なにが幸いするかなんて、誰にもわからない。
最近強くそう思う。
一見、つらい事のように見えても、実は素敵な出来事だったりすることって
あると思う。もちろん、時間が必要だけれども。
たとえば、小学生の遠足で
楽しくみんなで歩いた先に、広大な草原が広がっている。
そこには、とても涼やかな風が吹いていて
僕は、胸いっぱいにその空気を吸い込んでみる。
「じゃぁ、ここでお昼にしましょう」
と、先生が言う。
ところが、僕のリュックサックの中をいくら捜してみても
お弁当がみつからない。
どうしよう。
周りでは、みんなが楽しそうにお弁当を広げている。
僕はひとり途方にくれる。
朝、あわてて飛び出したから、きっと忘れてきたんだ。
どうして、ちゃんとお弁当を入れたか、母さんにきかなかったのだろう。
この草原で、僕は、ひとり後悔していた。
しかし、いくら悩んだところで、お弁当は出てくるはずもなく…
肩を落として、草原を見つめるしかない。
足元には、ひしゃげたリュックがあるだけ。まるで、僕の心のよう。
「○○くん(←僕の名前)どうしたの?」
同級生が声をかけてくる。
しょうがない。ため息をついて
本当のことを言うしかない。
「僕、お弁当を忘れてきたみたいなんだ」
そしたら、だんだん、友達が集ってきてしまった。
友達のひとりが言った
「じゃあ、僕のウインナ−をあげるよ」
すると、べつの友達が、続いてこう言った。
「私は卵焼きあげる。甘くて美味しいよ」
「しょうがないなぁ。俺は、から揚げやるよ」
どこで見ていたのか、先生までやってきて
「おにぎりを半分わけてあげるわ」
と、優しい笑顔で僕にささやいた。
気がつくと、ひとり分のお弁当ができあがっていた。
ウインナ−はタコの形で可愛いかったけど、おにぎりはちょっとしょっぱすぎ。
でも、なんで
こんなに美味しいんだろう。
まるでピクニックの妖精が、魔法をかけたよう。
僕はだまって、空を見上げる。
そこには、目の前のから揚げと、同じくらい不思議な形の雲が
ぽっかりと浮かんでいた。
とか、そういう経験をしたかったなぁ。
なにが幸いするかなんて、誰にもわからない。
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今回のイラストは、1024×768サイズで仕上げてみたものもあるので
こちら
からみることもできます。
僕を見守ってくれている、すべての人に感謝の気持ちをこめて…
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