| 私の読書ノート |
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読書ノートから、お勧めの書籍(文学作品の朗読を含む)をご紹介します。
紹介のスタイルとして、読んでくださっている皆さんに手紙を出すという想定で文章を作っています。
該当作品にはAMAZON書店へリンクを貼りましたので、興味を持たれた方は手に取ってみてください。
| 拝啓 明けましておめでとうございます。本年も「文学作品を読む」ウェブサイトをよろしくお願い申し上げます。昨年から、サイト全体のリストラ(文字通り再構築です)を進めており、Webオーサリングソフトも現在使用中の”ホームページビルダー”から、Macromedia社の”Dreamweaver 8.0”へと切り替えて勉強中です。デザインやレイアウトはほぼ現状を維持しますが、全面的にスタイルシートを使った構成になる予定で、参考書をたくさん買い込んでもっかのところ勉強中です(^^) そのようなわけで、コンテンツのアップロードが若干遅れ気味ですがご容赦下さい。 鈴木孝夫氏は、『言葉と文化』や『閉ざされた言語・日本語の世界』といった言葉(言語)関係の業績で知られる方でして、中学高校の国語の教科書にもしばしば登場していました。私は割と氏の本は好きな方で、上記の2冊は既に読んでおり、少し前に氏の、『英語はいらない?』という書籍を読んで感動していたところ、これまたその続編とも言えるべき面白い本が文庫化されたので、飛びついて購入したというわけです(^^ゞ これは、単行本『アメリカを知るための英語、アメリカから離れるための英語』という、平成15年に文藝春秋社から出たものを元にしたものです。1)日本の良さの再認識 2)外国(主に欧米社会)の暗部 の2部構成となっており、この2つの主題を過去から現在にわたって歴史的に概観して、著者の主張が展開されます。 本の帯に、「日本人の「誇り」を失うな!」という、愛国精神に満ちあふれる文字が躍っていますが、著者は英語偏重の学校教育により日本の良さが破壊されてしまうのを本気で憂えています。まぁ日本人は横文字に弱い、と以前から言われておりますが、街中で外人にいきなり英語で話しかけられて、しどろもどろの応答を返したことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。よく考えるとここは日本であり、英語で話しかけられたからといって英語で返さなければならないといった義務は全く無いどころか、いきなり英語で話しかけてくるという態度自体が非常に失礼であると言えるのですが、今日のグローバリゼーションの流れを見ていると、国際化=英語化と勘違いしている人がいるのは確かなように思われます。氏は、他国とのコミュニケーションを取るために英語を使うのは構わないが、それはあくまで手段であって文化まで受けれる必要はない、と主張し、イングリッシュではなく、”イングリック”という概念を提唱していますが、まあこれは簡易英語とでも言ったようなものでしょう。私も、イングリック(イングリッシュ・ライク・ランゲージ)の概念には大賛成です。 氏は、日本はヨーロッパと異なって大海に阻まれていたため外国の侵略を受けず、独自の文化が育ったと主張します。これは地球上の歴史から見て奇跡に近い出来事であって、だから日本は世界のリーダーになれる素質があるのだ、と。イランの核保有問題がよく新聞で報道されますが、核兵器を保有し、過去に実際に使用した経験のある米国が、他国に向かって核兵器の廃棄を、武力行使を辞さない姿勢で要求するのは、基本的に間違っていると思いますね。 世界および日本の歴史の概観、日本の特殊事情の解説と考察、現在の日本の姿が解説された後で、「日本人と英語」もちろん、どのように英語を勉強すれば上達するかといった議論では全くなく、「英語に媚びるな!」といった態度がまずは重要だ、といったところから入り、道でで外国人に会っても絶対に英語を使うなと説きます。ここら辺は読んでいて実に爽快で、やんや!やんや!の大喝采といったところでしょうか(^^)。 少し前、突然職場に英語で電話がかかってきました。ある人材ハンターの会社だったのですが、こちらが内容を充分に理解していないことを知りながら一方的に早口で喋りまくり、アポイントメントを取ろうという非常に失礼な態度を取られたのです(怒)。英語を利用した、実に悪質で、日本人をバカにした態度です。この本を読んでいて私はこのときの怒りがフツフツと沸き上がり、今後このようなことがあったら全て日本語で怒鳴り返してやろうと決意しました。 最後は、「英語教育と日本語の将来」というインタビューの収録になっていて、鈴木氏の主張する内容はだんだん過激になってきているとか(笑)。ここの部分には氏の主張が凝集されていますので、まずはこの部分だけを読んでみて面白いと思えたら残りを読む、というのでもいいかもしれません。しかし、書籍自体がそんなに高価なわけではありませんので、このページを読んで興味を持たれたらまずは買っちゃっても損はしないと思いますよ。保証はしませんが(^_^;) 敬具 |
鈴木孝夫 『言葉のちから』 文春文庫(2006) \543+tax |
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| 読書ノート No.5 2007/1/14 | |