信州のコウモリ(日本語版)第1章 東洋蝙蝠研究所

信州のコウモリ 第1章

1.はじめに〜バットウォッチャーからの声〜



はじめに 〜バットウォッチャーからの声〜


 自然一般が見せてくれるものとは何でしょう?私たちナチュラリストは常に目に見える物、耳から入ってくるものなど、色々な形で自然から情報を受け取ったときに考えています。季節のうつろい、環境の変化、生き物の多様性といったものが一般的でしょうか。コウモリたちはそこに加えて超音波、渡り、冬眠、そしてとりわけヒトの仲間の哺乳類なのに空を飛ぶなどという数々の「自然界のふしぎ」を教えてくれる最も身近な野生動物ではないでしょうか。

 しかし、声を出してもほとんど人には聞こえず、活動するのは人には見えにくい夜間と、なかなか我々には存在を伺うことすら難しいものでした。そんな、ヒトの感覚が届かず気付かれなかったところに、実は大きなコウモリたちの世界が存在していたのです。
実は町の中も飛んでいるヤマコウモリ

 アウトドアブームと言われる昨今ですが、家に住んで町に生活し会社に働きに行き週末だけ「ああ、これが自然だ」と心をリフレッシュするのが大多数である、いわゆる普通の人々にとって、実のところ自然や生き物に対してどれほどまで理解が進んだのでしょうか?

 自然に関する情報は種類さえ問わなければ今やテレビや雑誌から幾らでも入ってきます。種類さえ問わなければ、というのは実はメディアによって取材しやすい、人の意見でシナリオを組み立てられるといった発信する側の都合に視聴者・読者が飼い慣らされてしまっていることから感じられるものです。「大自然」や「野生動物」といった言葉からあなたは何を想像するでしょうか。原生林の奥深くですか?それともゾウやキリンが闊歩するアフリカの平原でしょうか。そこに見られる多数の反応こそ、生活の身近な中に自然を見つけることを忘れた人々、そして自然と共に生きてきた歴史をおいてきぼりにしてきた日本人の自然観の変化というものを感じてしまうのです。

 そこでこのページでは、我々の住んでいる日本の町や村にも最も身近な野生動物のひとつとしてのコウモリを紹介します。


バットウォッチングのススメ




 「ええっ?コウモリ?」先入観によってそんなふうに気持ち悪がられることもあるコウモリですが、彼らの生き様には、深い深い夜空に包まれた地球の事情があるのです。私たちはどうしてコウモリを見るのでしょう。コウモリの生活に秘められた自然の意味とは?こちらのページでは、そんなバットウォッチングのコンセプトをお伝えしたいと思います。

コウモリ観察コード


 コウモリに関心が出てきた、見てみたい。そんな思いを持っていただけたらとても嬉しく思います。そして会いに行くには・・・と思ったところでもう一つ。コウモリは私たち人間の力に比べると、とても小さな命です。観察したいな、出会いたいな、と思うが故に彼らの生存に知らず知らず悪い影響を与えてしまっては本末転倒です。そこで、どうしたら良い関係を保ちつつ観察することができるのか、コウモリ観察会など出会いの機会を主導するメンバーによって「コウモリ観察に関する注意事項(日本版コウモリ観察コード)」をまとめています。ご一読下さい。

家に住み着いたコウモリ相談への回答(基礎編)


 「コウモリがすみついた。どうしよう?」蝙蝠の蝠は幸福の福につながる、ということでコウモリは昔から「福を呼ぶ生き物」として親しまれ、家に住むことが歓迎されてきたのですが、自然と人とを分断して、人だけが住む家の中に快適を求めるがゆえに最近はちょっと嫌われることもあるようです。
 このホームページを見た方からも「コウモリが住み着いたのでどうすればいいですか?」といった質問が時々やってきます。そんな質問に今のところお答えできるものをまとめましたので参考にして下さい。
 応用または実際の対処は、自力で解決できないようなら個々の例を詳しく調査する必要があるので専門家に依頼するしかないでしょう。というわけで、あくまでWebでは基礎編のみです。
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