| 私の読書ノート |
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読書ノートから、お勧めの書籍(文学作品の朗読を含む)をご紹介します。
『ウェブはバカと暇人のもの』、中川淳一郎著、光文社新書(2009) 梅田望夫氏がITmediaのインタビューで「日本のウェブは残念」と発言したことに対して、波紋が広がっている。彼の発言こそ残念だ、日本のウェブを残念にしたのは梅田氏自身ではないのかというコメントが出ている。 ところが、氏は上記のインタビューで日本とアメリカを比較し、どうやら日本では氏が理想としていたような仕方でインターネットが発展していないことを指摘し、「残念」であるとの見解を述べている。まあ、ベクトルの方向が違うと言いたいのだろうと思うが、日本ではインターネットが生活の基盤(ここで言うのは仕事で使うというのではなくて、”個人のパワーを増強するという意味)になっていないということだと思う。私はアメリカでネットがどのように使いこなされているのか身近な実例を知らないのだが、氏の言わんとするところはだいたい理解できるように思う。集合知と言ってもピンキリだとは思うが、要するにもっと知的レベルを上げなさいよと氏は言いたいのだろう。 アンチ梅田氏の主張として、氏がインタビューの中で取り上げているのが本書である。中川氏もインターネット絡みの仕事をしており、現場の第一線で活躍されている方である。氏はネットの利用者を「頭のよい人」と「バカ、暇人」に分けて、後者にスポットを当てる。梅田氏が相手にしているのは「頭のよい人」、俺はもう一方の方に対して、インターネットの現状を生々しく紹介しようというわけである。もちろん全て実例である。私は大変楽しく読んだのであるが、まぁ夢も希望もアリマセンといった内容であり、一部の人にとってはショック、他の人にとっては「なんだ、こんなの当たり前じゃない!」といった内容だろう。梅田氏も、「頭のよい人」と「バカ、暇人」という切り分け方には一理あると認めているので、自分の著書はインターネットの一部について書いたものであると認めていることになるのだろう。 この本を読んで、自分の姿勢や考え方が影響を受ける人もそうでない人もいるだろう。もし梅田氏の著書を読んでいれば、なるべく早くこの本も読んだ方がよい。インターネット利用者を上述のように切り分けるのが適切か否かはともかく、梅田氏の主張と中川氏の主張はどちらも真実であると思えるからだ。インターネットは単なるインフラではあるがそこで起きている(あるいは、起きる可能性のある)ことは偏りなく見ておくべきである。別にインターネットについて発言しなくてもよいが、もしこの文章を読んでくださっている方がブログやウェブサイトを作っているのであれば、梅田氏と中川氏の話はどちらも有益だと思っている。 最後に。この本を読んで、私の姿勢が変わったかというと変わらなかった(^^;インターネットはスーパーニッチな嗜好を持った人に情報を届けたり、意見交換ができる大変良いインフラストラクチャーであるので、引き続きコンテンツを充実させていく。相変わらず私は、梅田氏が主張する集合知に期待を寄せている人間である。
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| 読書ノート No.32 2009/6/27 | |