昔、古代ローマをモチーフにしてて大河チックでおそろしく
壮大な映画って…なんかよくみかけたよね?それをなぜか今
になってリドリー・スコットが撮ったのがこの作品。 直接的な動機付けはよくわからないけど、頷けるところはあ
る。…というのも、昔ジャンジャン作られていた『古代歴史
超大作映画』っていうのはやたら金がかかっていた。
群集のシーンではエキストラが数千人。しかもスクリーンに
は米粒以下の大きさにしか映らないってとこにもケチらずエ
キストラ。興行をはずすと会社が傾くくらい金をかけて作っ
ていた。
当然そんな危険な商売は続けるべきでもないのでそういう映
画はどんどん減っていったわけだけど、今はCG技術がある。
米粒のために余計なエキストラはいらないし、豪華な闘技場
もすべてCGにより再現可能。CGも安いものではないけど、
昔ほどの費用や手間がかからなくなったのは間違いない。
つまり現在の方が一大スペクタクル超大作は創り易いのだ。
…なんか話がいきなり横道に逸れたけど、肝心の『グラディ
エーター』の感想はというと、…尻つぼみ。(;´Д`)y─┛
こだわりの映画監督リドリー・スコットの映像は見事。
個人的にはマキシマスの性格は奥ゆかし過ぎて好きになれな
いんだけど、戦闘時の立ち回りはスゴイ!ラッセル・クロウ
は主演男優賞とっただけの動きをしてくれる。
一個人の戦闘力が状況に変化与え過ぎって感じがしないでも
ないけど、『グラディエーター』っつーぐらいなんだから
“強さこそ正義”っていうのが根底のテーマがあるのかもし
れない。それはいい。
ただ、なんかラスト辺りの展開がすっごく御都合主義でちっ
ぽけなんだよね、おっきくて豪勢なコロシアムを舞台にして
る割に。
ちょっとネタバレなんだけど、最後は暴君コモドゥスとマキ
シマスがコロシアムで一対一の直接対決をする。
でもせっかく“元将軍”なんだからマキシマスは部下を率い
て暴君を打倒して欲しかった。その方が画的にも派手だし、
スカッとしたはずなんだよ。
確かにその辺に関してはちょっとした言い分もあるかもしれ
ない。というのも実はアウレリウス帝やコモドゥスは歴史上
実在の人物で、特にコモドゥスは無類の剣闘好き。皇帝にな
ってからも自身ちょくちょく試合に出てたらしい。そんでも
ってその晩年は剣闘士ナルキッソスによって試合中殺された
たという。…アホやなぁ。
当初マキシマスの名はナルキッソスだった。だけど「元帝国
将軍」の肩書きを加えるためにただの奴隷・剣闘士ではいけ
なくなり、“マキシマス”という架空のヒーローとなった。
でもコモドゥスの死は史実通りにしたかったようで“マキシ
マス軍vsコモドゥス近衛部隊”にはならなかった。
マキシマス個人のモチベーションとして「家族の復讐」とい
うのがあるから、一対一の方が直接的で本望だったかもしれ
ない。でもせっかく架空の人物なんだからもそっと脚色して
もよかったんじゃないかなぁ…とにかく地味。
それに観てもらえるとわかるんだけど、対決の時の光景もち
ょっと変なんだよね。皇帝が大衆の面前で誰にも惜しまれず
に(逆にその死を喜ばれもせず)死んでいくっていうのが。
やっぱり『スパルタカス』みたいな剣闘士たちの叛乱劇みせ
て欲しかったのかもなぁ。
剣闘士見たけりゃ『スパルタカス』観た方がいいし、『ベン
・ハー』の戦車戦の方が迫力あるし、いったいこの映画に何
求めたらいいというのか…。
見所はホアキン・フェニックスの見事な暴君ぶりぐらいか?