。でもヘッドライトは使わなかった。福島さんの奥さんが橋の手前で懐中電池をつけて待っていた。横尾山荘の風呂が最高であった。


                      赤岳西壁(川瀬)
 
2002年3月9日〜10日    (メンバー)安部英治、川瀬和明   

 美濃戸の終了点間際の赤岳山荘の駐車場に安部さんの車を置く。雪道を約2時間で赤岳鉱泉着、横岳西壁が目の前に広がって素晴らしい、大同心大滝と思われる氷柱が見える。寝るとこは大部屋であるがトイレから遠いので助かる。前にガイド登山で主稜に来た時は部屋が個室だったがトイレの傍で有毒ガスにやられて鼻がひん曲がりそうであった。 尚2食付きで7700円だった。 夕食6時、のんびりしていると後100人が食事するとの事、宿泊者200人。

朝食朝5時半、7時出発。 天気快晴、気温はこの頃としては少々暖か目。厚手の長袖下着、厚毛のカッターシャツ、薄でのフリース、ゴアのヤッケでちょうど良かった。行者小屋まで約30分、ここでハーネス、アイゼン、目出帽を着ける。日焼け止めクリームも塗る。クライミングギア―もここか少なくとも文三郎道でつけるべきであった。 安部さんは、既につけていた。

文三郎道の途中から風が強くなり冬山の雰囲気、無風ののんびりムードからはオサラバだ。足が重い、去年の12月以来始めての登山なのですっかり体が鈍っている。 安部さんは御正体、毛無山と登っている。自分はスキーだけ、強風の中、主稜(西壁)へのトラバースポイント着、沢を横切ってチョックストンの岩場のすぐ下で用意する、安部さんにビレイ用にヌンチャクを借りる、出しておかなかったのが失敗だった、安部さんに感謝。雪のシャワーが絶え間なく上のルンゼから落ちてきて、ザックの中に雪が入ってしまう。急ごう、胸のテープスリングにクライミングギア―を掛ける、これは屏風岩を登った時に覚えた。

9時発、前は最初の岩場がもっとショッパカッタ気がしたが、思ったより簡単であった。多分雪の量が、今回の方が多かったので、岩場の下のほうが埋まっていたのではないか? そのままルンゼを登り15mくらいでピッチを切って確保に入る。テープスリングを2重にして岩角に掛けてビレイを取る。ATCにロープが入らないので大変苦労した。 またロープを引こうとしてもATCが滑らないので全然使い物にならない、結局外してボデービレイを取る事にした。安部さんに上ってもらう。上でロープを操作している間、とにかく風が強い。

次の岩場は優しい岩と雪のミックス、しかしロープが滅多やたら重い、防水加工済みだよね,,9ミリか、10ミリのロープが良かったかも、、岩混じりの雪の稜線から急雪壁になる、コンテで行く、雪壁最後の岩場で前のパーティーに追いつく、2人いた。ここで強風の中、20〜30分待たされる。安部さんは大変寒かったそうだ。前のパーティーを追い越したい誘惑に駆られるが待った。この先核心部であるが余り前の記憶が無い。 

目の前の簡単な岩場を越して、目の前の壁をトラバース気味に右上に登っていく。ここでロープの長さを30Mに短くしたが、これがこのあとの事故直前の事態になろうとは考えもしなかった。 右上方に”らしき”ルンゼが有ったがビレイ用のピンが見当たらない。その数メートル左にロックピトンが有ったのでこれでビレイを取る。 

ほぼ30M近く伸びたはずだ、ここでピッチを切っていれば良かったのであるが、しなかったので大失敗となる。先ほどのルンゼを登り出す、雪と氷と岩のミックスで結構、急でしょっぱい、あと1〜2mで上に抜けるとこになったらロープが伸びない ! 引っ張っても駄目 ! 降りるにも降りれないとこまで上がっている。ロープを伸ばしてもらうより他無い。安部さんに声を掛けるが通じない。そのうち、手がパンプしてくる。 

必死になって大声でロープ、ロープとだけ叫ぶ、どうやら分ってくれて伸ばしてくれたようだが、やはり引けない。突如足がすべり、体が後方に落ちた、駄目だ、と思った瞬間、上に打ち込んであったピッケルのバンドがピンと張って体が止まった。 神様仏様の世界でした。その苦しい体制のまま、伸びないロープを左手だけで必死になって1mほど引いてから何とかルンゼの上に出る事が出来た。

 そこは雪と岩の傾斜が落ちた尾根状だった。正直全精力体力を使いはたした。 一旦そのまま休んでから5〜6m上の岩角でビレイをしたが、そこまでロープが重く、まるで100Kgもの重さの荷を運んでいるような感じだ。 やはり途中で岩角あたりに引っかかっているに違いない。ビレイ地点からロープを引くのがこれまた重くて大変、番場馬レースの気持ち、腕がもう効かないので腰で引く。

 さぞかし安部さんは、何をやっているのかな?と思ったはず。大分たってから安部さんがルンゼから頭を出した時にはホッした。 もうこれ以上ロープを引かないで良いと言う気持ち。風は益々強くなるし、雪片が飛んでくるし、まー、とにかく必死。安部さんが良くここをリードしたね、と言ってくれたので、少しホッとした。

 あとからのパーティーが追いついてきて、細めのロープスリングを使って、小さな岩角を利用してのビレイのやり方は大変参考になった。後で調べたがガースナーヒッチというやり方。優しい斜面をしばらく登っていくと優しい小さな岩場(ルンゼ状)があり、これを抜けた少し上でビレイ。安部さんには、このあと続けてトップを変わって登ってもらう。それから先は、斜面も緩く優しくなるのでザイルを解く。

 程なく頂上に出る。午後1時であった。後続のパーティーは何時の間にか先に行ってもう見えない。景色最高、富士山が余りにも大きく見えたので感激。阿弥陀が真っ白、権現も真っ白。富士見スキー場も見える。記念写真、簡単な昼食、所(小)用、南峰訪問後、地蔵尾根目指して下る。くだりは早い、風は相変わらず強い、時々体を飛ばされる。

地蔵尾根の下りは、視界不良時注意が必要、踏み跡が雪に埋まっている時などは特に。稜線から下って100mくらいで右に下りていく、真っ直ぐ行ってはいけない。右に下りて100mくらいで、今度は左方に降りていく。そのあとは間違えない。程なく行者小屋のすぐ傍に出る。赤岳鉱泉で食べたラーメンがメチャ美味しかった。ここで余分な装備はザックにしまう。一路美濃戸の駐車場まで。ここに安部さんの車が在る事に本当に感謝 ! 美濃戸口でなくて良かった! 行者小屋〜赤岳鉱泉20分赤岳鉱泉〜美濃戸55分。

 フレンズを持ってきたが全く使用せず、使うとしたら核心部でスタックしたとこだが、その時は、全く思いつかなかった。またロープを一杯伸ばしてはいけないという事が身にしみて感じた。自分達で来たので大変充実した山行だった。反省点、勉強する点も、たくさんあった。 (川瀬記述)


トップに戻る  追加一覧に戻る  検索一覧に戻る