私の読書ノート

読書ノートから、お勧めの書籍(文学作品の朗読を含む)をご紹介します。

竹内一正『スティーブ・ジョブス、神の策略』、リュウ・ブックスアステ新書(2009)

アップル社、いや、IT界の名物男、スティーブ・ジョブスの人物伝のひとつ。本ウェブサイトでも以前に『スティーブ・ジョブス 神の交渉力』を紹介しているが、それに続く第2作目のアップとなる。

<目次>
1.苦労を共にしただけで、一生を共にしようと思うな
2.頭のいい奴は敵にしてもいいが、運のいい奴は必ず味方にしろ
3.痛いところを上手に突け。神さえ君を頼り始める。
4.失敗したらやめるな。諦めはクセになる。
5.有益な嘘の方が、無益な真実より仕事になる。
6.この世に安定などない。次のチャンスがあるだけだ。

前作同様、ジョブスの波瀾万丈とも言えるエピソードに満ち溢れています。情報源となるソースは同じだが、話題の切り口を変えて複数冊の本を出しているように見受けられ、出版のテクニックが使われているのかもしれない(笑)。パソコンやインターネットが好きな読者にとっては、刺激的な話ばかりなので、楽しめることは楽しめるように思う。

この本では、ネクスト社やアップル社のことだけではなく、IBMやマイクロソフトとの関わりにもかなりのページを割いているのが売り。前作に比してよりビジネスへの提言やアドバイスを盛り込もうと意識し、努力したふしが見受けられる。各章の終わりにある、著者のコメントは多少おせっかいな気がしなくもないが・・(^^;

日本には創立200年以上の企業が3000以上あるそうだ。著者は創業100年以上の長寿企業のポイントとして、環境の変化にいかに対応できるかだとしている。が、私の感覚としては会社は短命でも構わないように思うのだが。日本国の将来の望みを、技術イノベーションをキーに置くのであれば、日本はもっとアメリカのシリコンバレーを見習うべきだと考える。経験の蓄積は、革新の力を弱める。安定と革新はそもそも相容れないものであり、革新を求めるならばそのような環境に身を置く必要があることをスティーブの生き方は教えてくれている。

イノベーションや創造は、今日では広く日本に定着している。仕事でも当たり前のようにそれが要求され(少なくともかけ声だけは聞く)、業績を上げたり生き残るにはこれらの要素は必須であるとされている。が、実際に業績に結びつくイノベーションや創造が生じることは非常にまれだし、誰もそれを不思議だと思わない。「目利き」という言葉も盛んに使われるが、それが実際に生じることは涙が出るくらい少ない。そしてそのような実態を皆が知りながら、矛盾を指摘する声は聞かない。これを理想と現実の当たり前のギャップとして見るか、それとも深刻な問題であると考えるかは各人が自分自身に問うてみる必要があるだろう。

チャレンジした結果、成功するとは限らないが、チャレンジしないで成功することは(つまり、たなぼたは)まずあり得ない。結果が同じでも、チャレンジした過程を積極的に捉えるのか、それとも時間の無駄だと考えるのかも、各人が自分自身に問うてみる必要がある。

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竹内一正 著
『スティーブ・ジョブス、神の策略』
(2009)


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読書ノート No.47 2010/01/16

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