さて、今年もとっくに始まっている。
昨年の総括とか、思い出してみればひとつ小説を書くなどという大それた目標を
立てていたわけだけれど、これがなかなか難しい。
結局、色々思い浮かべて、書きはじめては削除することの繰り返しでした…。
しかし、目標をたてて活動するというのは、やはり大事なことで
今まで気にも留めていなかったスキルとか、知らなかったアプローチとか
いろんな発見がありました。
そのうちのいくつかを紹介しつつ、今年の目標を掲げたいと思うわけです、ハイ
■ドラマチックストラクチャーに触れて僕は変わった
これは映画のシナリオ作成の基本概念らしいのですが、全く勉強不足で知りません
でした。要は、シナリオを作成する上で一番大事なのは主人公が何を求めている
のか明確にして、それを軸に最後まで物語を牽引せよ!ということなのだけれど
非常にわかり易いスキルなので、とてもタメになりました。
たとえば、桃太郎の場合
鬼が村を荒らして困っている。だから鬼を退治しよう!
これが、物語を牽引する軸になるわけです。
もちろん、桃太郎は、桃から生まれたという特殊性以外には特に何も優れたスキル
を持ち合わせていないし、これで鬼を倒すことは出来ません。
そこで、犬の戦闘力,サルの知恵,キジの偵察能力を物語の進行に合わせて手に
入れるという成長過程に意味が出てくるわけです。
これと非常に似たハリウッド映画に「スターウォーズ」があります。
何も持たない主人公ルーク・スカイウォーカーが、オビワンによって戦闘能力を
開花し、R2−D2による偵察分析能力の強化、そしてハン・ソロとの出会いで
機動力を手に入れるあたり、このあとの鬼(=帝国群)との戦い準備がひたひた
と整えられて、見ている側はぞくぞくしっぱなしです。
そして物語に欠かせないのが、神秘性を帯びたアイテムですが、
それは古い指輪だったり、伝説の剣であったり、飛行石、やわらかい石、土曜日
の実験室、まぁ何でも良いのですが、キーアイテムの存在は重要です。
フォースを中心に仲間が集るのも良し、桃太郎でいえば「きびだんご」を作った
おばあさんって実は、すごい魔法使いかも知れないと考えたりもするのですが
それはまた別のお話。
つまり、キーアイテムを介在して、その場にあるエナジーが集約されることにより
場が、目指すべく軸に向かって動き出す。
こういった物語がダイナミックに流動していく、
その手法こそがドラマチックストラクチャーなのです。
昨年、僕が学んだことを集約してみましたが、なんかこれだけでも物語が書けそう
な気がしてきませんか??
■取材なんて、受けてみるもんだよ(自戒と反省をこめて…)
昨年は、なぜか取材にこたえる機会が多くて不思議な一年でした。
ちなみに自分はただの設計者なので、そういう部署ではないのです。が、こういう
性格なので、知らないことには是非首を突っ込みたい!ってことで、
「え取材?誰も手あげないの?んじゃ、僕やりまーす。まじでOKすか?」
という流れで、いろんな人にお会いすることが出来ました。
結果からいうと、最初の3回は完全に失敗でした。そして、それが昨年の全成績です。
もうね、カメラのレンズが超苦手で…
顔がこわばって、気のきいたことも言えず、もともと無い実力のさらに半分も出せず
に、取材後は自己嫌悪ですよ(^▽^)はっはっは(泣)
今年に入ってからも、取材対応があって、そこには僕の大好きなSF作家さんが同席
したのだけれど、
もうこれで最後!
と、割り切って望んだら、これは本当に晴れわたる空の飛行機雲のように、
気持ち良く、お話することができました。奇跡的に。
で、何が言いたいかというと
「人の目を気にしているうちは、面白いことなんて言えない」
ということです。これって、わかっちゃいるけど、なかなか出来ないことなのです。
それが、実感できました。
この中途半端な自己保身の薄皮をはがすのって、実は結構難しいものです。
自然体になるために、自分の心を解放するのって
ゆで卵に貼りついた薄皮を、白身に傷をつけないようにはがすのと同じくらい高度
な技なのですよホントの話(って、どんな例えだ!)
■で、今年の目標は?
先に結論から言うと、「今年こそ、ひとつの物語を書き上げる!」ということです。
物語を書くのも、絵を描くのも、実はすごく共通点があって
基本ルールくらいは勉強しておきなさい
ということが言えると思うのです。
今の世の中、情報伝達の優れたツールに満ちています。先人達の知恵も比較的簡単
に手に入るのです。独学と併用して、一般教養を身につけるなんて雑作も無いこと
です。自分がやろうとしていることなんて、すでに誰かがやっている可能性が十分
にあるのです。だったら、そんなものはおさらいして、早々に乗り越えるべきなの
です。最後に、その話をします。
■やっぱすごい映画だなーって思う話
これは、ドラマチックストラクチャーについて書いてたサイトにアップされていた
ことの伝聞だから僕のオリジナルではないです。でも、とても含蓄があったので
ここで紹介しておこうと思う。
取り上げていた映画は「ローマの休日」
主人公は新聞記者でお金が無い。だからお金が欲しい。冒頭では仲間とポーカーを
やっていて、しかも負けて…だからやっぱりお金が欲しい。これが物語の軸になる。
そこに某国の王女がやってくる。
スクープを取り上げればお金が手に入る。だから記者は王女に近づく。
そして、王女は変装して普通の旅行者を装って街に出る。記者にとってはこれ以上
無いチャンスが巡ってくる。これで、写真を撮り記事を書けばスクープだ。お金が
手に入る。
王女は普通の女の子があたりまえにすごす日常を体験する。道端のアイスクリーム
売りから品物を買って舌鼓をうち、いつもの清楚な笑みではなく、心の底から笑顔
を見せる。ローマの街で、ファインダーに収まるあたりまえの少女の仕草。でも、
それは王女が見せるべき姿とはかけ離れた眩しい輝き。
これはスクープだ。
新聞記者は嬉々として、手に入れるお金を想像する。彼は、目的を達成したのだ。
しかし、すんでのところで王女は気づいてしまう。そのたくらみに。
記者の撮った写真と、彼の思惑に気づいた彼女は失望する。悲しみを胸に秘めて。
彼女は、新聞記者のもとを去る。
彼は、当初の目標を達成した。この写真と記事を持ち込めば、彼が渇望していた
大金が手に入るのだ。
そして、王女がローマを去る日がやってくる。
スクープ記事を出すには絶好のタイミングだ。朝刊には彼女の破天荒な、そして
十二分に話題性のある記事が載るだろう。
それでも王女は毅然とした態度で、ローマの市民の前に姿を現す。たとえ笑い者
にされようが、私は王女なのだから。
しかし、新聞記者はスクープ記事を書かなかった。写真は破り捨てられ、記事は
書かれなかった。彼は、当初の目的を放棄したのだ。王女との友情のために。
それを知った王女は、記者団の「どの街が一番素晴らしかったか?」という質問
に答える。
「どの街も、それぞれに素晴らしく…
(間)…ローマです。
ローマこそが一番素晴らしい街でした」
ドラチックストラクチャーの手法から言えば、当初の目標を放棄するというのは
型から外れた道筋になるはずです。でも、だからこそ、この話は心を揺さぶるのです。
なんというか、当たり前だけれど、奥が深いなぁと。
こういった先人達の秀作に一歩でも近づく物語を書いてみたいものです。
これが、今年の目標です。
大それてはいるけれど、目標なんてものは、盗られたくない柿の実みたいなもので
高いところにあれば、あるほど良い
ってことで!
今年もお付き合いのほど、よろしくお願いいたします(^^)
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