滝郷沢(寄)

                     丹沢 寄川水系 滝郷沢 白骨死体発見顛末記

2002年8月25日(日)
友人の谷口君を誘って、寄川の滝郷沢へ、沢登りに出かけた。東名大井松田IC下車して、厚木方面に戻り、寄方面に向かう。寄大橋手前のトイレの前に、車を置き、寄キャンプ場のゲートの脇を抜け、しばらく広い林道を進み、寄川を渡り、滝郷沢の入口に立つ。ここで、沢登りの身支度(ヘルメット、ハーネスを装着して、渓流シューズを履く)をする。

この沢は、初めから、立派な滝が有り、F-1(滝郷滝)17mであり、直登は無理で、ルート図を見ると、高巻と、書いてあったが、滝のすぐ右側を登っていった。あまり、登った形跡が無く、足元があまり安定していなく、鹿の足跡が、わずかに有る程度であった。きつい斜面を、木の根などを掴みつつ滝(F−1)の上に出た。

そこから、沢へ下りるが、わずかに下りた形跡が有る程度で、足元がいまいち、安定していなく慎重に下りる。ちょうど、滝の真上に出たらしく、滝を見下ろすのも、なかなか迫力のあるものである。沢の真ん中を忠実に、登っていく。すぐに、キャンプ場の水源となっている。木の橋が架かっており、それをくぐり抜け少し回り込んで20〜30m先に、F-2(7m)が有った。

この滝も、基本的に、巻く滝であるが、我々は,あくまで、直登出来る滝は、直登しょうと来ているので、その滝の側まで行った。台風の影響か、水量が意外と有り、黒々とした、岩肌が、露出していて、滑りやすい一見嫌な岩に見えた。その時、滝の左側に、ザックらしきものと、目覚まし時計と、折り畳んである銀色のシートが目にはいった。

こんな所に、荷物を置いて、何処へ行ったのだろうかと、不思議に思った。目をその荷物から、左に2〜3m移動したところに、人が仰向けに、寝ている格好をしているが、頭が無く、手も無いのである。しかし、服を着たまま、ハイキングシューズも履いたままであった。体の厚味が無く、すっぽり、体だけ抜けた様な、抜け殻であった。

しかし、よく見ると、靴とズボンの間からは、足の骨と見られる、茶色い棒みたいなものが見える。もう少し、近づいて、方向を変えて、良く見てみると、胸の上部辺りに、人間のしゃれこうべと思われるものがあり、目の窪みと、口から、ハッキリと歯が何本か出ているのが分かった。谷口君を呼んで、二人して人間の白骨死体であることを確認した。

この時、以外にも、そんなに驚きはなく、(完全に白骨化していたためか)これからどうしようかと、相談する。とりあえず、警察に連絡を取ろうと、携帯電話を出し、アンテナの立つ有無を確認したところ、圏外であった。やはり、沢筋はダメで、尾根に出ると、良いかもしれない。まだ、登り初めて、20分程度しか、経過していないので、下山して電話の通じる所までおりることにした。

キャンプ場の水源用に、造った木の橋の所から、細い林道があり、それを忠実に下っていけば、寄川の河原に出ることが出来た。ここでも、携帯電話が通じなく、結局、寄の駐在所まで、車をとばして行くことにする。約、車で10分程度走った所にある駐在所に駆け込んだ。奥から若い奥さんが出てきた。主人は、出張中とのこと、事の成り行きを話すと、大井松田の本庁の捜査課につないでもらって、事情を話した。

しばらく、ここの駐在所で、待っていてくれとのこと、若い奥さんに、アイスコーヒなど、出してもらい待っていた。何気なく、壁を見上げると、ここの主人は、富山県警まで行って、山岳救助の研修を受けて、この丹沢の駐在所で、山岳救助にあたっている趣旨のことが、書いてあった。やはり、場所がらであろう。しかし、肝心な時に、いないとは、、、、、、、。

30〜40分して、パトカーと、鑑識の車が来た。私の車を、先頭にして、キャンプ場ケ゛ートまで来た。さすが、警察である。ゲートのカギを持ってきている。河原近くまで、車を誘導する事が出来た。しばらくすると、山岳救助隊のパトカー4台も到着した。すぐ、ザイル、ヘルメット、ハーネスに、カナビナを着け、死体搬送用の袋を持って、鑑識の警官は、ジュラルミンの箱と、カメラを持って、谷口君が、先導して、もう一度、死体発見現場へ、案内していった。

私は、第一発見者として、捜査一課の山本課長と、死体発見状況の調書を作成するため、鑑識の車の中に留まった。私の言うこと、彼が代筆するかたちで、筆を進めていった。まず、氏名、生年月日、住所、職業、何故この沢に、何のために来たのか、何時何分、死体を発見したのか、死体の状況を、こと細かく聞かれ、最後に、今言ったことに、間違いがないか、署名捺印するところ、印鑑がないので、右手人差し指で、指紋を押し、ようやく、調書が完成した。

本庁から、検死官が来ないと、死体を移動する事が出来なく、捜査一課の山本課長と待っていた。ようやく、覆面パトカーがやって来て、合流した。もう一度、彼らを、連れて、白骨死体現場まで、連れて行かなければいけないと思っていたところ、谷口君が下りてきた。他の警官も下りてきたので、その警官が、再度案内していったので、無罪放免されて、沢登りは、放棄して、飯を食って帰路に着いた。

今日は、人生最大の特異日だった。

後日、寄駐在所へ、白骨死体の件について、電話を入れたところ、2002年7月20日に、キャンプ場のゲート前に車を置いて、(二番目の滝)キャンプ場の水源用のホースに、電線を引っかけて、首吊り自殺をしたとのことであった。身元も分かり、仏さんは、自宅に帰ったそうである。しかし、約一月ほどで、人間の死体が、白骨化するとは、驚きである。

以上、報告終了。








滝の郷F1
















神奈川県警のパトカー四台引率


















神奈川県警のパトカー四台引率

















神奈川県警の刑事の車










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