河口湖のオヒキコウモリ 東洋蝙蝠研究所

オヒキコウモリ


環境庁(1998)レッドデータブックランク : 情報不足(Data Deficient)
長野県(2004)長野県版レッドデータブックランク : 情報不足(Data Deficient)

河口湖で保護されたオヒキコウモリ
 下の写真は1997年3月に山梨県河口湖で保護された雌個体です。長野県では姿は未確認ですが、アメリカやアジアでの研究からおそらくオヒキコウモリの声であろうと言われているなぞの声が話題になっています。遠くない将来に長野県内でも確認されるのではないでしょうか。
 21世紀に入り、いよいよ飛んでいる姿が観察されるようになってきました。しかし、いまのところ誰にも捕まったことがなく、はっきりオヒキコウモリが飛んでいるとは言いにくい常態が続いています。もしも言われているように、耳に聞こえる声を出しながら尾を引くコウモリがオヒキコウモリであったとすると、意外に多くいるのかも知れません。


オヒキコウモリの顔
腿間膜を伸ばした状態
指骨の骨化の様子
腿間膜を縮めて尾を引かせた状態

夏山で聞こえる謎の声
 夏山に登ると夕暮れ時にどこからか「チッチッチッ」といった動物の 声が聞こえるがなんだろう?という話題があります。これが、今話題の 「なぞこえ」です。普通のコウモリは餌や飛行場所の位置特定をする (エコーロケーション)のに人間の耳には聞こえない超音波を出すこと が特徴ですが、オヒキコウモリの仲間(Tadarida属)には人の耳 に聞こえる音(可聴音)でこれを行うものがいます。姿はなかなか見 えないが、声だけがチッチッチッと空中から高速移動しているように 聞こえるこの「なぞこえ」は、1996年に呼びかけてみたところ日本全 国のみならず海外でもあちこちから聞こえると反応がありました。
 また、数年前からコヒガンザクラで有名な高遠城蹟公園でも桜の季 節になるとこの声がすると報告され、ここでは翼を広げて40cmほどの コウモリが飛んだというシルエットを確認した人もいます。これがオ ヒキコウモリではないかと噂になっていますが、1996〜1997年に相次 いでコロニーが見つかった以外の場所では、日本国内でまだ20個体ほど が偶然に保護されたり捕まったことがあるだけのオヒキコウモリの姿と 声とを結びつけて確認するまでには、まだまだ時間がかかるものと思われます。

 皆さんも、山の夕暮れで耳を澄まして「チッチッチッ」という声が 飛んでいかないか、聞いて見ませんか?

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